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philosophical

今日は外で雨が降っていました。

作者: abakamu

テレビに映る幾多のニュース

殺人外交火事憲法

テレビを消すと聞こえてくるのは

屋根に当たるる雨の音


日記を開いて文字を書く

「今日は外で雨が降っていました」

日記を閉じると聞こえてくるのは

野良猫が僕を呼んでる声


母さん父さん事故で死んで

電話が鳴った今日の朝

爺ちゃん婆ちゃん泣き崩れても

車で迎えに走ってた


冷たくなった父さんの肌

口紅落とした母の唇

機械の線は果てしなく

続く地平線示してた


母さん、貴女は言ったよね。

挨拶をいつもしなさいと。

何で何も言わずに逝っちゃったの?

今日は外で雨が降ってました。



葬式の日に灰色墓石

赤いコスモス灰色お空

白くなってる黄色い肌に

外で雷が鳴り響く


お通夜途中に外に出て

風に吹かれて身を雪ぐ

スピーチを聞く気分には

なれなかったと信じたい


父さん貴男は言ったよね。

男らしく、していろと。

何でそんなに縮こまってるの?

今日は外で雷が鳴っていました。



あれから何年経っただろう

婆ちゃん爺ちゃん皆死に

僕は一人で玄関で

野良猫と二人喋ってた


君と出会って幸せになり

大切な者も授かった

日記を開くと思い出すのは

あの日沢山降ってた雨



母さん貴女は言ったよね。

女を守らにゃ男じゃないと。

僕は彼女と子供らを

守れているといえるよね?


父さん貴男は言ったよね。

男らしく、していろと。

僕は貴男の大きな背中に

近づくことはできたよね?



何度迎える雨の日に

一筋差し込む陽の光









今日は外で雨が降っていました。

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