[最終回とはまだいかない]
「いらっしゃいませー」
扉が開くと同時、店員らしき人物が声をかけてきた。私たち、三人は、少々戸惑っていた。その、店内は、どう見たって、喫茶店ではあるが、どう見てもそれも、ちまたで有名な某コーヒーチェーンショップである。今すぐにでも、満面の笑みで我々に注文を迫りそうな勢いであった。
私たちは、恐る恐る店内へと入っていた。
「あの、ここはノルウェイの穴というお店ですよね?」
団地妻は、店員に尋ねてみた。
「いえ、ここは、スターバックルでございますよ!」
そう店員の一人が答えると、他の店員数名が一斉に「スターバックルでございますよ!」と叫んだ。
「おいおい……どうなってんだこりゃ……」
サラリーマン風が言った。
私たちは、どうやら樹海の真ん中にあるお店に単に来てしまったということになるのだろうか。しかし、この場所にノルウェイの穴というお店はあるはずだった。喫茶店であるという情報は入っていたが、メジャーな店というよりも個人経営、チェーン店でも単なる名板貸しそんなイメージだったはずだ。
「ご注文はなにに致しますか?」
そういって、呆然と立ち尽くす三人に向かって、巨乳のボインな店員の女の子が、私の目の前にメニューを差し出した。
「うーん。じゃあ、このフラフラペンペンをください」
「かしこまりました!フラフラペンペン一つ御願いします!」
「フラフラ!!」
私は、今にでもこの店員さんたちはフラフラになって倒れるのではないかと思った。そんな私を尻目に、横の二人は私をじっとにらんでいた。
「なんで、平然と注文してるんですか!」
「おう!そうだそうだ!今は茶なんて飲んでる暇じゃないだろう!」
「茶じゃない!コーヒーだ!」
私は、間違ったことは言ってはいなかったが、たしかにそんな暇ではなかった。当初の目的は忘れてはいけない。
「お待たせしましたー。フラフラペンペンでございます。ごゆっくりどうぞー」
そういって、手渡されたマグにはフラフラペンペンなるコーヒーが入っていた。こころなしか、色が紫色のような気がしたのは気のせいだと思う。私は、店内の窓際の席にマグを持って座った。それにつられて後の二人も座った。
「で、これからどうすんだい。完全に手詰まりじゃねぁか」
サラリーマン風が言った。
「そうですよねぇ。とっと、穴を見つけて剣を穴にブッサして、この物語を終わりにしましょうよ。前回の更新から何日経ってると思ってるんですか。もう、作者の人だってどんなあらすじだか忘れちゃってますよ」
団地妻は、ボソボソと独り言を言っていた。
「いや、ここはノルウェイの穴に間違いない。それに、さっき変な玉を店員さんの一人が磨いていたのを発見した。あれがきっと、ノルウェイの穴に続く鍵に違いない」
私は、そういってマグの中身を啜った。
「おい、それはどういうことだ」
サラリーマン風は、机を叩き、荒々しく私に質問をしてきた。
「はて、私はいったい……」




