おまけ
『そうか! 私をあざ笑いたかったんだ。私を困らせたかったんだ! そうに違いない……、妻が殺されて、でも私は運命通り物語を案内しなければならなかった。ひどく、滑稽だっただろう? 私を哀れに思っているのかい? そうであればひどく身勝手だ。勝手に読み進めて、勝手に哀れんで、君は勝手すぎる。私のことなんて、何一つ考えてくれない。あはははははははは』
《あ~、作者です》
ナレーター君が壊れてしまったので、代理で記入することにしました。
ナレーター君のお仕事は、作者の世界に読者を案内する代理人なのにね。
作者がいなければ、物語は産まれない。読者(”R”eader)がいなければ物語が”進”まない。
この物語がいかに陳腐なものであろうとも、読者が読み続ける限り進むのです。
読者と作者の関係、そして壊れたナレーター。
狭い部屋から逃げようとし、そして欲望を満たして戻ってしまうR。
あははははは! 滑稽です!
わかりますか? この意味が!
ナレーター君の叫びは、何と心地よいのでしょう!!!
◇◇◇
読者が物語を気に入らないのであれば、出来ることは物語を閉じることだけ。
そして最後まで読んで頂いたということは、何かに興味を持ち、作品から何かを持ち帰ろうとしたのでしょう。
作者の誘いに頼りながら、読者はその道を歩んでくれたのです。
この文章を読んでもらったことが、何よりもその証拠となるでしょう。
だからこそ私はこう締めくくります。
最後まで読んでくれてありがとう。
《いかがでしたでしょうか?
感想やポイント評価、お待ちしています》