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いつもの初心者研修を行う為にダンジョンに来て協会の職員と一緒に研修を受ける冒険者の手続きを行う。


すると警察官の白石さんが俺の所に来る。


「コウ、お前さん何をしてんだ?」

「白石さん。お久しぶりです。」


「久しぶりって1ヶ月ぶりだぞ」


そう言って俺の事を脇に呼び出す。

「今日な特別な奴がくる。そいつは特に注意してくれ」


「特別?」

「ああ、あの女だ。兎に角注意してくれ」


「了解しました」


あの女と呼ばれたのが1人でたたずむ女だ。歳は30前位、ベテランぽい雰囲気をかもし出している。


警察官、裁判所の挨拶のあと今回同行する冒険者の挨拶がある。それが終ると持ち物検査だ、今日の参加者は10人。協会職員と警察官に細かく指示を出す。


そして全てを調べた後で、注意が必要と呼ばれた女を観察する。


検査が終わりみんなが離れた後、人と接触。携帯と録音機を渡される、そして何食わぬ顔でダンジョンに入る順番待ちをし始める。


ダンジョンに入る人達を前に俺が最終チェックをすると伝えて、列の前に立つ。


それから1人1人確認して中に入れ、その女の時が来る。


隠し持つ携帯と録音機を取り出す。


その時、後ろを向いて逃げ出す男を警察が取り押さえた。


「ウオー!!」


俺の前にいる女が俺を短剣で刺す。

「馬鹿が、黙ってりゃ死ななくて済んだのによ」

「別にお前ら程度の攻撃で死ぬわけ無いだろう」


そう言って魔力鎧に当たり止まった短剣を掴み上げる。その時、女の体も少し浮き上がる。


「確保!!」「確保しろ!!」


数名の警察官が飛び出し女を取り押さえた。

それを見た一般人や他の研修者が不思議そうに俺の事を見ていた。


「やっぱり凄いなお前は」


協会職員のような格好をして手伝う俺の背中をバンバンと白石さんが叩く。職員用のテントに戻り話を聞く。


あの女は警察が常にマークしているとある凶悪な暴力組織の幹部らしく、基本的に野良でダンジョンに入りレベルアップして組織内で出世してきたのだと言う。


その女が動くと警察に連絡があり、マークしていた所だった。そして狙いが冒険者の引率を行う伝説のFランクらしいと情報を付かんでいた。


そこで俺に気を付けろと言っていたらしいが、どうにも面倒な話だ。大体、俺が止めなければ中に入った冒険者が殺られた可能性が有る。


何考えてやがるのか?



◇◇◇◇◇◇



「さおり、準備良いか?」

「良いよ。今日はボスをクリアするんでしょ」


「ああ。準備出来たらいくよ」

「主、妾達は問題無いよ。今日はトラップ無視で行くんでしょう」


麒麟が俺とさおりの間に入って俺とさおりの腕に絡み付いてくる。


「お待たせ。行こう」


東京のSランクダンジョンに入り準備を済ませると進む事にする。


配下達をだし、歩くその姿は隊列を組み進む戦車部隊のようだ。

体の大きな大岩、ワニ、大ちゃんを先頭に進む。出てくるモンスター達はその巨体の圧力のせいか大岩を中心に進むその姿を見ては恐れおののき逃げていく。


ダンジョンを進み始めての階層に来ると、大ちゃんが震え始める。どうやらここから先はSランク以上じゃないと難しいみたいだ。


「玄武、白虎、青龍、朱雀。お前達に任せる。無理だと感じた奴は寝床に避難しろ」


「主どの、わしが先頭に立ちましょう」

そう言って来たのはゴールドだ。


「わかった、5人を残しみんな寝床に戻れ」


「「「「「オオ-」」」」」


するとさおりと腕を組んで歩いていた麒麟が俺の横に来る。


「主、上の層階に来たね。

ここから単体のモンスターみたい。先ずは豚鬼のモンスターだよ」


「「ブタオニ」」


想わずさおりと声が重なる。


「そうだよ、でも馬鹿にしたら駄目だからね。豚頭で鎌をもってるの、昔は戦神の1人に数えられた程の鬼人族だよ。名前は八海(ハッカイ)


八つの海をまたにかけた荒神の1人だよ」


八海(ハッカイ)と聞くと俺の頭に有るのは三蔵法師に仕えた猪八戒くらいしか思い浮かばない。


だがこの八海は違うらしい。八つの海を従えた海賊であり、戦の上手さから荒神と後の世に奉られる程の強者なのだと言う。


青龍が先頭に来ると俺の前で平伏する。


「主どの、私にこの対戦を任せて頂けませんか」


「珍しいな青龍」


「八海は我が弟子でございます。どの位強くなったか見てみたいと存じます」

「そうか、なら任せる。青龍、負けるとかは許さないからな、忘れるなよ」


「は、我が主の仰せのままに」


人の形から青龍に戻る。その姿みると、なぜ俺が勝てたのか今だに疑問に思う程の強さを持っている。まあ、まぐれでも勝ちは勝ちだな。


青龍がある程度進んだ辺りで止まる。


「八海、貴様なぜ我が主の前で構える? 大人しく平伏して軍門に下るがよい」

そこに現れたのが豚の顔に人の体。手には巨大な薙刀のような、槍のような武器を持ち、煌びやかな鎧を纏った壮観な男がいた。


「ブボボー」

「まさかと思うがこの俺に勝てると思っているのか?」


「ブボー」

「麒麟、相手は何て言ったの?」


「軍門に下るのを拒否して、青龍と対戦するみたい。大丈夫、青龍強いから」

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