プロローグ6:Mですか?Mなんですか!
明日はいつも通り更新しません
4階層へ降りるといきなり空気が重くなり
周りのモンスターたちはなぜか跪いていたりと
違和感の原因をここで感じ取ったっす
これまで感じたことのないほど強烈な闇のオーラを
全身で感じたからっす。
[よく来たな、馬鹿で愚鈍な冒険者よ]
その声を聞いただけで私たち3人はすぐさま
跪き、体は恐怖で震え上がったっす
そして視線をあげた先に2本の角が生えた
背丈が人間ほどのモンスターがいたっす
「これはやらかしたね」
「さすがにやばいわね」
「シャレになんないピンチっすよ!」
[流石に声を聞くだけで震え上がるか]
「質問いいかい?あんたはモンスターだろ
なぜ喋れてる、それに上級者向けダンジョンのボスのわりに瘴気が強すぎる、今までの違和感の正体はあんたが原因か?」
[左様、我は新魔王、元は人間で職業はネクロマンサーをしていたものだ、これである程度の合点はいったか?]
「嘘みたいな話だが、現に今感じてるこの凄まじい瘴気が証拠か…それは分かったが魔王がなぜ上級者向けダンジョンにいる?!」
「なに、簡単な話よ宿敵となる聖属性の職業の者を
中級、上級者のうちに刈り取ろうと思っただけだ]
「さすが元人間、知り尽くしているな」
「せこい手段ね、恥ずかしいと思わないの?」
「そうっすよ、これじゃ楽しくないっす」
[何とでも言え、我は元人間のぶんなおさら人間が憎いのだ!!]
「聞いたことがある、あまりの負の感情により人間が
魔王に堕天することがこの世界ではあると」
[よく知っていたな小僧!褒めてやるが命は助けんぞ
それに小僧、貴様刈り取るのが目的だからな]
「それより何で魔王に堕天したっすか?!」
こういう時の定石は時間稼ぎで敵の回想が
ベタっす!
[ほう、気になるのか?堕天した理由が]
ほんとは興味ないっすけど…
「えぇ、気になるっす」
「私はどうでもいいのだけれど、
やるなら早くしなさいよ、私にとってダンジョン制覇も、魔王の事情とやらも興味ないもの」
ちょ、リン先輩ぃぃぃ?!
空気読んでくださいよ!
「ゾクッ」
あれなんか今変な空気が流れてたっす
[小娘、いい度胸じゃないか
私に楯突くなど、どうだ、貴様は見逃し我の従者にしてやっても良いぞ]
「あなたみたいな、醜くて一緒にいるだけで気分が悪くなるようなやつ願い下げだわ
それに私には運命の相手がいるしね」
「ゾクゾクッ」
[オォウ、良いぃ良いぃ…………
エホン…ますます気に入ったぞ小娘
我のごしゅじ…従者にならぬか?これが最後じゃ]
あぁ〜この魔王あれだぁ、ドMだぁー
ご主人様とか言いかけてたし…
あぁ周りのモンスターもなんか焦ってるっすね
変な上司を持つとどこも苦労するんすね
ロクでもない魔王が誕生したもんっすねぇ
「何度言っても答えはNOよ、
あなたみたいなゴミカスには興味ないもの」
あぁ〜魔王さん目がうっとりしてるっす
あれは末期っすねぇ
[ふふふ、我が人間の頃の我が堕天する原因の
あのご主人……女と小娘は似ているな
気に入ったぞ、冥土の土産だ話してやる
我が堕天した理由を!]
なんか聞きたくないんすけど…
[あれはそう、1週間前の話…]
あぁ〜なんか回想しだしたっす
[我は行きつけのSMクラブでご主人様に
虐め、躾けられていた時の話]
あー聞きたくない聞きたくない、
素数を数えて落ち着くっす
[「これが良いのかい?!ここがぁ!」
スパァン!
「はいぃそこですもっと罰を愚鈍な私に罰を」
ビシィ!
