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棄てられ姫は誰にも愛されない  作者: 鷺森薫
アインホルン王国編
7/70

7上位の魔法書

リヒター神官長は女児の瞳を覗き込むと手のひらをかざした。

手のひらから、キラキラした淡い光が放たれ、女児の全身が包まれた。

神官長は鋭い目で全身を嬲るように確認してから告げた。


「名はガリーナ、ガリーナ・シュレヒテ侯爵令嬢。魔法書は上位魔法、無属性」


その瞬間、シュレヒテ侯爵夫妻からは満面の笑みが溢れた。

相反して、国王夫妻は肩を落とした。


「ガリーナ・シュレヒテに祝福を与える。

 魔力と共にあらんことを。」


神官長がお決まりの祝辞を述べると、

シュレヒテ侯爵夫妻が笑いながら今、正に

ガリーナとなった女児に足早に駆け寄る。


「素晴らしいわ。

 上位魔法よ。

 正しく王家の血筋だわ。

 ガリーナ」


「帰るぞ」

その様子を横目に見ながらアルベアトはヒーリーヌを促し、踵を返し王殿を後にした。


「お祝いをしなくては。

 帰りましょう、あなた」

ヒーディはシュレヒテ侯爵を促すと、心の中で呟いた。

「ガリーナが次の王になるお祝いを」


賓客が退場すると、その場に残った大神官達がにわかに騒ぎ出した。


「上位魔法だ。大変な事になりますぞ」

「国が乱れる」

「金糸銀糸とは」


リヒター神官長は静かに諭した。

「儀式についてはくれぐれも他に漏らさぬよう」


しかし、神官長の箝口令もシュレヒテ侯爵夫妻当人達が触れ回った為、あっという間に国中に噂が広がった。


「次の王位継承者はシュレヒテ侯爵令嬢のガリーナ様に決まった」




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