レストア戦闘機1
作中、登場するレストア兵器についてあれこれ。
新作発表に伴い、随時更新予定です。
※友人絵師さんに描いてもらった、メインキャラ集合の図。
左から、メモリィ(ヒロインB)、ハル(主人公)、ミハイル(主人公の友人)、ナオミ(ヒロインA)。
奥にゼロも見えます。
ちなみにこれはラフ画。
色を塗ってあるのは「みてみん」にありますので、よかったらそちらも見て下さい。
【レストア戦闘機・概要】
大戦機を「飛行保存」するCAF( Commemorative Air Force/記念空軍)という団体が残した機体を元に再生、再武装したものがほとんど。
※作者注
ちなみにこのCAFは実在の団体です。
飛んでこそ飛行機! という考えらしく、足りない部品は他の機体のものを流用したり、新しく作ったりとオリジナルにはあまりこだわっていない様子。
さすがアメリカ……。
◎ゼロ
零式艦上戦闘機五二型をテールハットでレストアした機体。
エンジンがP&HのR-1830ツインワスプであるなど、オリジナルでない部品も多い。
武装は当初、五〇口径機銃×5(機首に1、主翼に2×2)だったが、火力不足のため主翼の2門を二〇ミリ機関砲に換装している。
オリジナルに比べ、エンジン馬力が二割近くアップしているが、機体強度はむしろ低下しているため、更にリスキーな機体となっている。
他にも隠れた弱点があるらしいが……。
「災厄の飛竜」ブラックスロートを倒したことで、一躍有名になる。
現在、主なパイロットはハル・ランドー。
※作者注
なんでゼロ戦なのか?
最初に浮かんだのが、「ゼロ戦と真っ赤なドラゴンだった」からです。
あと一般の人には、隼とか紫電改とかも全部ゼロ戦に見えると思うんですよね。
なにより、なんだかんだ言ってゼロ戦以上の「スター」はいないと思うので。
たとえば「三式戦で竜に挑む」と言ったら、「三式戦とは?」という説明が必要ですが、ゼロ戦ではそれが必要ないのですから。
◎ヘルキャット
グラマンF6F-5ヘルキャットのレストア。
ミッドクリークのキマイラ支部でレストアされたものを、バロンがルインまで取り寄せた。武装は50口径機関銃×4、二〇ミリ機関砲×2。
頑丈でクセのない飛行特性と、初心者でも扱い易い機体。
ゼロに倍する重量だが、運動性はほぼ互角で、ゼロが一方向の旋回性能に優れるのに対して、ヘルキャットは左右の切り返しが得意という個性がある。
初陣ではハル・ランドーが搭乗。後にナオミ・オハラが主パイロットになる。
※作者注
昔は好きではなかったのですが、最近はこういう無骨な機体が好きです。
質実剛健の塊のようでいて、翼をたたんだ姿は気をつけ! してるみたいでちょっとかわいく思えたり。
ヘルキャット=あばずれ、性悪女という名称に反して、実は飛行特性が素直とかいうのも好きです。素直なツンデレ?(笑)
ゼロの相方という意味でも、最初からナオミはヘルキャットだと決めてました。
翼の展開はコクピットからの操作でできるのか? ということがずっと疑問でした。文献によって、できる/できないと両方あったので。
結局、できることにしたのは、YouTubeで翼を展開する動画を見つけたからです。
気になった方は、「F6F Hellcat ''deployment of the wings''」を探してみて下さい。
◎パップ
木製、帆布張りの複葉戦闘機ソッピース・パップを復元した機体。
セント・ジョージのレストア工房で、対飛竜用の全金属製単葉戦闘機を復元する、その前段階として作られた。
乏しい資料、スタッフは飛行機開発の素人という状況から計画は難航。僅か1年で予算も人員も大幅にカット。その後はミハイル・ボルト、ハル・ランドーの二人だけでレストアが続けられた。
操縦席の後ろに、観測・航法要員のための座席を有していたが、後に取り払われる。
当初は墜落事故が絶えなかったが、後に原因が設計上の計算ミス(とても単純な)だと判明。改良後は、クセのない操縦性、短距離での離着陸可能と使い勝手の良い機体となる。
武装は機首に三〇口径機銃1門。
現在はテールハットで練習機として使用されている。
※作者注
複座ならパップじゃなくてダブだろう、というツッコミがありそうです。
単座にしたり複座にしたりしてるので、「パップ」で統一している次第。
あとパップ(=子犬)がハルのキャラと近いかな、と。(笑)
◎カーティス
カーティスP-40ウォーホークのレストア機。
エース・カーティスにより、何体もの飛竜を倒した伝説的な機体。
竜歴三一年、シェルビーピークでブラックスロートと交戦。この戦いでカーティスはブラックスロートを終始圧倒。あと一歩のところまで追い詰めるが、その直後、機体が爆発、四散した。
原因は不明で、「飛竜の呪い」と まで言われていた。後に拝竜教団の秘匿兵器による攻撃と判明。
関係者のほぼ全員が死亡しているため、スペックなど詳細は不明。
※作者注
最初はP-51を考えていたのですが、「ムスタングが倒せなかった相手を、ゼロ戦が倒す」っていうのが、何かイヤらしい気がして…。
何より、P-40のあのシャークマウスがいかにも「大戦機」していて好きというのもあります。
以前は「トマホーク」としていましたが、ゼロ編を書くにあたり「ウォーホーク」でゆくことにしました。
ちなみにハウザーに使用したロケット弾は対飛竜用に装備したものです。
補給が間に合わず(高価なので)、ブラックスロート戦では機銃だけで戦うことになった。