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「あ!! 出て来ました。


先頭はあの人ですね、伝説のFランクと呼ばれる冒険者の方ですね。


ちょっとお話聞いてみましょう」


取材クルーの方達が綺麗な女性アナウンサーを中心に突進してくる。


「専任の冒険者の方ですね?」


女性アナウンサーの質問に答えるが、たて続けに質問を繰り出す。


「あの、それで冒険者のランクは最低のランクがEランクですよね。


何故貴方だけFランクなんですか? それも伝説等とまことしやかに言われているようですげど」


綺麗な女性アナウンサーの質問が、研修内容より俺のあだ名に注目している事がわかった。


「え? それは俺が言ってる事じゃなくて、そう言われているだけだから自分じゃわからないです」


「そうなんですか? でも、そう言われるのは理由がありますよね」


笑顔で突っ込んでるアナウンサーに押されてしまい尻餅を付く。


「ちょっと、危険ですよ」


そこにギルド職員と警察官が走って来て俺を取り囲む。


「これ以上、押さないで下さい。転ぶと怪我しますので」


その隙を付いて取材を抜けて、帰る日丘さんの乗る車に逃げる。


「お、お前何しに来やがった。これは私の車だぞ」

「お願いします。取材の人達から匿って下さい」


「やめろ、私までテレビに写るだろう。あんなのはお前だけでいいんだ。私まで有名人にするな」

すると他のギルド職員の方が2名車に乗って来て、後ろの席で両サイドをはさまれる。


「日丘、車出すよ」「今日の主役は確保したからね」

「任せておけ!!」車が発進する。


俺が何を言っても駄目なのに、同じ職員が言うと問題無いのか?


そう思うと少し寂しくなる。


後ろの座席で両サイドを話をしたことの無い女性職員の方に挟まれ、腕を組まれた状態で双方から胸を押し付けられる。


まあ、軽自動車の後部座席に大人が3人も乗っているだ、嫌でも体が密着する。


バックミラー越しに日丘さんが無言で俺を睨み続けていた。そして何を思ったか俺のマンションの駐車場に来た、確かにここならダンジョンから近いけど。


「ノリ、あんた前においで」


「え? 私はこのままでも良いわよ」


「あのさ、私の車軽自動車なの。


後ろに人を3人乗せてると私が捕まるでしょ」


「え、やーよ。

せっかく日丘のお気に入り捕まえたのに」


「うるさい。あんた本当に肉食系のくせしていつも男がいないじゃない。


コウは私の大事なおもちゃなの。あんたに預けたら壊すでしょ」


「………でしょう」「………だわ」「……なのよ」


等30分程、謎の言い合いが続き何故かみんな揃い俺の部屋に来ることになった。


「あ、コウちゃんお帰り」


「ばあちゃんただいま。この人達は協会の人。ダンジョンから助けてもらって送ってもらった」


「そうかいそうかい。皆さん、ゆっくりしていってね」


「「「は~い」」」


それから俺の部屋に来る。


「ちょっとコウ、あんたなんて部屋に住んでるの。何も無いじゃない」


日丘さんが遠慮もなく俺の部屋に入って探索し始める。


「あら、本当ね。


お姉さんちょっとガッカリ。若い男の子だもの、少しばかりエッチな物があると思ったのに」


一緒に付いてきた職員の方達がそう言って何もない部屋の文句を言ってくる。実際に俺の部屋に有るのはベッド、洋服タンス、掃除用品に冷蔵庫。


後は食器にパソコンだけだ。


「あら、このパソコン、協会のやつよね?」


「ハイ、留萌さんから許可をもらって譲ってもらいました。留萌さんと日丘さんとの連絡用です」


「ちょっと日丘、これじゃコウ君エッチな動画が見られないでしょ。何で新しいの買うように言わないの?」


「そうなの?」


日丘さんはエッチな動画が見られない事に何故か反応を示した、これは何か悪い予感がする。


話題を変えようと他のダンジョンの日取りを確認する。

今日入ったのはボスが亀さんの初級ダンジョン、そして来週はボスがコボルトの初級ダンジョン。それから県外のダンジョンとこれから結構忙しい。


「日丘さん、この後のコボルトダンジョンは何方が担当するんですか?」


「私達だよ」


「へ?」


「聞いてなかった? 私達、女神の雫が担当するの。よろしくね」


日丘さんの顔が、恐ろしい程の笑顔だ。


女神の雫は若い女性だけのパーティーだ。話題になったのはモデル並に綺麗なメンバーだけのパーティーで、しかも物凄く強い事だ。


全員が二次覚醒をしており、パーティーランクはAランク。


Aランクダンジョンに史上最年少で入った記録を持つパーティーだ。


「あの、女神の雫って4人じゃなかったですか?

俺も動画配信見てました」


「コウ。お前」日丘さんが震えている。


「お前、あたしらのストーカーだっのか?」


そう言うと悪い顔で笑い始める。


「よし、今日のお題が決まった。

"今話題の伝説のFランクは女神の雫のストーカーだった" これで決まりだ」


「あら、センセーショナルね。私は賛成」


「お姉さんも賛成。どうせだからさ、ストーカーの既成事実を作ってしまいましょう」


ひぃ、こ、殺される。1人狙われて部屋のすみに移動する。


ピンポン!


「コウちゃんいる。留萌さん来てくれたよ」


「「「チッ!!」」」


3人のお姉さん達が一斉に悪い顔をした。

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