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第1話 メイト登場

お仕事お疲れ様です!

俺の名前はメイト。-Fランク冒険者をやっているしがない22歳だ。


察しのいい人なら分かると思うが、ランクってのは-Fから+Sまであって、その中でも-Fランクは一番下のクラス。


ギルド登録をして一年もすれば卒業できるランクなのだが、魔力が少ない俺は薬草の採集とスライムの駆除くらいしかできないため何年もとどまっている。


「すみません。鑑定お願いします」


そう言いながら俺は受付台にギルドカードを置く。


「お久しぶりですメイトさん。確かクエストはアナバスの森で大量発生したスライムの駆除でしたよね?」


基本スライムは害の無いモンスターなのだが、増えすぎると森の草木を食いつくしてしまうことがあるので処理しなければならない。


「はい。あ、これドロップした魔法石です」


俺は小さな魔法石がたくさん入っている袋を手渡す。


「お疲れさまでした」

「いやあ、スライムなんて誰でも倒せますから」

「でも、森を守ったのは事実ですよ。本当にありがとうございます」


笑顔でお礼を言ってくれるこの受付嬢はエミリさん。歳は俺より少し上だが、ランクによって態度を変えたりしない美人で優しい受付嬢だ。


ここだけの話、俺はエミリさんに恋をしている。


「でもスライムを倒すのは毎回罪悪感があって馴れませんよ」

「無害でかわいいですし、誰でも一度は育てたことがありますからね」


やっぱりエミリさんとのおしゃべりは楽しいなあ。そんなことを考えていると、いきなり後ろから突き飛ばされてしまった。


「おい、道を開けろ!」

「痛っ!」


振り返るといかにもガラの悪い大柄な冒険者が立っていた。


「いきなり何すんだよ」

「邪魔だったんだよ」

「だからって突き飛ばすことないだろ」

「あぁん?+Cランクの俺に文句があんのか?」


するとギルド内で食事をしていた冒険者たちが一斉に笑いだした。


「おいゴルド!お前Fランクをいじめたりすんなよ」

「そうそう、しかもマイナス!」

「レベル1の魔法ですら少ししか使えないんだぜ?」


魔法には難易度レベル1から10まであり、俺はそのうちレベル1の魔法をごくわずかしか扱えない。もちろん大半の魔法は難易度レベルが高いほど攻撃威力も高い。


「……っ!」


もう慣れっこなんだが、いい気分ではない。俺はうつ向いて拳を握りしめることしか出来ない。


「メイトさん……」


エミリさんが俺を慰めようとしたその時だった。


「た、大変だ!助けてくれ!」


一人の男がギルドに駆け込んできた。押さえつけている腕からは血が出ている。


「ど、どうしたんですか?!」


俺はポケットからポーションを取り出して腕にかける。しかし安物のポーションでは完全には治らない。


「くそっ」

「おい、俺よりも酷い怪我人がたくさんいるはずだ。ポーションはそいつらに使ってくれ」

「一体何があったんですか?」

「村外れにドラゴンが一匹現れたんだ」

「ドラゴン?!」


俺は他の冒険者たちと一緒に外に出る。すると紫色の巨大なドラゴンが遠くに見えた。口から吐き出す紫色の炎が村を燃やしている。


「あれは、プロトラスドラゴン!」


俺は驚いて叫ぶ。


「メイトのくせに知ってんのか?!」

「ああ、確か討伐ランクは+A!」

「嘘だろおい!」


スライムくらいしか倒せないくせに、ほんと知識だけはあるよな。そう思いながら俺は剣を抜く。


「おい!-Fランクのくせに何しようとしてんだ!」


振り返るとひきつった顔のゴルドが立っていた。


「倒すに決まってんだろ?」

「バカかお前!無理に決まってんだろ?ここは田舎のバゼル村。+Aランクどころか-Bランクの冒険者すらいないんだぜ?」

「そんなことは分かってる!でも俺たちは冒険者だろ?!」

「勝手にしろ!俺は逃げるからな!」


そう言うとゴルドはドラゴンと反対方向の町へと走って行った。


「お、俺も逃げるぜ!」

「そうだ、勝てるわけねえ!」


他の冒険者たちもゴルドの後を追うように逃げ出す。


「くそーーー!」


一人になった俺は全力でドラゴンのほうへと走る。


「痛いよー!」

「どけっ、邪魔だ!」

「おばあちゃーーん!」


中心部を抜け出したら地獄絵図が広がっていた。目の前に助けたい人がたくさんいるのに助けることが出来ない。


俺は恐怖と悔しさから溢れ出てくる涙を拭った。



「これが、プロトラスドラゴン……」


どれくらい走っただろう。俺はいつの間にかドラゴンの目の前にたたずんでいた。


「うぉーーー!」


俺は試しにドラコンの足に剣を突き立てた。しかし硬すぎる皮膚のせいで刃が通らない。


「やっぱりか、グハッ!!!」


俺は蹴り飛ばされて家の壁に激突する。


「うっ……、あぐっ……!」


魔法、魔法があれば俺だって……。そう思ったその時だった。


「頑張ったな、(ぬし)よ。わしはそなたが気に入ったぞ!」


声が聞こえた。頭上を見ると、大きな帽子に大きな杖を背中に身につけた銀髪の幼女らしき人物がいた。


「バルライト・エキシマム!」


確か難易度レベル9の魔法だ。杖を使わずに右手を上げ、呪文を放つ。


ドラゴンは雷でできた巨大な右手に握り潰され、跡形もなく消えてしまった。

まだ1話なので特別面白いと思った方はいないと思います。でも、期待してるぞっ!って思った方はブクマよろです!感想などもありがたいです!


技名考えるの恥ずかしい(///∇///)!!!

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