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ゲーム補正を求めて奮闘しよう!  作者: わんわんこ
【高校1年生編・前半】
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生徒会合宿最後の夜にご奉仕ミニカップケーキどきどき大会をしよう:天国地獄篇

「…愛ちゃん先生、それは一体どういうものですか?」

「上林くん、落ち着きなさいな。これから説明するから。実はね、2日目の夜に日ごろ頑張る男性方のために女性みんなでミニカップケーキを作ったのよ。それを、これから男性のみなさんに食べていただくわん。でも、ただ作って食べてもらうのじゃあつまらないでしょう?だから、ゲーム方式にすることにしたの。ルールは簡単。これからくじを引いてもらって、それで当たったミニカップケーキを食べてもらうだけよん?チーム分けは、ワタシ・小西さん、相田さん・増井さん、馬場さん。よ?つまり、3個食べてもらうことになるわん。」

「先生…美玲のも、あるんですか?」

恐る恐る聞いたのは、東堂先輩。

「夏樹、それはどういう意味だ?」

「もちろんよん!女性からだからねん。その代わりに、ワタシとペアを組んでいるんでしょう?ワタシの料理は絶品よ?」

愛ちゃん先生も女性陣に入るんですね!!

「確かに…伊勢屋先生の料理は絶品ですね…。タメをはれるのは、昨日の昼の新田くんのカレーか、料亭とかになるでしょうね。」

「気になる料理の腕は、私の評価ではこうよ!」

バン!と紙を示すのを、男性陣が覗き込む。


ワタシ♡

相田雪

馬場泉子

増井米子

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

小西美玲


「先生っ!私とこめちゃんの間にある線はなんですかっ!?」

あれだ。越えられない壁というやつだろう。おそらく、食べ物|生ごみ・毒物の境目だ。

ちなみに私たちはお互いに試食しているので、それぞれの味を知っている。

「新田、相田は、料理うまいのか?普通なら心配しないんだが、あのダンスを見た後だと…。」

失礼だから!上林くん!

「ダンス?」

「ああ、いいんです、先輩。気にしないでください。…ゆきは料理かなりうまいよ?俺の知っている限り、あることと、ダンス(と歌全般音楽)以外ならゆきは大体完璧にこなせるから。」

「あること?」

「秋斗!」

「こめちゃんは?上手?」

俊くんの質問には男性陣の誰も答えられない。情報がないのだろう。

「馬場先輩はどうなんですか?」

「…食えなくはない。うまいとも言えないが。」

「こめちゃん、それより下なんだね…。」

最もな分析だよ、秋斗。

「つまり、こういうことだな。」


ワタシ♡

相田雪

―――――――

馬場泉子

増井米子

―――――――――――――――――――――――――――――――――

小西美玲


新たな線が東堂先輩によって付け加えられた。これは、おそらく、美味しい|美味しくないの壁だろう。

「さぁ、はじめるわよん!」



まずは愛ちゃん先生と美玲先輩のチームだ。

「これは…天国か地獄か、というやつですね…。」

会長が真剣なまなざしだ。全員が同じ瞳。そりゃあそうだ、命がかかっているから。

男性陣が順々に箱の中に入ったボールを取り出す。白なら愛ちゃん先生、黒なら美玲先輩だ。

「色の使い分け方に悪意を感じるんだが、気のせいだろうか?」

美玲先輩がぼやいている。

引いた結果、黒は秋斗、上林くん、桜井先輩。白は四季先生、東堂先輩、会長、俊くんになった。

愛ちゃん先生のは、抹茶と大納言のカップケーキ。愛ちゃん先生のを食べた俊くんが、「美味しい!」と素直に口に出してしまったせいで黒組から恨み深い目を向けられる。

美玲先輩のは、何を入れたらこういう色になるんだろう?という全体的にカーキと緑っぽい感じでとところどころ赤の色素が浮かんでいるナニかだ。見ようによっては、ぎりぎり枯れかけたまりもに、見えなくもない。

「新田、上林。一口でいい。無理をするな。絶対に飲み込むな。予め言っておくが、トイレはあっちだ。」

「なら、先輩代わってもらえませんか?」

「俺も命が惜しい。」

「夏樹、さっきからどういう意味だ!?」

さすがにいつもチャラチャラしている桜井先輩も表情が真面目だ。手に汗をかいているのが分かる。

「…二人とも、いっせいのーせーで、行こうか。」

「「はい。」」

「「「いっせーのーせ!」」」

三人が、ぱくり、と口に一口含む。

その瞬間。

秋斗と上林くんがばっと立ち上がって、口を押えたままさっき東堂先輩が指さした方向に走っていく。顔に冷や汗が浮かんでいたが、大丈夫だろうか。

そして桜井先輩は

「ああ…美玲の愛の一撃だね…ボクのライフゲージは君の物…。」

謎のつぶやきを残して気絶した。

二人は帰ってくると、顔面蒼白のまま水をがぶ飲みしていた。

「あれは、あれは恐ろしい…。」

「なんで?食べ物でどうやったらあんなものができるの?」

気つけ薬で(なぜか愛ちゃん先生が用意していた)桜井先輩が目覚めてから呟く。

「あれ…ボクは今一体何を…?」

人間は、本当に身に恐怖が迫って心理的ダメージを受けた時記憶を失うという。

「本当に、兵器ですね。」

会長が静かに言った。

美玲先輩が「なぜだー!?美味しくしようと思ったのに!」と暴れまわろうとするのを泉子先輩が「はいはい、美玲、どうどうーなのです」といさめていた。



あと1話で生徒会合宿編はおしまいです。気づけば50話超えていました。閲読ありがとうございます。

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