僕の心をズタズタに踏み躙る彼女を愛してる!
___僕は、人に心を開かない!
僕の血の繋がった両親でさえ、僕は心を一度も開いた事がないんだ!
___僕には、4つ上の兄貴がいるのだけど?
その兄貴にも、本当の僕を見せた事がないんだよ。
普段から、家族みんな仲は良いのだけど、、、?
心を開いているかは、別のお話。
*
___僕は、学校でもいつも通り心を開かないんだよ。
仲がいい友達ができてもね、本当の僕を見せることはないし!
担任の先生や恋人ができても、一緒!
___いつでもどこでも、普段通りの僕だ!
・・・だけどね?
一人だけ! 僕と同じクラスの女の子だけは違うんだ!
___何故なのか?
やたらと、僕に馴れ馴れしいというか?
ベタベタと僕にくっついてきて、言いたい放題!!!
『___山之内! アンタさ~全然! 心開いてないよね?』
『・・・えぇ!? 急に何言ってんだよ! そんな訳ないじゃん!』
『___ふーん! それって? みんなに隠してる事だから?』
『___だから! 隠してないって!』
『そってさ~ 自分の事! みんなに、さらけ出せないんでしょ?』
『・・・だから、違うって、』
『___いいよ! 私もそうだから!』
『・・・えぇ!?』
『___意外だった?』
『・・・まあ、ね、』
『___私だって! みんなに自分の事! 知ってほしいよ! だけど?
怖いんだよ! 嫌われるんじゃないかって、』
『___鴻野、』
『___私さ~! ほら? 友達少ないじゃん! だから、どうしていい
のか分かんないんだ~! 山之内が羨ましいわ!』
『・・・えぇ!? 僕が?』
『___うん!』
『___どうしてだよ!』
『___自分の事、隠して! ちゃんと自分の意見は言えるじゃん!
だから、みんな山之内の周りに人が集まってくるというか、、、?』
『・・・そんな事ないよ、』
『___アンタも、アンタで! 悩んでしょ!』
『・・・まあな!』
『___フフフッ、』
『___なに! 笑ってんだよ!』
『___笑ってないって!』
___何故なのか、ズバズバ僕の心に土足で踏み込んでくる。
この鴻野という女の子の事が、僕は案外嫌いじゃないんだ!
___今まで、僕にこんな事を言ってくる人がいなかったし!
なんだか? 凄く新鮮で。
___僕は、この鴻野という女の子の事が気になるようになったんだ。
・・・ある時は?
『___アンタさ~自分の事! 誰にも、分かってもらえなくていいの?』
『・・・また、なんだよ!』
『私は、私の事を知ってほしいのよ!』
『___はいはい、』
『___私さ~親にも内緒にしてるんだ~!』
『・・・えぇ!? 僕もだよ!』
『___やっぱり、』
『___なんだよ! 僕を騙したのか?』
『___違うよ! 本当の事を聞きたかっただけ!』
『・・・ふーん! そうなんだ、』
___何時も、鴻野は?
ズバッと僕の心を傷つけながらいろんな事を聞いてくるのだけど?
素直に、僕も彼女が言った事に答えている。
親にも友達にも、今付き合っている彼女にも! ここまで心を開いた
事がない! 僕は鴻野と居ると、、、? 初めて感じる安心感を抱い
ていたんだと思う!
___ひょっとしたら?
僕は、鴻野の事を愛しているのかもしれない!
ふと、そんな風にも想えたんだ。
*
___だからね?
僕は、今付き合っている彼女と別れて。
鴻野に、僕の気持ちを伝えたんだ!
『___あのさ~気が付いたんだよね?』
『___えぇ!? 何が!?』
『___僕は、鴻野の事が好きになったみたいなんだ!』
『___何よ! 急に、冗談でも言ってるの?』
『___それがさ! “結構! 本気みたいなんだよね!”』
『・・・でも、山之内って? 彼女いたよね?』
『___えぇ!? 知らないの? もう、別れたよ!』
『___嘘!?』
『___ホント!』
___こうして、僕と鴻野は、付き合いだしたんだ。
お互い似た者同士! 喧嘩もするけど、、、?
考えがピタッと合う時もあるんだ!
___そんな時は、僕は彼女を好きになって良かったと
感じるんだよ! これからも彼女を好きでいる自信があるから!
だからね! これからも、僕をよろしく!!!
最後までお読みいただきありがとうございます。