表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/167

リハ2日目!!

冒頭で僕の言いたいことは伝えています。(いや、前書きで書けよ)



「久しぶりに来たねー」


「……何を言ってるんだ、新美?昨日来たばっかりだろ?」


「5日くらい更新(きて)ないような気がしたんだよ。――気の所為かな?」


 新美は俺を見るわけではなく、眼の前に見えるアクトでもなく、投稿者(そら)をいつもの細い眼で見つめていた。


『そうだねー』


「……なんでみんなして空を眺める?」


 その時、つられて雲を見つめていると、ゲシュタルト崩壊を起こしたのか、『ごめんなさい』と浮き出たような気がした……。


***

 話を戻して、リハ2日目、今日は昨日出来なかった3部の演奏がメインとなる。

 1日目に準備と演奏、さらにはサプライズ演奏までやったところでタイムアップだったのだ。

 ここでも流石に時間制限があるが、学校よりも遅くまでやれるし設備もいい。


「定演が終わるまで部室に行くことが無いってのはなんか新鮮だね」


「ああ、たしかに……」


 楽器をここに置いてある状態なので学校が終わるとすぐさまアクト集合となっている。

 玲哉さんがしきりに言っていた「やり残しの無いように」の解釈が分かってきたかもしれない。

 もう引退するから、ではなくて……もう部室に顔を出すことが難しいから、だったのかもしれない。


「よーし!急いでチューニングを済ませて3部の演奏をするぞ」


『応!!』


「先生――!お願いします」


「おーーう!!」


 争覇先生は広い観客席の後ろ側に腰を下ろして、メガホンで呼応する。指揮棒を持っていないのでとても可愛らしい。


「……大志くん、チューニングいいの……?」


「っ!!――すいません、すぐやります!」


 彩矢さんの冷ややかな視線を喰らい、急いでバリトンをかまえる。……別に見惚れていた訳じゃないんだけどな……。


 3部の曲を1曲ずつ演奏していき、先生からの指摘が入る。それをアンコールまで通していったん休憩になる。


 休憩中、演出や撮影を手伝ってくれる動画部が忙しなく動いている。


「……大変そうですね、手伝ったほうが……」


「いや、大丈夫だ」


 玲哉さんは俺の言葉と身体を手で制する。


「忙しいだろうが、楽しいらしいぞ?普段使うことの無い設備を触れると言ってな」


「なるほど……」


「やってくれるなら任せた方がいい。俺達は自分のことに専念するべきだ。時間はないからな」


「はい……!」


 そうだ……、あと本番合わせて3日しかない。少しでも質を上げないとな。


「……まあ、俺は何回もリハやると冷めちゃうんだけどな」


「ええっ!?」


「……冗談だよ……」


 冗談の声色に聞こえなかったんだけど……頼みますよ?


***

 休憩後、照明などの演出の確認作業に入る。先生の近くに新房さんが座り、全体的に指示を出すようだ。本当の監督のようだ。


「……で、本当にやるんですか?」


「当たり前だろ?かっこいいじゃないか」


 俺は指揮台の足元に置かれているサーキュレーターを見て頭を掻く。

 本番さながら、学指揮のジャケットを着ている俺の服がサーキュレーターの風によってなびく。ロックバンドだろ、これ……。


『舞台暗転しまーす。不備があったら教えてください』


 新房さんの指示が入り、3部の1曲目、オープニングの曲が始まる。――って、暗い!全然見えない。


「暗すぎる――!」


 マイク越しに天馬さんの声がホールに響く。……すると、暗転の明度が薄くなり、うすぼんやりと周りが見えるくらいになる。


 マリンバとフルートの前奏が奏られ、ドラムのバスドラムと同時にライトが光る。

 ドラムのフィルとともに、舞台に照明が点く。そして、俺は右手を挙げて、ポーズをとる。クラーク像のようにだ……。

 指揮台に付けられている小型カメラが俺を撮っている。ああ……慣れないな、この撮られてる感。


 俺の感想は余所に、演奏と演出はかなりカッコいい。

 

 初めのこの曲、『strange voice』は掴みとしてもかなりいいな。欠点を上げるとすれば……、


『ムズイー!!』


 手数が多く、全部のパートが1曲目でヘトヘトになる曲だ。


「ホンマ、これ編曲した人凄いな~」


 まどかさんが京都の人のような皮肉を放つ。……スイマセン、「みんなが美味しいところがあるように作ろうぜ」と言ったの僕なんです。

 

 まあ、大変だけど凄く楽しい。3部はかなりキヨと新美が編曲した曲が多い。聞きに来たお客さんは驚いてくれるだろうな。


 俺は舞台の端に置かれているホワイトボードに眼を向ける。そこには定演で演奏する曲が書かれている。セットリストというやつだ。

 そのセットリストの最後、encoreと書かれた欄の曲は披露出来るのか……一抹の不安を覚える。――しかし、同時に期待を持っている自分もいた。アンコールのない演奏会があるのもまた一興かもしれない。


 俺はとことん、GWOの影響を受けているというか、GWOの一員なんだなと思う。


 出来るなら演奏したいな、アンコールの曲。――普通ならこんなこと考える吹奏楽部はいないだろう。なぜなら、アンコールを予定してプログラムを作るからだ。

 俺達は違う。練習はするけれど、求められなければ演奏はしない。

 どこまでもマイノリティーを貫いていく。――いや、吹奏楽の常識を壊していく。


 それが俺達、GWOの流儀だから……。





「――突然で悪いんだけど、アンコールって、encoreってスペルなんだね、知らなかったよ」


「…………ああ。俺も初め「エンコアー」って読んでた……って本当に突然だな」


 本番まであと2日、俺達は絶賛通常運転だ。落ち着けている証拠だな。明日も頑張ろう。

いつの間にか、評価ポイントが少しづつ上がっている……だと?ありがとうございます。


更新遅くてすいません、仕事が忙しくて……。


次も更新遅いかもですけれど、気長に待っていただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