プロローグ3:期待は大体裏切られる
ダンジョン回です
当分はゲーム内での話が続きます
僕らはまたそこに立っていた、洞窟の入り口だ
「今日は目指せ50%踏破でいこう」
「おう、まかせろ!リーダー!」
「ラジャー!ショウ!」
「手伝わなくて本当にいいの?ショウ君?」
「うん、ありがとリン、でもここは俺たちの力で踏破したいんだ!」
「本人もああ言ってるし任せようかリンさん、じゃあ行ってらっしゃいショウ!」
「頑張ってくださいね〜、先輩たち、
特にショウ先輩☆!」
「サンキューな《メグミ》任せとけ!」
「メグミちゃん、私のショウ君に色目使ったらわかってるでしょうね?」
おっと怖い怖い。
と言うかメグミここで紹介挟むか普通…まぁいいや
彼女はリンとタケと一緒にパーティーをくんでいる
メグミだ職業は弓兵を選択してる。
容姿は身長160〜165ほどと高く、ツインテールで
たわわだ…
「よし、じゃあ行こう!」
僕らは気合を入れてダンジョンへ足を踏み入れた
【ようこそ新規ダンジョン、名を『真紅のダンジョン』へ推奨レベル10、ショウ様一行は足りてませんが宜しいですか?】
「大丈夫だ、問題ない」
これフラグかな?
【了解しました、ショウ様たちの進行率は24%です、ご武運をお祈り申し上げます】
この真紅のダンジョンはその名の通り火属性のモンスターしか出ない分対策は取りやすい、
しかし一筋縄でいかないのがゲームの醍醐味、中級者向けのダンジョンではあるがモンスターたちは全て上級者向けのモンスターしか登場しないのだ、
まぁつまりは対策取れる分レベル高いやつ倒せよ?て話だ。
パラレルワールドでのダンジョンシステムは階層構造になっており下に行くほど狭くなり敵が強くなる、
さらに狭くなる分エンカウントしやすいので
背後を取りにくかったり、
戦闘を回避して下に進めないのが
このゲームの難しいところだ。
僕らはいまこのダンジョンの3階層まで踏破している
それで24%なのだから、おそらくはこのダンジョンのボスは12階層くらいにいるのだろう。
今回の僕らの目標は6階層だ
1〜2を難なく降り、3階層にたどり着いた、ここからは僕らも慎重になる、
「ルミ、即死回避(HP20%以上残っている状態で即死攻撃が来ると一度だけ耐える、1日1人につき2回のみ)を掛け直して、気配察知展開(半径15メートル以内を常に探知)して。
ケン、耐久アップ(耐久値+50)とデコイ(身代わり)のスキルを発動しろ、あと逆境(HPが減るごとに火力が上がる)も発動しとけ」
「分かったわ」
「了解だぜリーダー」
さて、僕も忍び足(気配を察知されにくい)と、スピードスター(敏捷値が×2倍)、トリックスター(器用、力、 敏捷値が×1.5、耐久が×0.5)先行奪取(バトル開始時に先行を取りやすい)を発動するか
「改めて思うけど、ショウのトリックスターってスキルなかなかのチートよね、あんた他にもバカみたいにスキル取りまくって、スキルオタクって言われてるのしってる?ショウ?」
「俺も思うぜ、リーダー」
「そうは言うけど耐久値半減はまじでやべえぞ即死回避無しだと、俺何回死んでるか分かったもんじゃねぇし羨ましがるならとればいいけど、まずは敏捷値500超えねぇととれねぇからまぁまぁ苦労するぞ」
「私は欲しいとは言ってないわよ?」
「俺もだぜ、リーダー」
ケンはまず知力と語彙力から始めようぜ…
「なぁリーダー、あれ階段じゃね?」
