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18 山田 力也2

本日もよろしくお願いします

0時に間に合いませんでした

アップする直前で文章の半分が消えてしまい、

慌てて直してアップしました


武術の動きを言葉で表現するのって難しい・・・

拙い表現で申し訳ないです

斜め読み推奨です

 【舞台】の剣は日本人が想像する西洋剣そのままの形をしている。刀身は直線的で扁平(へんぺい)な六角形の断面を持ち、両刃で先端に向かって細く尖っている。

 長さは刃渡り1m弱の片手剣、1m20㎝程の両手剣や、1m80㎝もある大剣がある。

 レイピアの様な刺突に特化した剣は無い様だ。

 そして日本の剣術と同様に剣術の型がある。型練習を何度も繰り返し行って体に沁み込ませる事で、実戦の際に何も考えずとも体が反応し、適切に動けるようにするのである。 

 そして構えの次に攻撃を繰り出すのだが、振り下ろす・払う・突く・相手の剣を絡めとる様に回すなどの攻撃の他に、相手の間合いの内に接近して相手の剣の鍔を掴んで動きを封じて攻撃するとか、タックル・蹴り・(つか)で殴るなどの攻撃もあり、剣だけの攻撃に拘らない割合自由闊達な感じだ。


 今日のオニール君は武術の鍛錬は無く、魔術訓練の授業を受けているので、自分は朝から【シミュレーションルーム】で型稽古をやる事にした。

 オニール君の指導教官の騎士は、丁寧に剣術の型を教えるなどと言う事はしないので、【コルタベント家書庫】から剣術の指南書を探し出してきて読んだ。ただ、文章やちょっとした挿絵では正確な動きは分からない。そこは教官の騎士の動きをアーカイブで徹底的に視聴して補完した。

 

 両手剣を手にする。

 まず最初は『尾長構え』。足を前後に開き、剣先は後ろ向き、腰だめに構えて後ろへ大きく引く。そこから一歩踏み込む様にして、剣を左下から右上に向けて払いあげる。

 次は『子蛇構え』。左足は前、右足を後ろに引き、重心を低くする。剣は体の右側で構える。右手で(つか)を順手で持ち、左手は刀身の真ん中を下から支える様に添える。下から相手に向かって突き上げる動きが続く。

 『愚者十字構え』。右足は前、左足を後ろに引く。剣は体の左側で構える。右手で(つか)を順手で持ち、左手は刀身の真ん中を握ると、剣先は後方を向く形になる。終始両手で剣を扱い、相手の攻撃を払ったり、突き攻撃を入れたりする。

 『淑女の右構え』。左足は前、右足を後ろに引き、少し重心を低くする。剣は両手で(つか)を持ち、右肩に刀身を掛ける形で構える。野球でバットをしっかり構える前に肩に掛ける時の様な形だ。相手に対して振り下ろす攻撃を仕掛ける型だ。

 『淑女の上段構え』。『淑女の右構え』と似ているが、(つか)を構える位置を頭の右側に持ってきて、剣先は背中で斜め下を向く形になる。相手はこちらの刀身が見えないためにこちらの攻撃の起こりが分からないと言う効果がある。

 『淑女の左構え』。『淑女の右構え』の左バージョンだ。

 『胴鉄門』。左足は前、右足を後ろに引き、重心を低くする。両手で(つか)を順手で持ち、体の正面で腰の下あたりに置き、右斜め下向きに構える。ここから突きや払いなど、どんな攻撃にでも繋げられる。

 『窓番』。体は相手に対して横向き(左右どちらでも良い)で剣は両手で(つか)を持ち、顔ので剣先が相手を向く様に、地面に対して水平に構える。(つか)を握るのは右手が鍔に近い方、左手が柄頭(つかがしら)に近い方を持つ。突きを放つ。

 『長番手』。左足を前、右足を後ろに引き、軽く重心を低くする。剣は両手で(つか)を持ち、肩から真直ぐ前に出し、腕の延長に剣が来るように地面に対して水平に真直ぐ剣先を相手に向ける。相手がこちらの間合いに入り込みにくい様に、牽制する型だ。

 『中鉄門』。右足が前、左足を後ろに引き、軽く重心を落とす。剣は両手で(つか)を順手で持って正眼で構えるが、剣先は斜め下を向く。どの様な攻撃にも使える。

 『短番手』。左足を前、右足を後ろに引き、軽く重心を低くする。剣は中段で正眼に構える。同じくどのような攻撃にも使える。

 『王冠』。左足を前、右足を後ろに引き、少し重心を低くする。剣は剣先を天真直ぐ向けて捧げる様に持つ。

 最期に、『射手構え』。剣は両手で逆手に持つ。利き腕は(つか)、反対の手は刀身の真ん中だ。そして剣を投擲の様に投げる。

 投げ飛ばした剣を回収して、再度最初から始める。


 一通りの構えの型を1クールとし10クール程もやると、息が上がり全身は汗だくになる。両腕が重い。が、心の中でリセットと唱えると、訓練前と変わらない清潔で疲れも無い状態に戻った。

 不思議な物だ。

 ここでは自分たちは思念体の状態なのだから、鍛錬をしていても息が上がったり汗をかいたり筋肉が疲れたりしない筈なのに、「鍛錬をすると、こうなる物だ」と言う常識が、無意識に働いてしまうのだろうか?

