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ゲーム補正を求めて奮闘しよう!  作者: わんわんこ
【高校1年生編・前半】
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生徒会合宿では一年生で話し合おう

夜。ご飯を食べて先輩方とトランプをした後、明日本格的にお仕事をやってみることになっているので早々に寝ようということになった。

しかしここでひと騒動。

当然男子部屋に行くことになっている、一年生男子が固まっていた。

「カモン!綺麗な男の子たち!枕が変わって寝られないのならボクが代わりに抱き枕になってあげよう!」

「「「け、結構です。足りてます。」」」

「そーかい?冬馬くん、君は繊細みたいだからボクの助けが必要なんじゃないのかい?」

「要りません。こう見えて図太いんで。」

「俊くん、怖いお兄さんと一緒だと寝られないだろう?」

「僕は今、先輩の方が怖いです。」

「秋斗くん、君は…」

「桜井、新田にそれ以上やるとお前一生仕事一緒にしてもらえなくなるぞ?」

「秋斗くんは恥ずかしがり屋さんだからな、言えないんじゃないかとボクなりに心配しているんだよ。」

「ゆき!助けて!」

涙目の秋斗。

「頑張れ、秋斗。生きるんだ。」

出来れば、そっちの方向には目覚めないでね。


女子部屋の方では美玲先輩と泉子先輩と私とこめちゃんでのガールズトーク!とはならない。

なぜか。それは簡単だ。お二人が男性よりも綺麗なものに夢中だからだ。

特に会長の目が離れたことで遠慮がなくなった美玲先輩がこめちゃんをお膝に乗せて放さない。

「み、美玲先輩〜放してください〜。」

「断る。こんなに可愛いお人形を放せるものか!」

その間に泉子先輩に気になったことを聞いてみる。

「泉子先輩、先輩は美玲先輩にああいう風にされなかったんですか?」

「美玲と私はタイプが同じなのですよ。だから最初会った時からお互いビビッと来て、抱きつくことはなかったのです。」

泉子先輩も宇宙交信系か。さすが愛ちゃん先生が担当する会だけある。

「私は実はゆきぴょんにもこめぴょんにもしゅんぴょんにも着てほしい格好があるのです。けど私はたけるきゅんとは違うのです。だからもっと仲良くなるまで待つのです。」

今、何気に俊くんが入っていたぞ?!

あと先輩、多分桜井先輩の要求は、仲良さ関係なく決して受け入れられないと思います。



次の日。

先輩方は買い出しという名目で街に出ることになり、私たちだけが残された。1日の間にそれぞれが課されたことをやることになっている。

「なんか、想像以上に強烈な先輩方だね。」

「いい人たちなんだけどな。個性が強すぎるんだ。」

「私、未羽でキャラ濃いの慣れてると思ったけど、同レベルがこれだけいるとは思ってなかった。」

「確かに〜未羽ちゃんはキャラ濃いもんね〜。」

「みんないいじゃないか。俺なんか、直上が桜井先輩あの人なんだぞ?!常に危険にさらされてるんだぞ?」

何の危険かは推して測るべし。

みんなが御愁傷様、という顔を向ける中、秋斗はえぐえぐ泣きそうになりながら書類を見合わせ、電卓を叩いている。

「仕事の方はどうなの?桜井先輩。いい加減なの?」

「そんなことはないよ。むしろ逆。むしろあんなにチャラチャラに見えるのに仕事はかなりきっちりこなしてる。」

私の質問に不満たっぷりに答える秋斗。

「部活全部の予算申請報告対応、チェック、それから会計監査。金関係は全部会計の仕事なのに、あの人は決して海月会長に仕事を投げたりしないらしい。期限を破ったこともミスもなくて、それどころか不正を看破した回数もかなりあって、これまで無駄に使っていた部費を引き締めたりしてる。かなり優秀だよ、あの人。」

会長に渡された分厚いノートをめくりながら上林くんも言う。

「負けてられないね〜秋斗くん。」

「こめちゃんは泉子先輩とどう?」

「楽しいよ〜先輩優しいし!字がとっても綺麗なの〜!たまにイラストが入っていて面白いし〜。」

イラスト?

「海月…いや俊と相田は?広報どう?」

「先輩たちはすごくいい人だよ。」

「雪さんと冬馬くんは普段からクラス委員の仕事で慣れてるだろうけど、僕はあんまりパソコン得意じゃないんだ。それでも東堂先輩、すぐに分かるように教えてくれたし。」

「ただね、今、私たちを紹介するポスターを作らなきゃいけないんだけど、なかなかいい案が出なくてね。困ってる。」

「紹介ポスター?」

「そんな奇抜なものを狙っているの?」

「いや…違うけど。なんか、悔しいじゃない?そのままとか。」

あとそのまま載せるとおそらくだけど、くり抜かれるのだ。上林くんと秋斗のとこだけ。

「じゃあさ〜、それぞれが一言だけ書くのは〜?」

「え?」

「名前とかクラスとかの他に、自己紹介みたいなの載せるんでしょ〜?普通は。それをあえて一言だけにするの。生徒会のこと知りたいって思ってもらえるでしょ〜?」

それは…確かに。

「そうなったら写真もあえて顔を見せないのにしようよ。あとで適当に写真撮るから。」

「それ面白いね!」

「…なぁ、紹介の本分を忘れてないか?」

上林くんの全うなツッコミを、私たちは完全にスルーした。



こうして、私たちはそれぞれのノルマを達成した。

そのまま夜ご飯を全員で取り、さっさと寝ようとしたとき、愛ちゃん先生に呼び止められた。

「相田さん、増井さん、ちょっと。男の子たちはいいわ。」

呼び止められたのは私とこめちゃん。

「先生、どうしたんですか~?」

こめちゃんがぴょこぴょこと先生の後に続く。

先生が案内したのは、キッチン。そこには先に美玲先輩と泉子先輩がいた。

これは、一体どういうこと?

私の内心の疑問を見透かしたのか、先生はウインクした。

「これから、ちょっとお料理ターイムよん。男性陣には内緒ね♡」



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