ようこそ、吹奏楽部へ!!⓼ 歓迎会
今回のモデルのハンバーグ店は「静岡 ハンバーグ」で検索すればすぐ出ると思います。
もし静岡に遊びに来られた時は是非!
僕はあまり行ってないですけど(笑)
炭焼きレストラン『はれやか』静岡県民なら知らない人はいないとまで言われているハンバーグのお店。
『はれやか』は静岡県全域にあるチェーン店だが、毎日鬼の様に混雑する恐ろしく旨いハンバーグ店なのだ。
『はれやか』店内、待合席で俺達は会話で時間を潰していた。
「17時前だってのに混んでますね」
「平日なのにね。五人の席を用意するのも大変なんだけど、ところで去年も思ったんですけど、何で『はれやか』なんですか、岸先輩?」
「旨いからに決まってるでしょ?まったく彩矢は。なあ、新美?」
「理由になってないですよ。美味しいので僕も同意ですけど」
「はは、特に理由はないんだ。昔っからサクパの歓迎会は『はれやか』にするのが慣例になっているだけで」
俺は先輩達の会話を聞きながら、気持ちが和らいでいくのが分かった。――こういうのって、なんかいいな。言葉にならないけれど。
部活動で歓迎会をやるとは思いもしなかった。それも吹部全体ではなく、パートという少人数でだ。
俺のイメージしていた部活動って、上下関係が厳しくて、先輩と仲良く食事に行くなんてありえない。そう思っていたからだ。
「凱旋が特殊なのかもしれないけどね。そもそも吹奏楽部って上下関係は厳しくないと俺は思っていたけどね」
対面の席に座っている徹さんが説明してくれると、徹さんの隣に座っている弥生さんが「学校次第ですよ、私が中学の時なんてピリピリでしたから」と溜息交じりの声が耳に入ってくる。――そういうものなのかな。
「新美の時はどうだった?」
俺の隣にいる新美に聞いてみると「七瀬先輩と同じかな、険悪ではなかったけど仲が良いとは言えなかったね」と言って肩を竦める。
成程、まだ入部初日だが、入って正解だったか。
「ラッキーだったね、良い部活で」
新美と反対側の隣にいる彩矢さんが俺の顔を覗いて微笑む。
その何気ない仕草にドキッとしたが、顔色を崩さない様に笑顔で「そうですね」と返す。
ほんの数分前までお互いに嫌っているのでは?と疑心暗鬼になっていたとは思えない会話である。
ここにくるまでの道中で、お互いの疑問は解消されたのだ。……喧嘩したカップルみたいな騒動だった、とは言えない。
新美の言った通り、ちゃんと話せば解決する問題だったのだ。
感謝の言葉を言おうと新美に眼を向けると「コーンスープ飲みたいな」とメニュー表を見ながら呟いていた。
今言った所で「はいはい」と返されそうだ、後にしよう。
「五名の七瀬様ー、準備が出来ました。どうぞお入り下さい」
ウエイトレスに呼ばれて「はいはーい!」と弥生さんが手を大きく振る。
『……恥ずかしい』
俺と彩矢さんの声がダブる。お互いに眼を丸くさせ眼が合い、クスリと苦笑いをする。
***
席に座るなり、メニューを早口で伝える。『はれやか』あるあるである。
「――さて、乾杯ドリンクもきましたしさっさと乾杯しちゃいましょー!!岸先輩、音頭!」
テンションの高い弥生さんに呆れながらも、徹さんは「グラスを持って下さい」と控えめに合図する。
「鷹谷君。新美君。サクパへようこそ、これからよろしく。かんぱーい」
これまた控えめな音頭だ。俺達も控えめにグラスをぶつける。
「かんぱーい!!」
一人だけ酒飲みの雰囲気を出している先輩がいるが、スルーしておこう。
彩矢さんと眼が合うと、少しモジモジしながらグラスを近づけてくる。――なんでドキドキしているんだ、俺は。
「ようこそサックスパートへ」
「――はい」
俺と彩矢さんはグラスを交わす。
このグラスの音が始まりを告げる鐘の音の様な……と詩人みたいなことを考えているとハンバーグがやってきた。
『いただきます!!』
詩人はどこいった?と言わんばかりにハンバーグに手を付ける。食欲には勝てんものだ。
今日も『はれやか』のハンバーグは美味しかった。
いや、特別に美味しかった。かもしれない。
次回から吹奏楽のお話になります!
え?いままでなに書いてたんだろう?(知らんがな)