4階層へ続く階段だ、だかその前にファイヤーリーザードマンがいる
「あいつを倒せってか、どうやら中ボスっぽいな」
「そうみたいね」「だな」
「準備はいいか?」
「ばっちしよ」「任せてくれよ」
「じゃあ、俺の切り込み隊長(初撃ダメージ×2)と毒牙(60秒間敵のHPの1秒毎1%を削り続ける)でいくぞ」
目配せし2人が頷くのを確認し僕は飛び出した
ビュッ
風を切る音を鳴らしながら
僕は背丈が170〜180と僕と同じくらいのリーザードマンの背中に飛びついた
「オラァ」
目玉をめがけ背後から鋭い短刀に毒牙を発動させながら突き刺し、すぐに背中から離れる
「キィエエエエ」
どうやらだいぶ効いたようだ
「怯んでる畳かけろ!」
「ウォーターシャワー!」
ルミが水属性の魔法でリザードマンの頭上に激しい雨のように小粒の水を叩きつける
「重戦車!」
ケンがものすごいスピードで体当たりをし、リザードマンの腹部には長剣がグッサリと刺さっている。
「押さえつけてる今のうちに頼んだぞショウ!」
「スパイダーカット!」
関節にある筋線維だけを切断する技だ
つまりこれを食らうと実質行動不可能になる
手足をぶらんとさせ腹からは大量出血、片目は失明、全身を覆っていた炎は消えつつある。
我ながら酷い倒し方だと思うが構ってられない。
なんとなく分かったと思うが僕らのパーティーは短期決戦特化型だ一瞬で仕留める、無理な場合は保険の僕の毒牙が終わるまで待ちある程度削ると再び勝負に出るこれが僕らの戦闘スタイルだ。
ルミはヒーラーとデバフ、
僕は後衛から地味に削る
ケンはガンガン体を張ってもらう
ファイヤーリーザードマンの目は光をなくしているどうやら終わったようだ。
「剥ぎ取るぞ〜、2人とも」
「うん、そうね」「あぁ了解だ」
このゲーム内での武器や装備は敵から剥ぎ取った素材でできている。
「あっこれレア素材じゃん、こっちも、もしかするとこれでレアの火属性の双剣を作れるかも」
とワクワクしていると
「おお〜キター、ファイヤーリザードマンの目玉一個残ってた!これで火属性の魔法が使える!」
「この鱗頑丈そうだから防具の補強に使うか」
と、こんな風に剥ぎ取りの瞬間と、ダンジョン踏破の瞬間がこのゲームでは変えがたいワクワクなのだ。
「4階層に進む前に状態異常はあるか?俺は飛びついたときに火傷をしているから直して欲しいんだけど、
ルミMP大丈夫か?」
「大丈夫、まだ10%くらいしか使ってないし、MP回復もまだまだあるわ」
「じゃあ俺の火傷も頼んだぜ」
「ん」「俺とケンの治療が終わりしだいいくぞ」
「分かったわ」「おう、任せてくれよ」
場面変わって
リンの一行は
「ショウ君が怪我した気がする!」
「リン流石にダンジョン潜ってるんだから普通に考えて怪我はするでしょ?」
「リン先輩は何がそんなにショウ先輩が心配なんですか?私たちの部ではレベルはともかく、スキルは最強クラスのを揃えてますよショウ先輩、ぶっちゃけ部でナンバー2じゃないですか」
「そうだよ、部長の僕より強いしねショウは、何が心配なんだい?」
「ルミが私のショウ君にボディタッチしていることが嫌なのよルミは怪我を治すのを名目にベタベタしやがってあの雌豚、いつかしばく!」
「部最強の君にしばかれるルミがかわいそうだよ」
「先輩ヤンデレだ…」
(ショウ先輩横取りするのやめたほうがよさそうだなこれは)
「あら、あなたの見え透いた浅い考えなんてとうの昔、遡ること入部して1ヶ月から知ってたわよ小娘?