 ここでいくら自分が鍛錬していてもオニール君の筋力は上がらない。だから、【シミュレーションルーム】での鍛錬は意味がないかもしれないとも思っていた。

 だけど、光君は【控室(こちら)】で練習した魔術のレベルが【舞台】でオニール君の中に入った時も引き継がれていると言っていた。

 で、あれば剣術の型練習には意味があるはずだ。自分の意識に【舞台】の剣術が刷り込まれる事で、自分が【舞台に上がる】(オニール君になる)間は、それが生かせる筈だ。

 そう信じて、自分は【シミュレーションルーム】での鍛錬を続ける。できる事は何でもやるのだ。


 最近の自分のルーティーンは自室、【舞台】【シミュレーションルーム】の三か所を中心に回っている。

 【トレーニングルーム】は使っていない。自分の筋肉を鍛えても意味がないからだ。自分的には【トレーニングルーム】は消してしまって良いと思うのだが、どうやら、他の【代役】メンバーがリクリエーションで使っているらしい。それなら残しておいても良いだろう。あっても困る物でも無いしな。


 さて、小休憩を挟んで、次は槍術の鍛錬をするか。そう心に思った瞬間に手にした武器が両手剣から槍に変わった。

 【舞台】の槍は、長い()の先に鋭利な刃物を着装している。刃は60㎝ほどの長さがあり、根元に小さな羽根のついた三角形で、刺突・斬撃の両方に適応する。()も含めた長さは自分の身長よりも30㎝程長いので、全長で2m程だろうか。

 槍はその間合いの広さから剣を使うより有利に戦うことができる。逆に剣に比べて、閉所での戦闘や乱戦には向かないことや、近接した戦闘では長い柄が不利に転じ得ること、携帯に不便なことが欠点だろう。

 他に、騎兵が扱う騎槍(西洋のランス)や、野戦で槍兵の密集陣形を作り「鋭い槍先の壁」を作ることで騎兵を撃破する槍衾(西洋のパイク)などの、4~6mの長柄の槍もある様だ。


 では槍の型練習をやっていく。

 腰を軽く落として、重心を腹の下辺りに置くよう意識し、腹筋や背中全体そして肩から腕へと力を伝える事を意識しながら動く。

 槍の構えは上段、中段、下段のみだ。そして左手は槍の中程を、右手は後端を握って、右足を引く。これが基本の構えになる。

 そして攻撃は、突き、払い、跳ね上げ、打ち落とし、回転だ。これらを組み合わせて動く。


「はっ!」


 かけ声とともに前に一歩踏み出して、左手の中を滑らせるように右手で槍を突きだす。槍を引き戻しながら一旦、後ろへ下がり、槍を右へ払う。払いは相手の槍を右へ払い流す動作だ。

 そしてまた前に進んで、かけ声とともに槍を突き入れ、素早く槍を引いて一歩下がる。

 槍は、突くのも大事だが、素早く引くのも大事である。長柄の武器と言うものは、柄を相手に持たれて奪われる危険があるからだ。

 一歩前進して打ち落とし、さらに前進し突き入れ、二歩下がる。打ち落としは相手の槍を打って下方へ下げさせている。

 また一歩前進、跳ね上げ、突き入れて引き寄せ、二歩下がる。跳ね上げは相手の槍を上方へ払っている動作だ。

 一歩前進、相手の突きを左へ避けて、打ち落として突き、二歩下がる。

 次は、右へ払い、さらに槍を回転し石突きの方で左下へ払い落として、一歩前進、石突きで突く、一歩下がる。

 槍を右後ろから前へ大きく振り抜く。これは複数の相手を大きく後退させている。そして一歩前進、前へ2回突き、振り返りながら払って、突き。これで前後2人の敵を制圧している。


 こちらも10クール行った。

 そして、汗や疲れをリセットして、最後に弓の鍛錬だ。(まと)と弓矢を出現させた。




剣術の『構えの型』はヨーロッパの剣の型を紹介した動画を参考にしました。

英語圏ではない言語(ドイツ語かなぁ?)の古文書を英語に翻訳して紹介している動画だったのですが、更に日本語に訳すると、型名が何とも締まらない感じになってしまって・・・

横文字は【代役】達の会話でのみ使用するスタイルにしているためご了承下さいませ

槍の形は中世後期のパルチザンを参考にしております

週1更新しております

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