表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/167

リハーサルとサプライズ

総合評価が100ポイントいきました!!ありがとうございます!


ここまでくるのに1年……1年!?そんなかかったの!?


周りのランキング上位の方達と比べると恥ずかしいレベルですが、僕にとっては貴重な経験です。


これからもよろしくお願いします(・´з`・) 庭城

 本番4日前になった……。


 会場となるアクトシティ中ホールの中はホールスタッフさんとGWOのメンバーで照明や舞台の準備に追われていた。


 照明は動画部から持ってきたものもあり、中々のセッティングになりそうだ。

 この後の予定は準備が出来次第、ホールでの音合わせになるが、それは翌日に持ち越しだろう。

 今日が火曜日だから、明日からホールでの音の反響や演出のバランスを見ることになる。

 最終金曜日はゲネプロと呼ばれる、本番さながら衣装も着ての通しで最後までやりきるというものを経て、本番となる。


 定演近くになると、OBの方達も応援に来てくれる。本番も受付業務などの仕事をロハ……無償でやってくれるそうだ。


「OBは2年間裏方作業をしなければいけない。っていうルールがあるからなんだけどねー」


「……」


 3年オーボエの関さんは面倒そうにそうぼやく。来年は自分がやるのか、といった気怠そうな顔だ。


「2年間って長いですね……」


「だよねー。自分の知っている代まで面倒を見るのが仕来りになってるんだよ。流石に自分の知らない後輩にまで愛着はわかないだろ?」


「まあ……たしかに」


 2年間というと、俺が3年になった時に関さん達が裏方作業をしてくれると言うことだ。

 3年目になったら、全く知らない後輩達だ。流石にやる気を起こすのも大変だよな。


「でも、手伝ってくれるOBもいるよ。時々学校に遊びに来てくれる人とかいるでしょ?」


「ああ、いますね」


 部活動は初めてなので勝手がいまいちなんだけれど、OBが意外と遊びにくるのだ。

 

「中には俺達も知らないOBがいたりしてね、あの人たちは引退後……つまり社会人になっても楽団に入って吹奏楽を続けている人達なんだよ。そういった人達が定演とかに足を運んでくれる理由はスカウト目的もあるんだよね」


「ああ……、上手な人がいたら楽団に勧誘するために?」


 関さんは「そういうこと」と肩を竦める。


「お前等、駄弁ってないで手を動かせ……!」


『すいません』


 玲哉さんの冷ややかな視線が突き刺さる。すいません、動きます。


***

「――よし、では第1部の曲をやっていく。準備はいい?」


『はい!!』


 ハイパー状態になっている争覇先生の指揮の下、演奏が始まる。

 冒頭は夏のコンクールでやった『アルカディア』でスタートとなる。

 その後はSJ&Pコンテスト用に応募した2曲、『Indigo Cloud』と『Megalith』の計3曲構成となっている。

 

「今回は第1部を短めに、2部・3部のボリュームを濃くしたいという3年生の意志を尊重している。正直な話、来場された人達はクラシカルな曲では寝てしまうからな」


 そういえば、他校の定演でもクラシックメインの1部とかだと舟をこいでいたな。でも……、


「だが、貴方達は他とは違う。来場者を寝かすことなく、「また来たい」と思わせる演奏を作りなさい」


『はい!!』


 そうだ、他校と違うのが凱旋の売りだ。度肝を抜かせられたらいいな。


「それから……鷹谷」


「はい」


「申し訳ないが『アルカディア』に関しては鷹谷に振って貰う。この曲を振るべきは私ではないからな」


「……はい!」


 ここでも他校との違いを見せていく……つもりはないんだけど、どこまでもマイノリティーを貫くGWOである。


***

 第2部は3年生のステージ。俺達は観客席に移動して演奏を聞く。

 こうしてしっかりと見るのは初めてかもしれない。随分とこそこそやっていたからなー。

 俺達にまでサプライズを仕掛ける必要はないだろうと思うが、天馬さん達らしいと言えばらしいなと納得してしまう。


 舞台が暗転すると、スポットライトがベースとドラムを照らす。

 ベースの玲哉さんによるソロとドラムとのセッションだ。改めて高校生のレベルなのかと疑ってしまうくらい上手だ。

 玲哉さんは涼しい顔でスラップ弾きをして、天馬さんは絶妙なタイミングで合わせる。

 長年のコンビネーションというやつなのか、聞いている俺達は「凄い……」としか言えなかった。

 

 セッションが終わると、他の楽器も入っての演奏『Nap That Chap』が始まる。

 GWOお馴染?のT-SQUAREの曲のようだ。『Megalith』とはまた違ったカッコよさがある曲で3年間の集大成にはもってこいな曲だ。

 軽快で聞いていて凄く楽しいのに……どこか哀愁感が漂うんだよなSQUAREの曲って。それこそが大人が醸し出すグルーブなのかもしれない。

 

 曲を聞いていると本筋が見えてきた。3年生による第2部はT-SQUAREメドレーだ。メドレーと言っても、1曲を短くすることはない。原曲通りの長さ。

『Nap That Chap』もそうだけど、後から聞いたところ曲は『Nap That Chap』、『Traffic Jam』、そして『明日への扉』の3曲だ。

『Traffic Jam』――渋滞という意味のこの曲はとにかく難しい。聞いているだけで「良く吹けるなぁ」と新美が苦い笑みを零す程だ。実際、難しいそうだ。

 最後の『明日への扉』はしんみりとしたメロディーだが、決してバラードではないところが3年生というか、GWOらしさが垣間見える。


「――最後はこの曲だー!!」


 マイクに向けて大きな声を出す天馬さん。はて?まだやる曲があるのか?と思ったら……、


『ハッピーバースディーー!!』


 と、3年生の声がホールに響き、暗くなった観客席にスポットライトが当たる――2年パーカッションの()()()()()()()()()。……なるほどな、()()()()()()()


「――油断してたわ~」


 まどかさんは細い眼を大きく開いて顔を赤くする。

 ここでサプライズするかね、普通……。


 GWOでは誕生日の部員にサプライズで誕生日を祝う風習がある。

 演奏中にお誕生日の歌が流れたり、部長の挨拶でしれっと紹介されたりと……やられるほうは恥ずかしく、やっているほうは楽しくてしょうがないので太刀が悪い。


 こうして、今日も驚きの方法で誕生日が祝うことになった。

 お誕生日の歌と演奏が流れて、GWO定番のまるたやのチーズケーキが贈呈される。


「嬉しいけれど、急すぎるで~」


 まどかさんは何とも言えない顔をしながらも笑顔を作る。


「いやー、練習した甲斐があったなー!」


「学校でやり残したことはないが、アクトではまだあったと言うことだ」


「さあ、写真を撮りましょう~」


 沙耶さんが笑顔で部員を集める。……いつの間にか新房さんがカメラを持っている、もう慣れたな。


「…………それじゃあ、いくよー?――はい!」


『カシャッ!』


 まどかさんを囲んで全体写真を撮る。まどかさんはチーズケーキを持っている。


 こういったサプライズっていいよな。俺の時は……部活を休もう。


 こうして、1日目のリハーサルが終了する。


『――おめでとう!!』


 この言葉で締める日があってもいいよな、たまにはね……。

今回の話、急遽サプライズの部分を入れることにしました。


本当はリハーサルでもう少し書くつもりだったんですが、総合100ポイントが嬉しかったのでつい……。


……それにしても、100ポイントでこんなに喜ぶのってなんか惨めですかね?(気付くの遅いよ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