ジョジョ好き 会話を試みる
御用達書の内容はこうだ。
・EGOの取得にはアブノーマリティとの親密度によって取得可能
・アブノーマリティーを鎮圧することはできるが死亡はしない、鎮圧されたアブノーマリティは
30分でその場で復活する
・危険度WAW以上のアブノーマリティがこの世界を蔓延っている(例外2体)
・アブノーマリティはスキル:念話にて会話可能
・転生者は現在西側諸国に1人、東側に13人、アブリティ山脈に1人存在する
アブノマと会話出来るんだぁ……意外。
それと転生者の数と場所がわかるのはいいな。今後の指標になる。
さて、西と東…どっちに行こうか。
まぁ近い方(東)からでいっか。
でも流石にこの格好(所々破れたスーツ)のまま行くのはちょっとなぁ〜…
周りからの視線が痛たたた…っていう想像が容易い。
となればアブノマからEGOを取るのが最優先。
スペック的にも審判鳥に会いたいところ。
またあの森に行きますか。楽しみが増えた。
審判鳥のEGOは防具と武器の二つ。
名前はジャスティティア。
防具は黒いファーのついた上着とスラックスに白い横線や斜線が入った見た目。すごくかっこいい。
武器は柄の付いたナタに防蟻に似た布が被さった見た目。さながら七◯建人。
審判鳥の危険度はWAWなんだけど、防具と武器はどっちもALEPHレベル。つおい。
ジャスティティアをもらうにはまず、《念話》のスキルを得る必要がある。
レベルってどうやったら上がるんだろう?
典型的な例で言えば魔物倒したりダンジョンを攻略したりするもんだけど…
ここら辺にもダンジョンってあんのかな?
でも3鳥が攻略してそう。
ん〜…どうすっかなぁ…
あの3鳥の縄張りが良く分かってないんだけど…う〜ん…
ドパァン!!
!?なんの音だ!?
「今の音…銃か…?」
ゲームでしか銃声なんて聞いたことないけど、銃声らしきものが聞こえた。
「方向は…3鳥の方角…!」
まずい…ワンチャン裁判鳥が鎮圧される…
もしアブノマを知らないなら解体して街に持ち出されてしまう…
それだけは阻止しなければ…審判鳥による街の蹂躙が始まってしまう…!(この間約1秒)
「とりあえず空から偵察!飛翔魔法!!」
脚底から魔力を放出させるイメージで…飛ぶ!
思ったよりと安定して離陸できた…
あとは銃声の方に飛ぶだけ…!!
ー森sideー
「兄貴!あそこに何かいまっせ!」
「大声を出すな、気づかれたらどうする」
「へ、へい…すいやせん…」
「兄貴、間違いねぇ…あいつはレアモンスターでっせ…」
「やはりか…よし、アレを出せ」
「へい…!」
「クック…この睡眠銃であいつを眠らせる…こんな森いるモンスターだ高値で売れるぜぇ…」
「兄貴、準備が整いましたぜ…!」
「よし、完全に止まった時に打て…外すんじゃないぞ」
「へい!」
すると目標は急に立ち止まった
「まだだ…まだ…よし!」
俺の号令で睡眠弾が目標のモンスターに直撃。モンスターは力無くその場に倒れた。
「回収するぞ!」
「「へい!!」」
ー謙sideー
目標の森に着くと俺は背の高い木に止まった
(やっぱり射出する系の魔法は燃費が悪いな…)
俺のMPは変わらず10のまま…
俺の魔法は魔力そのものを使って飛翔している。
そのため既存の魔法と違い、時間経過でMPが減っていくのだ。
…あれから銃声は聞こえてこない。
なんか殺傷用じゃないっぽいな…それこそ睡眠銃とか…か?
