定演の構成について
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定演の構成というのは、基本的には1部がクラシック、2部にポップスをやるのが主流だ。
それは高校によって様々で、マーチングをやっている高校ならドリルステージ――初めて見た定演の北陽高校がやっていたっけな。
他にも劇を交えた演奏や最後にクラシックを混ぜる高校もある。――そして、凱旋工業の構成と言えば……
「俺達は3部構成でいく。1部はクラシック、コンクールで演奏した『アルセナール』とSJ&Pコンテストの2曲の計3曲だ。指揮は争覇先生が担当します」
「はーい」
天馬さんの話を終始ニコニコと微笑みながら先生は聞いている。この状態のままなら聖母に見えるくらいだ……。この状態ままならな。
「――で、2部は3年生の単独ステージだ。これは俺達3年が全部考えて演奏するから1・2年生は休憩か足りないパートのサポートをやってもらう。まあ、少し退屈に思えるかも知れないけど……自分達が3年の時になるまで楽しみにしておくということで!」
天馬さんはそう言うけれど、個人的には楽しみだな。3年生のみの演奏を舞台袖で聞くことが出来る。最後の演奏になるのだから、きっと盛り上げて貰えるだろう。
「そして3部はポップスステージ。前にみんなで決めた曲を演奏する。――そして、今年はあることをしたいと思っている……!」
……あること?なんだか期待を持たせる言い方――というよりかは、不安な気持ちにさせる。
「――それはアンコールは本当のアンコールのみ行う……だ!」
『…………』
「……あれ?もう少し盛り上がると思ったんだけどなー」
「……天ちゃん、説明不足だ。つまり何が言いたいかというと、演奏会のお決まりのアンコールを、本当にお客さんが心から「聞きたい!」と思ってコールしない限り、アンコールはやらない。ということだ」
……何だよそれ、最高じゃないか……!
俺が定演を見た時に思ったモヤモヤを払拭してくれるような提案だった。
あの時のアンコール待ちをしている姿が頭を過る。
お決まりなのは分かっているけれど、それをあえてやらない。マイノリティーな姿勢を貫く姿勢。だからこの吹部は面白いんだな。
「正直博打要素が高い!だけど、アンコールがなくても最高な時間を楽しめればそれでいいとも思っている。これは俺の……部長としての考えに過ぎない。みんなはどう思う?いいと思う奴は、手を大きく上げて親指を立ててくれ」
親指を立てる必要はない気がするけどな……まあいいか。
「それじゃあ……せーの!――ありがとう、決定だ!」
全員が親指を立てている。なんか言葉に出来ないけれど、いいなこういうの……。
写真を撮っていたらいい写真が出来そうだな。
「――うん、いい画が撮れた」
そう言って、新房さんが親指を立てていた……。
え?なんでいるの……?
「ああ……、動画部には定演のドキュメンタリーを作ってもらうためにちょくちょく写真や動画を隠し撮りしてるからな」
「よろしく頼むよ」
つくづくマイノリティーだよな。ドキュメンタリーを撮る吹奏楽部が何校いるのだろう。それも学生がだ。
凄い学校だ。
「さ、これで今年の定演をやっていくぞ!」




