序章 - 七月一日(日) 曇
七月一日(日) 曇
寝室を片付けてたら、使われてない日記帳を発見しました。多分映子さんが昔買った物だろう、表紙は彼女が好きだった黄緑色なんだから。
内容はまだ何も書かれていません。でも収納するこの箱はちょっと見覚えがある、映子さんの最後の誕生日に僕があげたプレゼントの箱です。中身のブレスレットは取り出して、箱はそのまま収納に使ったのでしょうか。出前が来るまでまだ時間があって、これもいい機会ですし、これから日記を付けることにします。認めたくはないものの、実は最近記憶力がどうも衰えてきています、何か大事なことを忘れては困るので、できるだけこまめに書くようにしましょう!
とは言っても、この歳になってるズボラじじいに大事と呼べることさほどない、精々メシくらいです。昨日は半額弁当買えませんでしたので、今日のお昼は出前にしました。曇りでも気温と湿気はひどくて、どうしても自分で作る気にはならなかったからね。朝からはクーラー付けっぱなしです。
瞭司は今日も部屋から出て来ませんでした。ずっとヘッドホンをつけて何かしらのゲームをやってるので、僕から声かけても返事はくれません。でもゲームしていてもうるさくはしてませんので、他で見るケースとはちょっと違うかもしれませんね。まあ姿だけ確認できたならよしとしましょう、別に今始まったことでもないですから。
そういえば、先程パソコンがなんか鳴りました。おそらく仕事なのでしょう。この前の寄稿の返事かも。今日はまだメールチェックしてませんので、お昼が終わったら忘れないように。
今日はとりあえずこのくらい。 と書いてましたが待っても待っても出前が来ません、短歌でも足しておきましょうかね。
川の上の いつ藻の花の いつもいつも 来ませ我が背子 時自異めやも