閑話リン編1:私と彼の朝
今回は閑話となります
本編とはあまり関係ないので
飛ばしてもらっても大丈夫です
閑話は章が終わるごとに挟まれると思います
あぁ…いつ見ても思うほんと彼ってかっこいい
えっ?彼って誰かって?
そんなの私の将来の旦那様のショウ君に
決まってるじゃない!
これはまだショウ君が私に告白する前の話
私が彼が私を好きになるように努力した話
いわゆる前日譚というやつ
[○月※日(曇り)現在の時刻朝8時
彼と私の日記をつけ始めて7日目の朝
私は今、彼の家の彼の部屋の向かいにある
マンションの屋上にいる、やっぱり将来嫁になるのだから、朝の事情は理解したほうがいいと思うし、
早めに知ることに越したことはないと思う。
それゆえ私は彼に惚れてから毎日
朝の5時半に家を出て学校を通り越し
彼が起きる朝の8時の1時間前の7時にこうして
彼が目覚めるのを今か今かと待ち望んでいるのだ]
私のスマホが8時を知らせる
彼はというといつも7時半に目覚ましをセットしているのに目覚めず時計を止めて二度寝している最中だ
彼の目を覚ますのは心苦しいけど
朝一緒に登校することの方が重要だと思う
だから私は将来の嫁として彼に電話をかける
繋がらない…なら留守電話でこう言い残す
「ショウ君、今日部活で新しいモンスターを使役したいの、だから手伝ってくれない?ショウ君強いからつい頼っちゃうのごめんね、じゃそういうことだから」
これだけでいいの、決して欲張ってはいけない
ぶりっ子してもいけない、冷たすぎてもいけない
絶妙にあなたが特別ですよ感を出すのが難しい…
今度また彼のグッとくるフレーズ調べとかないと…
それはそうともう目を覚ましてもらわないと
朝一緒に登下校できない…というわけで
電話なんかじゃなくて
一昨日、スマホで遠隔操作し窓を開けれるという
CMを見てすぐに装置だけ届けてもらった
対象はもちろんショウ君の部屋の窓
どうやって設置したか?
そんなもの簡単よ彼が眠っている深夜の3時まで彼の部屋で隠れて、3時をすぎたら装置だけ設置して
寝顔を写メしてから
脱出しておしまい。ね?簡単でしょ
まぁそんな話私の話はともかく今は彼!
まず窓を開けてペットのカナリアをかばんから出し
彼の部屋に餌を投げ入れて、あとは餌を食べてから
大声で私の声色で鳴くように指示して放つだけ
「ほら頼んだわよ」「ぴい!!」
バサバサと勢いよく彼の部屋へ飛んで行った
私は急いでマンションの屋上から降り、彼が出てくるまで、あくまで偶然学校に向かってる途中のように思える電柱の影に場所を移しスタンバイし
彼の制服に仕込んでいる盗聴器とスマホの周波数を合わせ彼を見なくてもタイミングバッチリにする
これで準備オッケーよ
「ショウ君起きて、朝だよ」
私のカナリアの大声が盗聴器から聞こえる
上手くやったようだ、私の元へ戻ってきた
「ありがとうもう帰って大丈夫よ」
「ぴぃ!」
よく躾けてあるから私の家へ勝手に帰ってくれる
本当にあの子がいなかったら詰んでいたわ
「はぁー、今日1日めんどくせぇ
てか最近夢でリンさんが起こしてくれたんだよなぁ
でもやけにリアルというか何というか…ん?
なんか留守電入ってる…リンさん!?
……へぇなんか手伝って欲しいんだ
僕、少しでも強くて良かったぁ!
いちいち頼まなくても
リンさんの頼みなら断らないのに…
えっ!もう8時!?あと15分で予鈴なるじゃん
急がないと!」
彼はみんながいない時自分を僕と呼んでいるのが
実に可愛らしい、
それに私の頼みなら聞いてくれるんだ…やった!
「ガチャ、ドン!」
あっドアの音がした!
時刻8時10分よし今!
「あ、おはようショウ君」
「えっ!あぁおはようリンさん」
「寝癖!ついてるよ私のくし貸すからといたら?」
「本当に!いいの?ありがとう」
やったああ!早くも今日のノルマ達成!
家に帰ってから何のシャンプー使ってるか調べないと
「もう12分!早く行かないと学校遅れるよ!」
「マジで!走ろうか!」「うん!」
[○月※日(曇り)時刻22時
今日は朝が1番充実していた
彼を起こし、一緒に学校へ向かう、まさに正妻!
やはりゲーム内の彼より本物の彼の方がいい
いくら五感が機能してるといえど
髪の毛が抜けないのはやはり痛い
ゲーム内の彼の髪の毛もその内欲しいものだ
そういえば彼の髪の毛を検査すると
ビ○レを使っているのがわかった
私も明日から○オレに変えようと思う
自分の匂いは落ち着くらしいから
私も少しでも彼に近ずこうと思う。]
今日はもう寝ようかな
明日は雨か…よし!
傘を忘れて行こうっと、それか彼が傘を忘れるようにしようかしら?
まぁどちらにせよ明日は相合傘イベントね!
これが私とショウ君の1日
ここまで読んでいただいた方
ありがとうございます
次回からようやく第1章です
私生活の都合上どこまで
毎日投稿できるか分かりませんが
やれるとこまで頑張ります