◇
「ワンワン!!」
六尾が吠えると一尾狐の残りが六尾の後ろにまとまる。
「みんな後ろに下がれ。ここからは俺がやる」
流石のさおりも六尾を見て恐怖していた。
六尾が毛を逆立て震えさせる。
「土壁」
目の前に土壁を出し全員を覆う。
六尾は自らの毛を針のように飛ばしたみたいで防御壁の土壁がもろく崩れて行く。
「大火炎」
土壁の崩れた所から六尾に対し炎魔法を飛ばす。土壁の上に六尾の頭が見えている状態で、索敵をかける事無く六尾を攻撃する。
炎を嫌がり少し下がった所に刀を抜いて攻め立てる。
「炎魔法 炎纏い」刀を炎が覆う。
縮地を使い六尾に接近、俺の動きに合わせ六尾の前足がパンチのように降り注ぐ。
六尾の足が地面に当たるとドシンドシンと鈍い音を上げて地面をえぐる。縮地をかけ脇に移動すると六尾の前足の付け根に向かいジャンプして下から刀を振り上げる。
ズパン!! 「ギャン」
凄い音を立て六尾の左前足が吹き飛んで行き、体勢を崩した六尾に対し右前から炎魔法を飛ばす。
「炎弾」「炎弾」「炎弾」
六尾が顔を背け魔法をやり過ごす時に腹下に潜り、一気に刀を突き刺し、降り下ろす。
炎を纏った刀が腹の下半分を斬る。斬られた所から炎が移り六尾の体が燃えていく。
そこにいつもの頭に機械音が流れる。
「単独でボスを倒し、また討伐時間が10分かかっていません。
特別ボーナスが加算されます。ボス討伐の経験値は入りませんがレベルが4000上がる事になります」
ナイトメアのジョブもレベルがMAXになる。
「残りは、お前らで殲滅しろ」
「「「「「オオー」」」」」
クリスを中心に残った一尾狐全てを倒す。
妖狐を全て倒し終えると戦いに参加しなかったコングエイプとトラオとケンタが魔石等を集めて持って来てくれる。
「ありがとうな」
3匹にお礼を言うと少し照れくさそうにしている。
「麒麟、ダンジョンに人はいるか?」
「大丈夫。あのパーティーもとっくに出てる」
「じゃ戻るか」
ダンジョンを出る途中、さおりがふらつく俺を支えてくれる。
「大丈夫?」
「なんとか、先ずは協会に魔石とか売ってしまわないとね」
「無茶しないでよ」
「大丈夫だよ」
協会により、今日倒したモンスターの魔石等を全て卸して家に帰るとさおりとさおりの両親が一緒に部屋に来た。
「コウ君。大変だろうけど頑張るのよ」
「すみません。よろしくお願いします」
さおりが突然俺に抱き付く。
「死んだら許さないからね」
「死なない。鉄斎のじぃさんに殴られても生きて帰って来ただろう」
「うん」
「大丈夫だ。俺は負けない」
「うん、私を1人にしないでよ」
「わかってるよ。それより、これからジョブを切り替える」
そう言ってさおりを離すとステイタスボードを出す。
するとステイタスボードがジョブ切り替えを速やかに行うようにと物凄く圧をかけられていた。
"レベルがMAXになりました。ジョブを切り替えて下さい"
"レベルがMAXになりました。ジョブを切り替えて下さい"
"レベルがMAXになりました。ジョブを切り替えて下さい"
この言葉がずっと下まで続いていた。
流石にこれを見ると切り換えるのが嫌になるくらいだ。
ジョブを切り換える。
名前 二前 宏
職業 覇王
Lv50000 Lv上限無し
HP100000
MP100000
任意発動スキル 補助
【隠匿スキルLv5 気配遮断Lv5 闇王の喜び】
任意発動スキル 戦闘
【縮地Lv5 覇王の索敵 覇王の力 覇王の威嚇Lv5】
任意発動スキル その他
【インベントリLv5 常闇の寝床Lv5】
常時発動スキル 補助
【必要経験値-50% 獲得経験値+50% 記憶力アップ 運気アップ 覇王の微笑み 闇王の命令Lv5 死霊操作術Lv5】
常時発動スキル その他
【覇王体 神目 魔力循環Lv5 覇王の心得】
魔法スキル
【火炎魔法Lv5 大風魔法Lv5 水氷魔法Lv5 回復魔法Lv5 解毒魔法Lv5 解呪魔法Lv5 闇魔法Lv5】
【魔装 火炎纏 風纏 水氷纏】
魔力強化Lv5戦闘術Lv5金剛力Lv5⇒覇王の力
(魔力強化、戦闘術、金剛力を統合する能力)
覇王の力 常時発動時
(魔力強化Lv5、戦闘術Lv5、金剛力Lv5が単体よりも倍になる)
覇王の力 任意発動時
(発動すると30%覇王の力をアップさせる)
索敵Lv5生命察知Lv5魔力察知Lv5⇒覇王の索敵
(全てを察知する。立体的に捉え距離や強さまで把握する 範囲0~1km)
精神強化Lv5 覇王の目覚めLv5⇒覇王の心得
(精神を強化して何者にも負けない強さを得る)
魔力鎧Lv5 金剛体Lv5⇒覇王体
(鎧をまとめた物、常時発動形。魔力鎧Lv5、金剛体Lv5よりも数倍硬く、強く、柔軟性に優れている)
英雄の叫び 英雄の鼓舞⇒覇王の微笑み
(覇王が仲間と認めた人、モンスターに関わらず仲間の能力を30%上昇させる)
切り替わったスキルの内容を眺め、そのまま気を失う。
その後俺はベットに寝せられ1ヶ月が過ぎようとしている。さおりがほぼ毎日、学校終わりに部屋に来て、1日の出来事を俺に教えてくれる。学校の事、友達の事、アイドルの事等。そこに麒麟が加わり物凄く話が盛り上がる。
そして俺の部屋も少し変化があった。
麒麟が気に入ったぬいぐるみをさおりが持って来てくれて部屋に置いて置く事になった、お陰で麒麟が出てきてはぬいぐるみを抱っこしていつも楽しそうにしている。
俺は意識がハッキリしてはいないにも関わらず誰がいて、何を話をしている位は理解出来ていた。凄く不思議な体験だ。
そして、年末が近付きさおりが両親と出かけていたその日、突然と家を訪れる者があらわれた。
ピンポーン。ガチャガチャ。
麒麟が警戒して俺のベットの後ろに隠れながら、人が去るのを待つ。麒麟が少し震えながら魔力を消して気配を消している、それから数分後にその人がいなくなった。
夜さおり達が帰って来た時にみんなで俺を見に来てそれから家に戻った、するとさおりの部屋に麒麟が出る。
「麒麟、今お父さんとお母さんいるから明日ね」
「さおり、昼に誰か来た。凄くしつこかった」
さおりの顔が変わる。
「わかった。麒麟、部屋に戻ってて。もう少ししたら行く、もしかしたらお母さんも一緒かもしれないから注意してね」
「う、うん。待ってる」




