ブラバン4コマ劇場~合同演奏会編~
ブラバン4コマ劇場 合同演奏会編
第1話 いつも騒がしいあの人は……
①「なあ、新美。可笑しくないか……?」
「たしかに、言われるまで分からなかった」
「それもどうかと思うけどな」
②俺達は弥生さんの方を見る。いつも騒がしい、こういった場では誰よりも先陣を切って動くあの人が……!
「……あはは、ですよねー」
③『……誰!?』
俺と新美は眼を丸くさせる。
そこにいるのは、他校の生徒の話を丁寧に頷き、愛想笑いを浮かべる、別人がいた。
④「弥生って内弁慶なのよ。他校でもいつものテンションで絡んだら嫌がる人もいるでしょ?」
彩矢さんが苦い顔を浮かべて説明してくれる。
『……たしかに』
「――あはは、凄いですー」
俺の瞳に映るのは優しいアルトサックスの先輩だ。
いつもこうであってほしいと、3人で細い眼で見つめるのだった――。
***
第2話 頑張るくらやん
①「ううう、ボクの両隣女性だし、上級生だ。怖いなー」
ボクは少しだけ弱音を吐く。
楽器講習会の時もそうだったけれど、やはり女性の部員が大半を占めるよね、吹奏楽って。
② でも負けないぞ!鷹谷くんみたいに上手い人の良い所を盗めるようにしないと……!
僕はふんすと漢らしく鼻息を上げる。
眼力を入れて両隣の他校の先輩の顔色を窺う。
③「――ふふ」
「――くすくす」
双蘭、臨海館の2人はボクを見つめて何故か微笑み。
「え、え?」
④『可愛いーー!』
「大丈夫?私達が怖かった?ごめんね」
「肌綺麗~つるつるー!心配しなくても大丈夫だよ!」
二人の先輩に抱きしめられ、頭を撫でられ、頬をツンツンとつつかれる――!
た、助けて鷹谷くーーん!!
ボクの悲痛な叫びは聞こえることはなかった……。
***
第3話 そういえば曲の紹介してなかったね
① サタデーナイト。元はベイ・シティ・ローラーズという海外グループの曲を吹奏楽用にアレンジされている。
曲の初めや間に、クラップと一緒にサタデーのスペルを歌うのが特徴的な曲である。
少しばかり単調なメロディー感があるが、不思議と飽きがこない曲だ。
② 南風のマーチ。少し前の全日本吹奏楽コンクールの課題曲の1つだ。心地よいメロディーラインと中低音の副旋律が際立つ名マーチ。個人的に大好きだ。
③ ディスコキッド。吹奏楽の定番曲。これは説明不要であろう。ディスコ!実はかなり昔の課題曲だと知る人は少ないだろう……。
「……こんなところかな」
俺、ユーフォニアム1年後藤恭輔は、1人で勝手に曲紹介を済ませた……。
「……ん?」
④ 何か視線を感じると凱旋の奴等が俺をじーと見つめていた。
「な、なんだよ?こえーよ!」
「いや、分かりやすい曲紹介をしてくれてありがたいなかって……」
鷹谷の言葉に周りは「うんうん」と頷き、「次も頼む」と嫌な笑顔を見せてくる。
「や、やらねーよ!もう」
しかし、これから毎回の様に曲紹介をするとは思いもしなかった……。
***
第4話 現実を教えてやる
① 俺はクラリネット3年の山路司、一様パートリーダーをやっているよ。
今日は現実というやつを身体を張って見せてあげるよ。
② 他校の女子とイチャイチャする鷹谷。
他校の女子にイチャイチャされるくらやん。
ふん、俺の姿を見て振るえるんだな……!
③ 誰からにも話しかけられず、また、話しかけるタイミングもなく最後の年も1人でクラリネットを鳴らす男がそこにいる……。
④ 「これが現実だーーー!!」
「おい、清田!司さんの心の声が聞こえてきたぞ!?」
「気にするな、鷹谷。現実の合同練習の景色を目の当たりにしただけだから」
***
第5話 各学校の顧問紹介
① 双蘭高校、顧問。汐崎道夫。
少し小太り気味の教師で、声が大きい。音程にうるさい。
② 臨海館高校、顧問。堺一郎。
白髪交じりのナイスミドル。痩せ形で優しいが、怒らすと滅茶苦茶怖い。
③ 凱旋工業高校、顧問。争覇翔子。
美人でおっとりとした仕草。指導も丁寧で優しくて、怖いところなんて一つもない。
④ 「いいよねー、凱旋の顧問は」
「……うん、来年は争覇先生に指揮を執ってもらうようにお願いしたら?」
凱旋の部長である俺は、優しい声で、悪魔の様な助言を他校の3年に伝えるのだった……。




