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ブラバン・B・アンビシャス ~吹奏楽で大志を抱け~   作者: 庭城優静
大会編:これこそが吹奏楽部?
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中日吹編⑦長く短い1日

 き、金賞取っちゃたよ……!


 凱旋のメンバーは他の金賞受賞校と同じ様に、声を出して喜ぶ。

 俺は信じられない気持ちが先走ってしまい、喜ぶタイミングを逃してしまった。


 静まったのを見計らって、司会が進行を続ける。


 ど、どうなるんだ。この後は……本大会に行ける高校の発表になる――!


***

「――えー、中日吹金賞おめでとう!」


『いえーーい!!』


 急いで学校に戻り、楽器搬出を済ませて部活終了の時の状態になり、俺達は盛大に喜ぶ。


「始めて中日吹で金賞を取ることが出来ました!」


 みんなで首を縦に動かす。

 そうだ、金賞を取れたのだ……と。


「――ダメ金だったけれどな」


『あーーー……』


 アメリカのコメディドラマのような声が聞こえる。


 そう、金賞だけど次の切符……本大会の出場資格を貰えなかった、通称ダメ金と呼ばれる。俺達はダメ金だったのだ。


「……でも」


 天馬さんは続ける。


「まずは金賞を取れたことを素直に喜びましょう。B編成でダメ金なんて逆に取ろうと思っても取れないからな」


 たしかに。前にサクパのメンバーで同じ話をしたな。B編成では金賞を取れば、次の大きな大会に出場出来る。しかし、中日吹に限りはダメ金が存在すると……。


「金賞を持ち帰れた。今回はそれで上出来!取り逃がした切符は夏で取り返すぞ」


『応!!』


「青春ですね~」


 俺達の熱量を冷ますように争覇先生はにっこりと笑いながら小さく手を叩く。


「先生からは……?」


「はい、みなさんお疲れさまです。そして、金賞おめでとうございます。頑張った成果がしっかりと結果に残る……これほど部活動冥利に尽きることはないですね」


 そうだ。

 俺が一番嬉しいと感じたのはそこだ。成果が結果に残ってくれた。まだ効果が出ているか分からないけれど、学指揮として陰ながらレベルアップを図っていた身としては嬉しいのだ。

 今回のお蔭で、今までよりも大変なメニューにしても不満が出るリスクが減る。やれば結果として出ると証明できたからだ。


「部長の言った通り、夏の大会、他の高校もここに全てを懸けてきます。これから練習はもっと大変になっていきます。今よりも密度の高い練習を心がけていきましょう。私達は東海大会に出ることが最大目標なのですから」


『はい!!』


「先生ありがとうございました。今日はここまでとします。明日は休み、来週から本格的になります――」


 そうだ、これからが勝負。下準備は出来てきている。残り2か月を有意義に使わないとな――。


「その前に!野球応援や地元での訪問演奏なんかも入ってくるので、大会も大事だけど、こういった活動も本気でやるように!」


 ……そうだ、大会だけじゃなかった。イベントは毎月のようにある。1日の大切さがより増したよ……。

 1日1日を無駄なく使う――!



 今日は朝から夜までの長丁場であったが、実際に力をいれたのはその内のほんの一時。

 こうして、長く短い1日が終わりを迎え、夏の大会へのカウントダウンが静かに動き始める……。

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