竜・概要
【竜について概要】
西暦二〇四〇年頃、突如として全世界に出現した生物群。
その姿から〝竜〟と呼ばれる。
最初に出現したタイプは翼を持つ飛竜であったが、後に様々な種類が現れる。
生命体としては異常に強靱だが、不死身ではない。
Dデイ──竜による世界同時襲撃で、人類が一夜にして敗北したのは、電子機器を無効化されたことが大きい。
共通する特徴として、
・回路状脈
翼膜や顔など、皮膚の薄い場所に静脈のように浮かび出ている器官。
金属質で電気回路に似ている。
興奮したり、「技」を使うと浮かび上がる場合もある。
・結晶質の器官。
頭部、肩部、翼の間接の一部に存在するクリスタル状の器官。
飛竜など大型の種類によく見られる。小型種でもごく小規模なものを持っており、サーキットと共に電磁気に関係した器官と考えられている。
・EMPボイス
電磁衝撃波を伴う咆吼で、コンピューターはじめ電子機器を停止または破壊する。
真空管を使った機器なら破壊はされない。(ノイズや停止は起きる)
竜が出現した二〇四〇年代、戦闘機を初めとする兵器から一般車両、家電に至るまで電子化が進んでいたため、「竜はすべての機械を停止させる」と誤解された。
竜歴三〇年代現在でも、いまだに多くの人がそう信じている。
【竜の生態について】
・食性
地球上の生命とはアミノ酸の形が違うため、地球の生物は食べない。食べても生命活動に利用できない。
竜の森には、彼らの世界から来たと思われる奇怪な植物や虫がコロニーを作っており、竜たちはそれを食べているらしい。
・繁殖
現在、竜の中で産卵器官を持っていることが確認されているのは飛竜のみ。
しかし産卵器官があっても生殖器官は存在しない。
そのため繁殖方法はまったくの謎。
すべての竜は、Dデイに出現した飛竜が産み落とした卵から孵ったらしい。
飛竜を倒した後、その巣を調査すると、卵のほとんどがラプトルであったという報告がある。
環境と戦略に応じて兵器を生産するように、飛竜の卵からは、その土地、その時に必要な種が産まれると考えられている。
【竜の脅威度について】
〝キマイラ〟が竜の脅威度を測る目安として等級分けしたもの。
破壊力、殺傷力を兵器に当てはめたものだが厳密ではない。
・グレード1
ラプトルなど小型種。
個人携帯火器でなんとか対処できるレベル。
人や家畜などが殺傷されるが、車両や建築物への被害はほとんどない。
山賊や歩兵など人間の集団と同等の脅威。
・グレード2
ロックワームなど中型種。
倒すにはロケットランチャーなどの重火器が必要。
装甲車に匹敵する破壊力を持ち、普通の家屋、建造物は破壊される。
・グレード3
ハウザーなど大型で強力な破壊力をもつ個体。
戦車や自走砲並の破壊力、戦闘力を有し、対抗するには重火器装備の装甲車両が必要。
トーチカ、城壁も簡単に破壊され、村や町が一夜で壊滅させられることも。
・グレード4
飛竜など大型種の中でも特に強力な竜。
その破壊力は、重爆あるいはMLRSに匹敵する。
対抗するには重装備の装甲車両の部隊、あるいは戦闘機など特別な対抗手段が必要。
城砦都市でさえ大きな被害を受ける。
・グレード5
ブラックスロートなどの「名前持ち」や、サンダーヘッドのような特別な能力を持つ竜。
重爆の集団並の破壊力があり、城砦都市が総力を挙げてもまったく太刀打ちできない。
現在知られている中では最強ランクの竜であり、人間がこれを倒した例はほとんど無い。
・グレード6
一つの地域をまるごと壊滅させる、気化爆弾や戦術核並の破壊力を持つ個体。
Dデイ直後から竜歴初期にかけて、数例、目撃例がある。
しかしいずれも不確かなもので、その存在は疑わしい。
竜への恐れが生み出した噂話、という見方が主流である。