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ゲーム補正を求めて奮闘しよう!  作者: わんわんこ
【高校1年生編・前半】
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茶道部合宿で久しぶりに再会しよう

風呂から出ると、男子三人組も上がったところだった。

私たちを見て、遊くんが腰に手をあてて飲んでいたコーヒー牛乳を噴き出す。

すごく似合っていたのにどうしたのかな?

俊くんが真っ赤な顔で俯いている。

唯一呆れた顔の秋斗が代表して口を開く。

「お前ら、騒ぎすぎだよ。」

「聞こえてたの?」

「露天風呂なんだから上のとこ開いてるに決まってるだろ!」

男性陣には刺激が強すぎたようだ。

「犯人は未羽です。被害者は明美と京子で私とこめちゃんは関係ありません。」

犯人の方を振り返ると当の本人は

「浴衣の湯上り新田くんきた…。」

と鼻血を噴いていた。

この女!!

確かに、湯上りで少し濡れた髪が張り付いた薄い浴衣姿の秋斗は壮絶に色っぽい。小さい頃から見慣れてるはずの私ですらたじろぐくらいだ。鼻血を噴いたのは未羽だけだけど、他にちらちらと秋斗を見ている女中さんたちも顔が赤い。

「秋斗くんは平気そうだよねー?」

「俺は、まぁ。」

「それは心に決めた方がおられるからですわね、ふふふふ。」

明美・京子コンビがにやにやと秋斗を見ると、ここで秋斗がちょっと赤くなった。

そこで照れるのはおかしいぞ秋斗。それと秋斗の色気に勝てるという意味では茶道部の女子面々は耐性が強いんじゃないだろうか。未羽を除くが。


「さぁさぁみんな上がったわね?次はご飯よ、おいでなさーい。」

先生が先に座敷に向かって姿を消した時だった。

「あ、き、と、くぅーーーん!」

がばっと、いきなり秋斗に抱きついてきた女の子。ふんわりとシャンプーの甘い匂いが広がる。

ここで来たの?!夢城愛佳!

最近めっきり会うことがなくて油断していたけど、ここは乙女ゲーム世界のルールに従った世界。主人公が湧くように出てきても不思議じゃない。

「えっと、夢城さん?なんでここに?」

秋斗がさりげなく抱きつかれた状態を解除して訊く。

「サッカー部の合宿もS県なんだよ!それでちょうど来てたの!」

にっこにこで秋斗にべたべたと触る夢城さん。

「ちょっと、新田くんにべたべたしすぎ。離れなよ、新田くん困ってるじゃん。」

いつの間にか復活した未羽がべりっと夢城さんを秋斗から引き剥がす。

さっきまで鼻血噴いて倒れてたのに。家でGが出てきた時に本能的に起きてしまう、あれだな。

夢城さんがメデューサバージョンで睨みつけるのに未羽が応戦する。

犬と猿のにらみ合いみたい。本当に犬と猿って仲悪いのか、知らないけど。


「相田雪じゃないか!」

「東堂先輩。」

声をかけてきたのは、ここ最近ご無沙汰だった東堂先輩。サッカー部の合宿だったらいてもおかしくないですね。

久しぶりに会った東堂先輩は相変わらず長身のスポーツマンイケメンだ。

「お久しぶりです。体育祭の時の怪我はどうですか?一度お見舞いに行った時はお会いできなくて。」

正確にはそこに顕現しているメデューサ夢城さんに突っ返されたのだけど。

「おー来てくれてたのか、ありがとな。もう全然問題ない。結局骨とかに影響なかったからな。春彦や四季先生が過剰に心配しやがるから大事になっただけで。」

「それだけ先輩の事が大事ってことでしょう。」

私の言葉に「それはそうだな、ありがたい」と素直に言う先輩。それから気づいたように続ける。

「しばらく会わなかったが、あれだな、お前和服似合うな。」

今の私は湯上りで浴衣に長い髪をアップにしている。

そういうことをさらっと言うとは!攻略対象者様方は口に対女子用機関銃(いちげきひっさつ)を常備しているに違いない。

「先輩!」

やってきた秋斗が私を先輩から離す。

「なんなんですか、後輩口説かないでください。」

「俺素直な方だからな、思ったことが出ちまうんだ、悪い。」

そういうことを言うから今私は石にされそうです!By夢城さん

戦ってた未羽は何やってんだー?

あ、東堂先輩の笑顔と秋斗のいじけ顏ツーショットに夢中で目の前の敵を忘れてる!

なんて役にたたないんだ!



茶道部合宿編はまだそれなりに続きます。秋斗ファンの方々にはお楽しみいただけるかと。上林ファンの方のために、「俺の隣の席の彼女」という小話(3500字ほど)を2月3日の活動報告に書いてみました。よろしければどうぞ!感想なんかで、○○が好きですーとか言われると多分気が向いたときに(いつかはお約束できませんが!)その人の小話を書き始めちゃうので、もしご要望あればくださいませ(*'▽')ではでは、お読みいただきありがとうございました!

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