と、このように我はご主人様と愛を育んでいた]
どこにも愛を感じないっす…
[至福の60分が終わり、我がまた来ると伝えた時
ご主人様は言ったのだ…
「すまないね…私はもうムチを握らないんだ…
ジョブチェンジで私は念願のモンスター調教師に
チェンジするんだよ…」
「な、なぜ?!あんなに楽しんで私を躾けていたじゃないか!」
「それは…私はあんたのことが好きで!
あんたの趣味に合わせるために…
あんたと少しでも一緒にいるために!
トリマーからご主人様にジョブチェンジを…
覚えていないのですか!!
ペットの犬が魔物の森に迷い込んだ時、
たまたま通りすがった貴方が
傷だらけになりながらボランティアで
私の犬を助けてくれたのを!
その時の貴方の表情は嬉々としていて
輝いていたんです、傷ついていたのに
その表情に私は惚れ、ドMだと気付きながらも
貴方と一緒にいるために!
ご主人様となったのです!
私をご主人様じゃなく、彼女にしてくれませんか?」
その時私は激しく絶望したのだ
まず、ご主人様がご主人様じゃなかったこと、
私は真なるドMではなかったこと!
嘘でもよかったからいじめる人がいなくなってしまったこと…
これらのことが重なり私は強く絶望し
嘘つきの人間を恨み私は堕天したのだ…]
うっわ、彼女さんかわいそー
マジで聞きたくなかっすわぁー
「はっ!そういえば彼女さんはどうしたんすか?」
[あぁそれなら、人間のまま
私の嫁として我を支えてくれている]
決意かっる!
所詮彼女持ちというステータスには
勝てないのか……
なんか魔王なのに緊張感無いっすね〜
「くだらない話はもうおしまい?」
[はいぃ、くだらない話はもう終わりです]
「そう…じゃあ戦いましょう」
リン先輩、切り替えはやー
「早くすませましょう、タケ、メグミ」
「はいっ!」「あぁ、うん(僕がいちようリーダーなんだけどなぁ…)」
「てことでいくわよ!」
[さぁ!行け!我が僕のモンスターども!]
[……キィィイ!!]
魔王もモンスターも切り替え早いっすね…
「来るわよ!」
「おーい!無事かぁ〜〜!
リン!タケ!メグミ!」
「この声、この匂い、足音、口調は!!
やっぱり逃げましょ!ショウ君が来たもの!」
えぇ〜!手のひらクルックルしてますよ先輩…
ただすぐに一緒になりたいだけのくせして…
「リン!そこにいるのか!
気を付けろここには魔王が!」
スタッ
あぁ〜〜!!
ショウ先輩5階層来ちゃった!
よし、決まった!
急いで駆けつけてよかった!
これで少しでもリンにカッコがつく!
「何してるんすか!ショウ先輩!」
「本当だよなにしてるんだい!ショウ!」
「ショウ君!来てくれたの!魔王が怖かったの!」
あれぇ?なんか約2名辛辣じゃない?
てか眼前にいるのって…
「何で魔王のエリアに来たんだい!ショウ!」
あぁぁぁぁぁぁ!!!
やらかしたぁーーー!!!
[貴様…なぜ我がここにいると知っていた]
ええぃ、もうどうでもいい!
やるならやってやる魔王!
「コカトリスを倒しお前の情報を入手したから
急いで助けに駆けつけたってわけだ!」
「先輩かっこつけてもミスは拭えませんよ」
やめてくれぇぇぇ
てか、ルミとケンは?
「ショウ!あんたバカなんじゃないの!
明らかに下の階層やばかったのに!飛び降りて!」
「俺でもわかったぞリーダー…」
マジかぁ…俺ってケン未満なのか…
「まぁいいや、手助けするぞ!」
[もういいか冒険者共、我はもう我慢ならぬ]
「えっと、大丈夫?」
「あぁ、もういいよやってやる!」
「ショウ君が大丈夫ならいつでもいいわよ!」
「仕方ないっすけどいくっすよ!」
[さぁこい!勝ったら我はご主人様を手に入れるからな!!]
はぁ?何言ってんだこいつ?
まぁいいや、やってやる!
ここまで読んでたただきありがとうございます
あと1話でプロローグは終わりです
プロローグが終わった後は閑話を1話挟み
第1章が始まります