なら少し下に移動して枝の間から見てみよう
すると
「さっさと運べぇ!」
「ですが兄貴、コイツだいぶ重いっすよ!!」
「弱音なんで聞きたくないね!」
という声が聞こえてきた
(あいつらか…)
兄貴と呼ばれたリーダー格は北◯の拳に出てきそうなごっつい世紀末ファッション。
取り巻きの二人は細身の頼りない感じ。
そして3人が運んでいたのは…
(よりによって審判鳥か…)
どうやら睡眠剤によって眠っているようだ。
俺は絵だから飛び降りた。
高さ10mはあったが全体性Ⅴのおかげでほとんど痛くない
「なんだぁテメェ!」
リーダーが叫ぶ。
俺は冷静に
「そいつの友達なんだが、置いていってくれないか?」
と若干嘘をついて彼らと対峙する。
「はっ野郎ども!やれ!!」
と細身のヤンキー2人が突撃してくる
「おらぁ!」
ヤンキーの一人が繰り出してきた拳を俺はかわさず、KISSで腹を殴った。
殴られたヤンキーは2、3m吹っ飛んで気絶した。
「テメェ!!」
もう一人のヤンキーは腰に携えた剣を抜き、俺に振り下ろしてくる。
俺は横に避けて回避し、回避際に"シール"を貼って剣を複製する。
「な、テメェ…どっからその剣を…」
俺は相手と同様に剣を振りかざす。
ヤンキーはそれを剣で受け止め、甲高い金属音が響く。
片手を剣から離し、さっき貼った"シール"を剥がす。
すると俺が持っていた剣は相手の持っていた剣に吸い込まれ、そして、剣が砕けた。
「ッチィ!」
ヤンキーは俺に向かって拳を振り下ろしてくる。
「それはさっき見た」
俺は冷酷にそう告げると、1人目と同じようにKISSで腹を殴った。
不思議なことに罪悪感は湧かなかった。
前世は人を殴ったことがなかったが、すんなりと人を殴り飛ばすことができてしまった。
(これも耐性に影響されてんのかなぁ)
なんて呑気に考えつつ、俺はリーダー格に向き直る。
「まだやるかい?」
「っへ、お前は確かに魔法の扱いが上手いようだが…俺の魔法は耐えられるかな…!」
リーダーのての周りに魔法陣が展開される
「くらえ!爆発球!!」
野球ボールぼどの球体が俺に向かって飛んでくる
俺は咄嗟に
「完全なる立方体」と唱える。
すると球体が紫がかった立方体の檻に入れられ、外部と遮断される。
そして
ドーーーーン!!!
と大きな音が聞こえたが、その立方体は完全に爆発を遮断した。
俺はその爆発を見届けたあと、すぐにリーダーに詰め寄った。
「ま、まっt…」
俺は奴の言い訳を聞かずKISSで頭をぶん殴った…
…やっぱり相手を殴ったのに罪悪感なしッ!って気分だ。
それとさっきの戦いでLvが急激に上昇した。
さっきまでLv2だったのが今ではLv23だ。そんなに強かったか?コイツら。
と不思議に思いつつ、俺はステータス画面を素早く操作し、スキル一覧から《念話》を手に入れた。
そうして俺は審判鳥が起き上がるまで、《念話》の練習をしつつその場で待った。
あれから1時間が経過した頃、審判鳥がモゾっと動いた。
《気分はどうだ?》
とおれは念話に載せて審判鳥に様子を伺う
「……」
審判鳥が無言で首にかかった天秤に手をかけようとしたので俺は慌ててことの経緯を話した。
「……」
裁判鳥は一瞬困った顔をして
《アリガトウ》
と念話を飛ばしてきた…
《無事でよかった。君たちはいつからここにいるの?》
《ワカラナイ。ヒトハジカンニオワレルガ、ワレワレハコノモリヲマモルダケ。》
《そっか…なぁ》
《ン?》
《俺もこの森に住んでいいか?》
《…大鳥ニヨル。ワタシハイマ、ハジメテコノテンビンガムザイニカタムイタ。》
《ワタシハ、コノテンビンヲシンジルダケ。》
《わかった。他の2鳥から了承を得ればいいんだな》
《ウン》
《じゃあその2鳥まで案内してくれるかい?》
《ワカッタ》
審判鳥との念話は結構楽しかった。
審判鳥はかなり片言だったけど、他のアブノマはどう喋るんだろうか…?
そうして俺は審判鳥の後ろをついていった