レストア銃器
【レストア銃器】
◎バトルライフル
30口径のオートライフル。作中では、ナオミや城砦都市の兵士が使用している。
ナオミとセント・ジョージ軍が使用しているのはM-14をレストアしたものだが、他の都市ではAK-47を元にしたものもある。
竜歴世界でバトルライフルが主流となっている理由は、次のふたつ。
ひとつは、21世紀主流となっていた小口径高速弾のアサルトライフルでは、ラプトルのような小型の種であってもパワー不足であること。
「1マガジンすべて撃ち込んで、やっと倒せるかどうか…という有様」(西暦世代の兵士の証言)
もうひとつは、アサルトライフルの生産には、電子制御された高度な工作機械が必要なため。
竜歴三〇年代現在、設計図はあっても、工作精度、冶金技術が20世紀前半まで退行しているため、作ることができるのはせいぜい1960年代の銃器まで。それも町工場レベルで作ることができるものに限られている。
◎ショットガン
ナオミが接近戦時、拳銃代わりに使っている短銃身の散弾銃。
水平二連の『マッドマックス』や『バイオハザード』でよくみるタイプである。
弾数より威力重視で、
「(接近されて)二発撃って、どうにかならなきゃ、どうにもならない」
という、ナオミの性格が表れている。
ちなみにホルスターではなく、腰のベルト(背中側)に直接挟んで携帯している。
◎グリースガン
ハルが使う短機関銃。M3A1をレストアしたもの。
バトルライフルと同じ理由で、短機関銃も38口径より45口径が主流となっている。
ちなみにハルがバトルライフルではなく短機関銃を使うのは、
「副武装の拳銃と同じ弾薬を使っているから」
だと言っているが、
「手が小さいから、反動の大きいバトルライフルは扱いづらい」
というのが本音らしい。
◎四五オート
ハルや城砦都市の兵士たちが、接近戦用の副武装として携帯する拳銃。
M1911A1所謂「コルト・ガバメント」系の拳銃。
ハルが使っているのは銃身が三・五インチのモデルで、照準は固定式。
ハルは、グリースガンと弾薬が共通だという理由で使用しているが、今のところ、弾薬が共通していたおかけで助かった、ということはないようだ。
◎三八オート
バロンが所持していた三八口径のオート拳銃。
モーゼルHScスーパー(米国向けモデル)が元と思われるが詳細は不明。
バロンにとっての敵は、戦場の敵兵士ではなく、自国内の暗殺者や反抗する部下の方が多いため、四五オートより携帯しやすく扱いやすい、三八口径を所持している。
◎M1機関銃
三〇口径の軽機関銃。二〇世紀前期のM1919をレストアしたもので、名前が長いのでM1と呼ばれている。
パップの機首に搭載されている他、城砦都市の軍隊では分隊支援火器として使用している。
◎M2機関銃
五〇口径の機関銃。ブローニングM2のレストアモデル。
主に装甲車や装甲トラック、戦闘機などの搭載兵器として使用されている。
このクラスの火器ならラプトルも一撃で倒せる。
◎パンツァーファウスト
使い捨てのロケットランチャー。ナチス・ドイツが開発した同名の兵器と同じもの。
二〇〇ミリの鉄板を撃ち抜く威力があり、装甲車やハウザーなど中型の竜相手に使用される。
◎フリーガーファウスト
対空簡易ロケットランチャー。やはりナチス・ドイツが開発したものが原型。
中央に一門、その周囲に八門の発射筒が束ねられており、射撃はまず最初四門のロケット弾が発射され、〇・二秒遅れて残りの五門が発射される。
対飛竜用の兵器で、肩に担いで使用する他、車載兵器にしている例もある。
有効射程は500メートル。
しかし飛竜相手には威嚇程度にしかならないというのが現実。
◎Mk33 三インチ砲
拝竜教団の秘匿兵器。対空機関砲システム。二次大戦後期、米海軍が艦載防空砲として開発したものが原型。砲弾内に極小レーダーを有する信管・近接(VT)信管の発射が可能。
弾の給弾は人力であるため、運用には7~11人が必要。
作中では大型トレーラーに搭載したものが登場。発射時はその反動に備えてアウトリガー(車両安定用のブーム)を展開する。
エースの駆る戦闘機を撃破することを目的にしたもので、エース・カーティスはこれによって撃墜された。
後にこの対空砲トレーラーはセント・ジョージのものとなり、同市で運用されることになる。
※作者注
拝竜教団がエースを倒す切り札として用意した兵器。ということで、「カミカゼを阻んだ」とその名も高い近接信管を発射する機関砲を選びました。
実は対空砲としての近接信管の威力は誇張されたものっぽいようですね。
なのでカーティスを撃墜できたのは偶然だったのでしょう。(苦笑)
ちなみにラストでナオミ、ミハイル、メモリィの三人だけで運用できたのは、砲弾がすでにセットされた状態だったからです。
その数発を撃ち切ったところでフリーガーファウストで攻撃した、ということです。苦しいかな?(笑)