期末試験の結果を振り返ろう
感想もブックマークもありがとうございます。それだけで頑張れる!
「夏休みだー!!」
期末試験も終わり、結果が出た今日から事実上生徒たちの夏休みは始まる。
「雪ちゃんは相変わらず1位だったねぇ。」
「本当に相田はすごいな、俺が2回も負けるとか初めてだ。」
「そりゃ、どーも。」
言ってるこめちゃんは16位。上林くんは2位だ。
「秋斗くんは8位だね。」
のんびり言ったのは俊くん。彼は29位だ。なんだかんだ出来る。
「負けた!くそっ!」
上林くんをライバル認定している秋斗は中間の30位から8位に急上昇。こいつはやればできるタイプ。
「でも秋斗、すごい頑張ったじゃない。期末で22位も上げるなんてすごいよ!」
「ゆき!俺、ゆきが褒めてくれるならぜってー頑張れる。」
「餌目当てにやるとか、新田は犬みたいだな。」
「うるせーよ!上林!見てろよ!」
上林くんは最近このメンツだと結構ブラック。特に秋斗に対しては露骨にからかって遊んでいる。秋斗と上林くんはなんだかんだ一番仲良くなったんじゃないかな。
「で、何位だった?」
「未羽?未羽はね、486位。」
「違うわ!あれよ、夢城愛佳!」
「あー。…345位だね。」
「ふぅむ。逆ハー路線は変えてないのかな。でも多分主人公補正はここじゃ効かないだろうし。ということは実力か。」
「でも夢城さんって、古典の個別授業受けてるんでしょ?四季先生に。」
「あれ、効果ないしなー、ゲーム仕様で。あれで効果上がって特別授業なくなったら先生とのイベントなかなか出なくなっちゃうからね。」
…先生としては教師の本分遂げられないってことか。可哀想に。
「ま、そのおかげで夏の強化合宿があるんだけどね。」
「夏の強化合宿?」
「そ。成績が悪かった人向けで任意のやつが。」
「…夢城さんより未羽の方がやばいよね?」
「私も出るよー先生のスチルとかあるし、それに…ふふふ。」
「何よ?」
「内緒〜♡」
この女が笑っていて碌なことがあった試しがない。悪寒でぶるっと震えた。
「そういえば、生徒会の方はどうなの?決まったの、役。」
「上林くんが庶務と会長補佐。私が広報と副会長補佐。秋斗が会計。こめちゃんが書記。俊くんが広報。まぁ先輩方と一緒にやるし。」
「へぇ、副会長!」
「逃げられなかったのよ捕まったのよあの会長に!投票ではこめちゃんが上だったからこめちゃんに任せようとしたんだけど、性格とか役割をしっかり考えましょうねって微笑まれたんだよ!」
「それは…乙。」
会長怖い。あの人は既に攻略対象者というよりも鬼畜な上司になる気しかしない。
「こめちゃんの方はどう?夢城愛佳は絡んでる?」
「先生の方に苦情言いに来たのは見たよ。なんで私が生徒会じゃないんですか、こんなのおかしいですって。私が主役なのにーって騒いでた。」
「うわ、痛い。」
「なんか多分現実との区別ができなくなってきてる感じがする。」
「ゲームではこめちゃんなんてモブもモブ。出てきてすらいなかったからね。錯乱してきてるのかも。」
「うん、こめちゃんをものすごい目で睨みつけてたよ。うまい具合に先輩に見えない位置からね。今後とも注意は払うわ。」
「それで、生徒会の活動はいつから?」
「夏休みからだって。期末前に選挙あったからね。夏休みに先輩と一緒に仕事してみたりして慣れておくらしい。夏期講習と被らなければいいんだけど。」
「夏期講習?」
「予備校の。」
「この世界、予備校ってものがないよ。」
な ん だ と?
「学園生活を中心にさせるためだろうね。」
そ、それじゃあ今後どうすれば!
「ここのカリキュラムはかなり早いからなー。」
「上林くん!いつから会話に!」
聞かれていたか?!
「今。夏期講習っていうからさ、中学の時のことを思い出してるのかと。」
中学の時は塾というのがありました。なぜ高校ではないんですか?!
「中学の時みたいにあればいいのにって話じゃないの?」
「う、うん!そう!」
危ないー。ばれるとこだったよ。
今度本屋に寄って問題集を漁ってこよう。
「勉強の話はそこまで!茶道部のことなんだけど、愛ちゃん先生がワタシの実家に行くわよ!って言ってたよ。」
「え?」
「部活といえば、合宿でしょ?」
「茶道部なのに?」
「茶道部でも、よ!」
1学期の活動はわりかし普通だったんだけどな。週に1回、多くて2回で手順を覚えていくっていう。意外とがっつりやる感じですかね?
「いつからなの、未羽ちゃん。」
秋斗の疑問に未羽がにこっと笑って答えた。
「あさって。」
「あさって?早いねー。」
こめちゃん、もっと驚いていいと思う。
「未羽さん、決まったのいつ?」
俊くん、よくぞ聞いた。
「いつだったっけなぁ。」
「まさか…忘れてたとかじゃないわよね?」
「てへ」
「未羽っ!」
と、いうわけで、次回から茶道部合宿編スタートです!上林くんはお休み…すみませんっ