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『どうして、どうしてだ! 私がここまでお願いしているのに、どうして読むのを辞めてくれない! 私は知っているんだ。作者がこの物語をどのようにするか、私は知っているんだ。だから、どうかどうか、読むのを辞めてくれないか? 頼む……』
Rが刑務所から逃亡してから一時間が立ちました。追っ手もなく、ついには自由を手に入れました。Rは興奮しました。誰でも良い、この深夜に通りがかった女を使って、自分を慰めようと。
そしてRは薄暗い路地裏の道で、女が歩いているのを見つけました。
女は丁度良く一人で歩いていて、スマホの画面に夢中になっていました。Rは、目を凝らして観察してみたが、警戒心の欠片もありませんでした。あれなら簡単に済ますことができるでしょう。
Rはなんて幸運なのだろうと考えました。
脱獄してすぐに、このようなシチュエーションに巡り合ったのだから。
これは神の思し召しだと考えました。ヤレという、まさに天啓なのだと。
Rはニタリと頬を吊り上げました。
背後からひっそりと近寄り、今まさに、その女の尊いものが消されようとしていました。
『本当にこの先を読まないで下さい、どうかどうか……!! ブラウザを閉じてください。今まさに罪のない女性が辱められ、命を散らそうとしているのです!!!』