竜の種類 グレード1~3
作品に登場した竜の設定情報です。
新作発表に伴い、こちらも随時更新予定です。
※挿絵は、友人の絵師さんに描いてもらった、「野営地を襲撃するラプトル」です。
ナオミの服装が違うのは、セント・ジョージの兵士だった頃のため。
データベース【竜の種類】DC0034.12
【グレード1】
■ラプトル(猛禽竜)
・概要
頭頂高二m、全長三m。二本脚で直立し、集団で行動する小型の竜。
名前の由来は、二〇世紀末、世界中で大ヒットした映画から。
歩兵、偵察兵的な役割を持ち、現在、最も目撃される種である。
主に後ろ脚の鉤爪を武器として使う。
・特殊能力
高密度の低周波を叩きつける咆吼「スタン・スクリーム」を持つ。
これは生物に命中すると、体液が振動し行動不能にする。十数頭の群でこれを行えば、装甲車両内の燃料を振動、発火させることも可能。
走る速度は時速八〇キロ以上と言われているが、それは短距離のみで、巡航速度は四〇キロほど。整地された道なら、4WDでも引き離すことができる。
■ビッグフット(黒猿竜)
・概要
身長二m以上。黒い剛毛に覆われた猿を思わせる個体。ゴリラよりやや小型で細い。
森林や廃墟に潜伏し、奇襲をかける。竜の中では珍しく前足(腕)が後ろ足より長い。
ラプトルが歩兵とするなら、このビッグフットは特殊部隊的な存在。
銃器を使う器用さと知能を持ち、殺した兵士から奪った銃を武器にする。
骨格の関係で、射撃は腰だめの姿勢で行う。そのため、ゆっくり狙いをつける狙撃は得意だが、動目標には極端に命中率が低下する。
瞬発力は高いが持久力に欠け、縄張り(持ち場)を越えて追跡することはない。
・特殊能力
環境に合わせて体毛の色を変える光学迷彩能力を持つ。その仕組みは、体毛内の液晶状物質によるものと考えられている。いわば全身が液晶モニターのようなものであり、解像度はあまり高くないものの、薄暗い場所、単調な景色の中では、ほぼ完璧な保護色として機能する。
尚、この光学迷彩は光源が複数ある場所では機能せず、体毛は本来の半透明な黒色になる。
また筋肉を凝集させて瞬間的にボディーアーマーを形成。
この状態では三〇口径のライフル弾、至近距離のショットガンも効果が無い。ラプトル系の弱点である首も骨片によってカバーしている。
【グレード2】
■ロックワーム(岩穿竜)
・概要
全長六m。無数の甲羅片に覆われたサンショウウオのような姿の竜。
流線型の大きな頭部にある甲羅片を震動させて土砂を掘り進む。
動きはあきれるほど鈍いが、体節状の筋肉を収縮・解放して行う体当たりは猛スピードで強力。
正面からの攻撃は大口径の銃器でも致命傷にはならない。反面、背面、側部からの攻撃にはもろい。
Dデイで地下の軍事施設を急襲、壊滅させた竜で、それ以外の目撃例は少ない。
・特殊能力
全長とほぼ同じ長さの舌をのばして攻撃する。舌は強力な粘着液に覆われており、捕らえた獲物を引き寄せ、強靱な顎でかみ砕く。
目は退化して視力はないに等しい。しかし音には敏感で、ソナー視覚、そしてレーダー視覚を有すると考えられている。
【グレード3】
■ハウザー(曲砲竜)
・概要
体長八m。全身を強靱な甲殻で覆われたアンキロサウルスのような姿。名称は「りゅう弾砲」の意味。
全身を覆う甲殻は強靱で、二〇ミリ以下の火器では貫通不能。反面、腹部には甲殻はなく、小銃レベルでも貫通可能である。
装甲車、自走砲といった存在で、ほとんどの場合、十体前後のラプトルを随伴している。
・特殊能力
サソリのように背中に振り上げた尾から、硬質ペレットを打ち出す。
この尾砲の射程は十キロ以上。尾内部の加速器官で電磁誘導の原理で射出する。その弾速は秒速二〇キロ以上。二十一世紀の主力戦車でさえ破壊した。
また、どのような仕組みか不明だが、明らかに視線が通っていない──森の中や丘の向こうなどの標的にも極めて高い精度で命中させることができる。