第四章 - 七月三日(火) 晴
七月三日(火) 晴
今日はとても暑い、一昨日以上です。天気予報見たら34℃でした。
食欲もあまりなく、朝ごはんもレトルトのおかゆを少ししか食べてません。残ってる分は冷蔵庫に入れてあるので、お昼にしましょう。
さて昨日の続きです。
昨日は4つの情報をここに簡略に書きましたが、その詳細と昨夜の僕なりに調べた結果を今日の日記に書きます。
まず前提に書かなければいけないのは、昨日の4番:「AdeleThiMai」名義のSNSアカウントは既に削除されているということ。
そもそも何でこのアカウントに辿りついたのか。これを説明するには、Vtuberの『前世』という概念に触れなければなりません。Vtuberは絵、すなわちその『皮』で人に認識されています。何かやり直したい、もしくは重大なミスを犯して過去とサヨナラしたい時に、昔使用していたアカウントとその『皮』ごとを捨てて、新しい活動者として生まれ変わる。その界隈では捨てられている身分を『前世』と呼んでいるそうです。これは昨日種田さんから説明を受けました。
で、その「海幸ジョッキー」の前世にあたるのは、「Donpond」というアカウントです。調べによると読み方は「ドンポンド」らしい。そしてその時に使っていたアカウントのIDは「donpondshyni」。その「donpondshyni」を同じIDとして使っていた他のSNSサービスの関連アカウントページに、以前彼女が使っていたブログのURLがあり、そのブログ名は「虹浦文香(Thi)の部屋」。ここまでは、実は昨日言及してた「まとめサイト」がまだ存在していた時に既出の情報で、サイトで情報が公開された翌日に、そのブログは閉鎖となりました。「虹浦文香」という名前もアニメキャラの名前で、多分好きなキャラの名前を拝借したのだと僕は思います。そして注目すべきなのはブログではなく、IDの方です。検索により、そのSNSアカウントと頻繁にやり取りしていた1つのアカウントが浮上しました。それが前述の「AdeleThiMai」さんです。
既に削除された「AdeleThiMai」さんの投稿も、一部好事家により魚拓を取られていました。そのスクリーンショットの中に、宴会の場面がありました。照合してみると、それがURLで貰った動画の1シーンであることはわかります。間違いなく、昨日見た宴会の動画の出自はここです。この「AdeleThiMai」さんがあげた動画で、しかも内容からするとスマホで撮った動画だと思われ、つまり撮影者もこの「AdeleThiMai」さんであるという可能性が大きい。もしその考え方が正しいのなら、その喋り方からすれば、東南アジアの方である可能性も極めて高くなります。
こうなると、名前から分析してみましょう。「Adele」は欧州で昔からよく使われている名で、特に着眼できる点はないですが、この「ThiMai」は何を意味するのでしょうか?これが名前でしたら、アジア圏でこの名前のスペルはベトナム語に近いと思います。調べてみたら、それぞれ「施」と「梅」という漢字に対応できています。「施梅」、名前でしょうか?となると「施」は姓で梅は名。どこかでベトナムの名前に関する記事を軽く読んだことがあります。現代ベトナムでの名付けは、大体父親の姓+自分の名で、日本とはあまり変わらないが、もし父親の苗字がよくあるもので、似たような名前が一杯あるのでしたら、ちょいと区別できるため、間の名、つまりミドルネームを付けることもできる。その場合、それは母親の苗字を取ります。つまり、この「施」は、決まって父方から来た苗字とは限りません。ですが、前述のブログ名「虹浦文香(Thi)の部屋」を見る限り、どうやらそのブログの所有者、「Donpond」すなわち現「海幸ジョッキー」さんの血縁者であることは推測できよう。
ということは彼女はベトナムのハーフやクォーターの可能性が大きいですね。これを結論①とします。
また、昨夜と今朝にかけて、僕が独自に調べてきたものの中に、それを裏付ける情報も幾つかありました。
まず1つ目は、「海幸ジョッキー」さんはゲストで他の人の配信に出た時、夏で食べられる料理について語った中、「チャオトム」をおすすめしたことがあります。これはエビのすり身を使った料理で、日本ではあまり知られていませんが、ベトナム中部地域では家庭料理としてよく出されているみたいです。
そして2つ目、「AdeleThiMai」というSNSのアカウントはとっくに削除されていますが、それを追っている中で、「Ad ThiMai Kigawa」という動画サイトのアカウントを見つけました。なんとこのアカウントは「海幸ジョッキー」の動画チャンネルをフォローしています。しかもしばしばその動画を「いいね」していました。そこでこの「Kigawa」に着目しますが、これもしかして帰化したあとの苗字でしょうか?
「海幸ジョッキー」さんの血縁者が帰化していて、おそらく「Kigawa」(木川?)という苗字になっていることを、仮説①にします。
最後に3つ目、これはまたすごく興味を引くようなことですが、「Donpond」と「ハーフ」と「クォーター」をキーワードにして検索してみたら、どうやら「海幸ジョッキー」さんは前世の時代で、既に自分が「ハーフ」であることを仄めかしていたそうです。少なくともそれに関連する討論が出てきました。それだけではなく、とてもとても面白いことを知ってしまいました。それは「彼女は中学時代で書いた絵が県のなんらかのコンテストに入選したことがある」という情報です。どうやら自分で配信でそれに言及していたみたいです。そしてさらに、その時はスクリーンショットも残っているみたいですが、僕が辿れたのはとある掲示板のスレの保存ログで、画像はとうの昔に閲覧不可になっていました。一応保存サイトに極小なサムネイル画像みたいなのは残っているけれど、そこでわかるのは絵で使われた色くらいで、詳しく何描いていたのか、拡大してもよくわかりませんでした。
ですが僕は思います。もし彼女がどこに住んでいたのがわかるのであれば、その名前も見つけ出せるのではないかと。そしてそこは、昨日の日記で書いた情報の1~3の出番です。
2と3はお互い裏付けることになっていて、一気にその場所の範囲を愛媛県に縮小することができました。ここを結論②とします。
そして「1.母親が仏教徒、父親がカトリック」という手がかりが今回のキーとなっています。これはどうやら彼女自身が前世の配信で言っていたことです。ベトナムでは仏教徒が約15%いて、そこそこ主流な宗教です。そしてカトリックも7%近くいて、その数値のちょうど半分というところ。それもハーフ仮説の証拠になりますが、もっとも肝心なのは、おそらく夫婦お互い違う宗教を信じていることに隔たりなく、現在なお平和に暮らしている、ということです。仏教徒はともかく、カトリックはミサという活動があります。
つまり、父親は毎週日曜日にミサに行っている可能性が大きく、さらにおそらく家はカトリック教会からは遠くはない、ということです。
そこも少々調べていました。愛媛県にカトリック教会は4ヵ所しかありません。恐らく「海幸ジョッキー」さんの実家はそのどちらかの付近にある。これを仮説②としましょう。
そしてそこで気づきましたが、「海幸」というキャラクターの苗字は、もしかしてミサから取ったのでしょうか?
ともあれ、これで「場所」の前提条件が揃いました。もしその掲示板の情報とサムネイルが本当ならば、それらしき絵を彼女は中学時代に描いてコンテストに入選したことがあります。となると何らかの記録として残している可能性も大きい。それに加えて血縁者らしき人の苗字「Kigawa」も手に入れましたし、午後はネットでそれらしきものを探ってみようと思います。
今はワクワクして早く検索にかけようと心が踊っているため、短歌はまた別の機会に。