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それから数時間後、さおり1人が部屋に来た。


「麒麟、ごめん待った」

「さおり!?」


麒麟がさおりに抱き付く。


「ごめん、なんかさおりと同じ位強い人だったから怖かった。さおり、妾どうしたらいい?」


「大丈夫、今日は私がここに泊まる。

明日はお母さんが来るから私の部屋にでもおいで」

「うん。でも妾この子持って行けない。どうしよう」


「なら、私が持って行くから麒麟は見つからないように来て」


麒麟がウルウルとしている。


「さおり大好き」

そう言ってさおりに抱き付く。

後日、また昼頃に人があらわれる。俺の部屋にいたさおりのお母さんが対応する。


「どちら様?」

「あの、ここは二前(ニノマエ) (コウ)さんのお宅では無いですか?」


不振に思いさおりのお母さんが外に出る。


「私はこのマンションのオーナーをしています日丘と申します。

あら貴女? 渡辺 さちえさんね。先週以来ね」


「あ、日丘さん?あれ、私間違えたのかしら?」


「コウ君に何か用? コウ君、今大切な用事でここにいないの。戻るまでの間、管理を頼まれていて」


「そうなんですか?

あの、コウちゃん。アメリカに渡ったって噂が凄くて、それでちょっと心配になって確かめに来たんです」


「アメリカ? いえ、日本にいますよ。

ごめんね、詳しい事は私も言えないけどアメリカには行ってないわ」


「あ、指名依頼ですか?」

「そこも言えないわ」


「そうですか、でもホッとしました。

コウちゃんに連絡取れたら伝えてもらえますか。


おばあちゃん、最近凄く弱ってて。お医者さんからも持って一年だって言われていて、出来たら元気な内に会いに来てほしいって」


「わかったわ。渡辺さん、病気なの?」

「癌です。歳ですから、進行が遅いですが少しづつ弱って来てて」


「そう。教えてくれてありがとう。私達もお見舞いに行かせてもらうね」

「ありがとうございます」


そしてサナエちゃんが帰るとさおりが俺の部屋に来る。


「お母さん、誰だった?」

「業者会の渡辺さんのお孫さん。渡辺のおばちゃん癌らしくて後一年位なんだって。それで元気な内にコウ君に来てほしいって」


「そうなんだ。起きたら行かないとね」

2人が寂しそうな顔で下を向く。


「あ、所でコウ君アメリカに行ってる事になってるけど何か知ってる?」

「アメリカ? あ、この間ダンジョン入って直ぐにレイラの信者がいてさ、もしかしたらそのせいかも知れない」


「そう、本当に厄介ね。誰でもあのダンジョンに入れば限界突破出来るって本当に思ってるようね」

「ねぇ、そんなダンジョン。本当にあるの?」


「あるわ」


アメリカにあるそのダンジョンはある特定の条件を満たしてダンジョンを制覇すれば限界を越えてレベルを上げる事が出来る。


ただ、その条件が問題だ。それを知るものは数名のみ。

そして伝わるのは噂ばかりだ。有る者は恋人を、有る者は自らの肉体の一部を失い、犠牲を払い希望を叶える。


そう言われるのがそのダンジョン、付いたあだ名が悪魔の誘惑。あそこに入った人間の8割は人格を壊し2度と人として生活が出来なくなる、そう言うダンジョンだ。


「それで、お母さん。昨日の防犯カメラと同じ人だった?」


「違うわ。今日から我々で警備もしないと行けないわね」

「わかった警察に連絡しておく」

その日の夜から警察官がマンションの警備に当たる事になった、俺の2つ隣の空き部屋と覆面パトカー2台に常駐して警護に当たる。

警護が始まり2週間程経ってついにあらわれた。それは警察が常にマークしていたある凶悪組織の連中だ。


「おい、本当に問題無いんだな?」

「大丈夫だ。おまけに今日はあれも来てる、確実に殺れる」


そう言って5人の男達が俺の部屋の前にくる。


1人が鍵の解錠を試みる間、残りが周りを警戒する中で解錠に2回失敗したところで防犯ブザーがなりライトが付いた。


するとそこに警察官達が飛び出し男5人を捕らえて話を聞いている。その時、さおりが駐車場に降り立つ。それも道場着を着ていた。


「お巡りさん。危険なので脇に寄って下さい」

「何がありましたか?」


「冒険者です。私が捕らえます」

すると何処からともなく男2人が出てくる。目は虚ろでふらふらとしており、酔っぱらいのような感じに見える。


「さおり、良く見ておきなさい。あれが悪魔の誘惑に負けて魂を取られた者達の末路よ」


さおりのお母さんの声が、部屋にいる俺の耳にも届いた。

2人共にAランク以上の冒険者。にもかかわらず自らの意思を持たず、ふらふらと歩くその姿に少し嫌気がさしてしまう。


「新真大社流 総合師範代だ」


2人の男が目標をさおりに定める。おもむろに刀を抜く。


「危険です。離れて下さい」


警察官がさおりに逃げるように促すが、さおりがそれを断る。


「大丈夫です。彼らは冒険者です、対応はお任せ下さい」


ブンッ ブンッ ブンッ。


大振りの刀が交互にさおりを襲うが、冷静にかわし1人目の男の腕を掴む。


ザッ ドサ!!


腕を逆手に取られ後ろ向きに頭からアスファルトに投げられて動がなくなる。

そこに応援の警察官が飛びかかり1人目を確保する。


「キャシャー!!」


1人が倒された事に覚えたのは怒りか、それとも恐怖か。突然、刀を抜きかまえを取ってさおりとの距離を計り始める。


その様子を見たさおりは静かに歩き男に近付く、その様子を集まった警察官達が固唾を飲んでみまもる。

何も構えもせずに静かに近付くさおりに冒険者が目を丸くする、その行動がまるで理解出来ないのだ。冒険者の男が自ら攻める事を選択。歩を進め、一気にさおりを斬りにかかる。


ブン!! ゴン! ドン!


刀を降り下ろす男の攻撃を避け無防備になった男の首に拳を打ち込む。一瞬、ふらつき刀を落としたタイミングで足をかけ後ろに男を倒すように投げる。


「行け、今だー!」


盾を待った機動隊が倒された男にのしかかるように取り押さえ捕まえた。

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