その考えは正解よ、私は全てをショウ君に捧げてもいいと思ってるぶん狙っている泥棒猫どもは皆殺しよ?取るなら現実で殺される覚悟をしてね?」
「は、はいぃ、でもその時ってまだ先輩達付き合って中だはずじゃ?」
「私とショウ君の中を探ってんじゃないわよ小娘、愛さえあれば関係ないのよ」
「実はリンは入部当初にとある事件から惚れてずっとストーカーしてたんだショウは知らないけどね」
「言わないでよタケ、殺すわよ?」
「スイマセン」
そっとして置いたほうがいいっすねコレ
「話は置いといて、今どこに向かってるっすか?」
「あぁ説明はまだだったね、僕らは今、新規で上級者向けの『深淵のダンジョン』に向かってるんだ
闇属性や、魔族、アンデットのモンスターたちがメインで聖職者がいないと攻略が難しいらしいよ」
「なんで高難易度の上級者向けを私たちはまだ中級者すっよ?」
「うん、ただね、職業で僕がやりたい、新規の上級職のホーリープリーストになるのにはクリア必須のダンジョなんだ、さらに今経験値2倍イベントやってるらしくてちょうどいいと思ってね、だから我儘だけど付き合ってくれないかな?」
「わかりましたっす」
「はいはい、お礼はショウ君のショタのときの話を聞かせてね?」
「分かった、ありがとう感謝するよ」
このときの僕たちはその後僕より、リンがとんでもないことになるなんて思いもしてなかったんだ…。
「案外楽勝ね4階層」
「そうだな」
「確かに、特に苦戦することなくすぐに階段を見つけたし5階層は休まなく行くか」
2人が頷いたので僕を先頭に僕らは階段を降りた。
しかしそこにはレッドラビットたちが十五匹ほど僕らを囲むように待ち構えていた。
「2人は今すぐ引き返せ!」
「えっ?なんで楽勝じゃないの?」「そうだぞ」
「そうでもなかったぽい、とりあえず先に引き返せ!
ここは俺1人で相手にする!」
「分かったわ、死なないでよショウ」
「任せたぜ、リーダー!」
「おう任された!」
無謀だと思っているか?残念ながら考えがある、
僕の職業の盗賊は、敏捷値の高さや、器用さだけじゃなく卑怯な手が特徴でもある、
僕が持っているスキルの中でも特にすごいのは《毒霧》だ、
敵味方関係なく半径5メートルほどの物体は全て強毒を浴び、雑魚モンスターであれば5秒あれば生き絶える、
無論ボス戦では使用不可だ、強力すぎるゆえに、使用者も毒の副作用で30分は動けなくなるつまりはハイリスクハイリターンということだ、
まぁ今は迷う余裕なんてないから迷わず使う
「あとは頼むぞ!毒霧!」
あたり一面を紫色の空気が覆う15秒間は漂わせよう、
5秒経過…体の自由がきかなくなってきた
10秒経過…モンスターたちは生き絶えたようだ、念には念を!
15秒経過…限界だ、仲間を呼ぼう
「ルミ、ケンもういいぞ、てか助けてくれ」
「大丈夫ショウ?」「大丈夫か?リーダー?」
「なんかあたりが紫っぽいけど何したのショウ?」
「ちょっと休ませてくれ…」
あぁそういや僕説明するの忘れてたなぁ………
「はぁー、意識飛んでる、2人で下、目指すわよ、ショウはあんたが抱えて」
「大丈夫か?とりあえずリーダーは任せてくれ」
「さてと、ありがたいことに5階層の敵は全滅っぽいわね」
「そうみたいだな」
「少し休んでから6階層行きましょうか」
「おっ、そうだな」
何か硬い地面の上で俺は寝転んでいるようだ、頭がいたい、まぁいい、贅沢言ってないで、目を覚ますか
「うーん、俺の短剣どこだ?」
目がぼやけて周りが見えない、とりあえずルミ?の方にめがけて手を伸ばす、すると何かルミの膨らんだところに手を重ねたようだ
もしやこれはラッキースケベでは?と内心殴られるんだろうなーと思いながらラッキーと思っていると目が覚めてきた
ていうかルミは絶壁だ膨らみなんてあるのか?まさか?この触り慣れたもっこり間、いやまさか、そんな!
いやいや目を覚ますと僕の手の先にはケンのマリモッコリがあった。
「やっぱりお前、こっち系か?」
「アッー♂」
僕は再び気を失った