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棄てられ姫は誰にも愛されない  作者: 鷺森薫
アインホルン王国編
4/70

4神殿と神官と王族

神殿での命名儀式は神官によって執り行われる。それは国王でも貴族でも平民でも同じである。身分等により奉納金に差があれど同じ儀式で命名される。

建前は「神の啓示」を受けるとはなっているものの、実際には神官が魔力視によって鑑定し相応しい名を授けるものである。

その為、平民でも貧しい者、余裕の無い者達は命名儀式はせずに、自由に名付けをする者が多いのが現実である。


神官は魔力がある者から選ばれ、魔力量により位も変わる。

魔力の最大値には勿論個人差はあるが、努力という名の鍛錬にて増やす事が出来る為、

神官は「魔法書を持つ」者が少ない平民でも出世が望める数少ない人気の職なのである。


現神官長のリヒター卿も平民から努力を重ね

立身出世をした人物であり、その公明正大な人柄から平民から絶大な支持を得ていた。


神殿は王都の北に本殿、王宮内の王宮殿、

各地方殿にあり、王族の命名儀式は王宮殿で執り行われる。

王宮殿は文字通り王宮内にあり、王族専用の神殿である。

そもそもは直系王族のみに使われていたが

今やアインホルン王国の直系王族は、

アルベアト、ヒーリーヌ、そしてリーゼロッテの3人のみであり、王家の血筋と言うと、後は王妹のヒーディ、ヒーディの娘、先王弟の孫であるバルデマー・アインホルン公爵、合わせて僅か6人しかいない。


それというのも、10年以上続いた西の森からの魔物の大量発生により、幾多もの「魔法書持ち」が命を落とした為である。

「魔法書持ち」はその殆どが王族貴族である為、当然の如く王族貴族は減少した。


アルベアトの父である先王も、強い光魔法の使い手であったが、大災害級と言われた魔物軍討伐の際に命を落とした。

隣国との連合軍は多大な被害を受けながらも

どうにか王都への魔物軍侵略は阻止したが、

復興の道は険しかった。


先王崩御後、若くして王位継承したアルベアトは、数年をかけて王国の再建に取り組み、大分平定されて来た時期を見計らい、隣国の親族の庇護の下にいた、聖魔法を属性とするヴァイス伯爵家のただ一人の生き残りのヒーリーヌ伯爵令嬢を王妃に迎えた。

侯爵家に嫁した異母妹ヒーディが王位簒奪と思しき不穏な動きをしていた事も魔物討伐に於いて連合国である隣国シュバルツ王国に縁続きのヒーリーヌとの婚姻の後押しとなった。

婚姻後、王妃となったヒーリーヌも聖魔法の使い手として各地の浄化に尽力した。

ただ、広大な領土の浄化への対価としてヒーリーヌ王妃の魔力がかなり弱まってしまっていた。

そのような状態であったにも関わらず、懐妊が判り、出産となったため、身体へのダメージが大きく、出産後は床に臥せる日々となっていた。


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