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ブラバン・B・アンビシャス ~吹奏楽で大志を抱け~   作者: 庭城優静
大会編:これこそが吹奏楽部?
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貴方の風邪はどこから?――僕達はドSの先輩から

やっと物語が動き始めます。


前半のくだり、いらなくないか?(やめろ)

「お疲れ様です」


 個人練習から戻ると、先生は指揮台近くの席に座り、部長の天馬さんが指揮台に立ち連絡事項を述べていく。先生の顔色を窺うとおっとりとした眼をしていた。BOSSモードは指揮の時だけの様だ。


「もう2・3年には配ってあるけど今月のスケジュール表を分けるんで眼を通す様に」


 リレー形式で彩矢さんからスケジュール表を手渡される。

 表に眼を向けると日付と練習の有無、部活時間、右の欄には直近の予定が並んでいる。プロムナードコンサート・スプリングコンサート・定期演奏会視聴・楽器講習会(1年のみ)・中部吹奏楽コンクール・全日本吹奏楽コンクール……直近のよていでこれか。こんなにあるのか?吹奏楽部って多忙だったんだな。


「例年通り、今年もプロムナードコンサートに参加します。1年の中には見た事ある人がいるかもしれないですけど一様説明。この演奏会は駅前や広場なんかで中高生、吹奏楽団が野外演奏を土曜日に順次やっていきます。俺達凱旋は5月のGW明けに演奏します」


 見たことあるな、駅前演奏。あれがプロムナードコンサートと呼ばれるモノだったのか。足を止めて聞く機会がなかったな、聞いておけばよかった。――ん?5月の土曜日ってすぐじゃないか!……ま、まさか。


「1年生が毎年変な恰好で踊るのは風物詩だからな、嫌だったら練習を頑張る様に!」


 ニカッと笑う天馬さん。周りの先輩達も懐かしむ様に頷いてやがる!!皆、通ってきたのか地獄の道を。


「そういえば今年はどんな衣装にするんだ?寛太(かんた)に伝える案件か?」


 天馬さんは沙耶さんの方を見てそう聞いた。……寛太って誰だ?流石に部員の名前は記憶出来ていない。


「女装」


 ふふふと笑う沙耶さんに天馬さん()たじろぐ。俺達1年は勿論膝が笑っている。


「……動物の被り物だった俺達は幸せな方だったな」


 天馬さんは隣で頭を抱えている玲哉さんに苦い顔を向ける。


「――女装は構わないが服はどうする?」


「裁縫部が丁度服を作っているそうなのー、1年に着させていいか聞いてみたら、面白そうだからOKだって。フリフリにし過ぎて女子でも着るのが怖いとか……ふふふ」


 あ、風邪を引いたかもしれない。悪寒が止まらない。……奇遇だな、1年全員風邪を引いたのかな?顔が真っ青だぜ。


「……すまないが耐えてくれ。これには色々と理由があるのだ」


 理由ってドS先輩を抑えるのは無理だってことですか?玲哉さん。頑張ってくれよ!貴方なら出来るよ。


 天馬さんは2度咳ばらいをし、連絡を終わらせる仕草を取る。


「先生、何か言う事は――」


「特にないです、来週の合奏が楽しみですね。私は演奏するレベルに達していない人を入れるつもりはないですから」


 当たり前のことだと思うのだが、こちとら羞恥がかかっている。是が非でも吹けるようになってやる。


 入部当時にキツイ洗礼を与える事で、やる気を出させる作戦か、考えたな。効果てき面すぎるだろ。


「それじゃあ、今日はここまで!起立!ありがとうございました」


『ありがとうございました!!』


 

 こうして正式に入部しての部活動は終わった。……が、居残り連習は終わらない。


 俺はリードの水気を取り、用意してくれた別のリードをセットして息を吹き込む。



***

「ただいまー」


 家に着くとドット疲れがこみ上げてくる。運動はしていないのに身体が重い。……吹奏楽って大変なんだな、正直舐めていた自分を叱りたい。


『吹部も結構大変だからね』


 入部前に新美が言っていた言葉が脳裏に浮かぶ。――結構大変ね、本当だな。


 玄関を上がろうとすると、俺のではない靴が置いてあった。綺麗な革靴……この靴があるってことは……。


「ようお帰り」


「――兄貴、家に帰ってきたのか」


 

 俺の兄、現役高校生にして『浜松レイブンズ』に所属しているプロサッカー選手鷹谷翔(たかやかける)が玄関に立っていた。


「――どうした?早く上がれよ」

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