野球応援から感じた心境
パソコンに鍋のスープをぶちまけてしまい、大慌てでした。
なんとか使えていますが、キーボードがいかれたので外部キーボードを使用する始末……。
久しぶりに前書きを書いたと思ったら、なんだよこれって感じですよね(ホントだよ)
「――じゃあ、よろしく頼む」
「は、はい!」
……こわかったー。
俺は応援団団長の人と会話を終えて深く息を吐き出す。
凱旋の応援団は、基本的に野球部の友達がなる風習のようで、野球部の友達となると……言うまでもないだろう。
サッカーをやっていた時にも威圧感がある奴はいたけれど、高3で久しぶりに対峙すると中々しんどい。
「ごめんね~、私達野球のルール分からないからー」
沙耶さんは俺の疲れ切った顔を見て申し訳なさそうに言う。
野球応援の時の校歌演奏、応援曲の指揮は学指揮がやる。これの難しい点は演奏中に味方がヒットを打った時にファンファーレを出すタイミング。
確実にヒットじゃないとファンファーレに移行しづらいし、遅いと周りの眼が怖い……。
後は曲の入れ替えのタイミング、曲順の選択など色々と忙しい。
「吹かないだけマシじゃないの?」
「弥生さん僕の代わりにやります?」
俺は笑顔で聞いてみる。
「や・だ」
……笑顔で返される。
「ですよねー」
俺だって演奏しているほうがいい。楽しいし、熱いのは慣れているしな。
まあ、しょうがない。腹を括るか――。
***
「ナイスー!いけるいける!」
「……なんだかんだ言っておいて、君が一番テンション高いよ」
「何言ってるんだ新美!逆転だぜ?こんな胸熱展開を涼しい顔で演奏するなよ」
「暑っ苦しいわねー、天気もアンタも」
「いつもクールなんですけどね、熱が入ると止まらないタイプなんですよ、鷹谷くん」
「あはは……」
サクパから何か聞こえた気がするが……お!またヒットだ!俺は力いっぱいホイッスルを吹き、ファンファーレを合図する。
***
1回戦、2回戦と勝ち進んできたが、3回戦目で凱旋は敗北してしまった……。
「……おしかったな」
帰りのバスの中、俺達5人は騒がしい車内で会話を始める。
「そだね。やる前は暑くてかったるいと思っていたけれど、いざ試合が始まるとそうでもないから厄介だね」
「曲自体がテンポが軽快な曲になるからかな?フルートが日焼けしなくて助かったよー」
くらやんはホッとした表情でフルートを見つめていた。
「ああ、木管は太陽駄目だもんな。金管は気にしなくていいからなぁ」
「こればっかりはしょうがないさ。でも、金管だって多少は気をつけるべきだけどさ」
佑都が苦笑いを浮かべて言うが、微笑で返すキヨの言う通り、しょうがないことだ。木管楽器は直射日光に当たってしまうと壊れる原因になるらしい。ちなみにサックスも木管に分類される。
「――にしても……」
新美は不意に口を開く。
「これで野球部の夏は終わりなんだよね。7月の中旬、早いね」
「ほとんどの高校野球はこれくらいに終わるからな。それが……?」
「ん、オレ達も大会があるけれど、大会だけじゃないからさ。大会にかける思いが違うんだろうなって」
「そりゃそうだろ、3年の涙を見ればよく分かるよ。何をいまさら」
俺が眉をひそめて聞き返すと新美はフッと鼻を鳴らし、「オレ達も夏までだったら泣くのかね?」と俺に問いかける、というよりかは、自分自身に聞いているようだった。
俺はおそらく泣かないだろう。いままで辛いことはあったけれど泣くほど悲しんだことがない。
俺が思ったことを口にしようとしたら、新美が「泣くんだったら楽しい思い出で泣きたいものだね」とサラリと綴る。
「新美……お前」
俺は新美の悲しくも希望に満ちた表情を垣間見る。そして、俺は……。
「新美、そうとう疲れてるだろ」
真顔で返した。ムードぶち壊しだ。しかし……
「よく分かったね、……軽くバテている」
そう言って新美は眠る様に息を……いや普通に眠った。
新美の名言は眠気による謎のテンションによるものであった。
良いこと言っていたのに……!俺は拳を握って悔しがる。
何か静かだと思ったら、くらやんを始め周りの口数が減っていた。ほとんど寝てしまったのか?いや、空気的にあまり声を出すべきではないと判断したのだろう。あれくらいの演奏で疲れ果てるわけがない、暑かったのでバテているのだろうな。
静かな車内の中、「これは相当厳しくしごく必要がありそうですね~」と優しい声が聞こえた……!争覇先生だ。
俺は身体をぶるっと震わせ、寝たふりをする。
これから夏の大会に向けて、鬼のような練習が待っていることがわかってしまった。
俺はみんなと気持ちを共有するために寝よう……。フラットな気持ちで練習に向き合うために――。
ふと、車窓を眺める。新美の言った言葉が頭から離れない。
「楽しんで引退か……」
引退する時の気持ちなんて考えたこともなかったな。
いつだって悲しいものだと思っていたし、いつだって辛いものだと思い込んでいた。
勝ち負けじゃない、結果じゃない。楽しむという別の場所へ向かっていける。……かはまだわからない。
でも、この個性の強いメンバーと大会、そして定演をやればきっと答えは見つかるのだろうな……。
「うん……俺も疲れているな」
恥ずかしいポエムのような考えを一蹴するように鼻を鳴らし、俺もみんなと同じように眼を閉じた――。
野球応援のリストを出すか悩みましたが、大人の関係でダメなのかな?と思ってやめました。
まあ、『狙い撃ち』や『海のトリトン』などの定番をやったと思ってください。
2年生編になったらもう少しそこらへんを詳しくしようかなとか思っています。
端折った所を1年視点から書くことで、バラバラな話が綺麗にまとまるのかもしれないですね。
書いていて思ったことがたくさんあって、「やり直したい!」なんて思ったりしましたが、まずはしっかりと書ききれよ、といった感じです。
更新が遅くて申し訳ありませんが、必ず完結させますのでブクマをして下さった11人の皆さんのためにも頑張りますよ~!
と、決意を新たに邁進しようと思った矢先、黒塗りのk…………(やめなさい)




