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ランドスケープ  作者: 井上達也
私、飛翔篇
11/35

[自己紹介はこれで終わり?]

 僕は、高校初日に遅刻をした。しかし、高校初日に遅刻をする人間は正直多く居よう。高校は、ここだけじゃなくて全国津々浦々沢山あるのだ。こんなことで落ち込んでいる場合ではないのである。

 僕は、その後入学式のために体育館に行った。一ヶ月前まで中学生だった彼らの制服姿はやはりどことなくまだまだ初々しいのであった。かくいう自分もその一人なのだが。校長が、気の利いた一言を言って入学式は終わった。

 中学校からの知り合いが居ない僕にとっては、体育館から教室までの帰り道はひとりぼっちであった。教室につくと、とりあえず先に椅子に座った。椅子に座り僕は、カバンから筆記用具を出した。特に意味はない。この後のオリエンテーションで使うと思ったから出してみただけである。

 やはり、なにもすることがない。このままでは教室で浮いた存在になってしまう気がした。しかし、それだけは避けたかった。近年の公立高校はもはや世紀末の戦場であり、一度でも変な行動をとればそれ即ち死を意味すると聞く。すぐにハブられ、後は大学デビューを夢見て、始まったばかりの三年間を苦痛に耐えながら過ごさなければならないと言われる。

 僕は、意を決して後ろに座る頭がぼっさぼっさの黒ぶちメガネをかけた男子に声をかけることにした。

「あの、おはよ」

 僕は、後ろを振り返って元気よく挨拶をした。しかし、彼は本を読んでいた。たぶん、漫画ではないらしい。本の中身がちらっと見えたのだが、文字ばかり活字ばかりであった。彼は、少々のタイムラグがあって、こっちを見て返事をした。

「ん、ああ。おはよ」

 そういうと、ずれた黒ぶちメガネを直して、またこっちを本に熱中していた。

「それ、なんて本?」

 僕は、興味津々に訪ねた。

「パーク、インザ、ガール」

 聞いたことのない名前の本だった。有名な小説は、僕も少しは呼んだことはあったがその本は初めて聞いた名前だった。

「その本て面白いの?あんま、聞いたことないんだけど」

「この本は、最近出たばかりの本。昨日買った。あんまし有名じゃないかも。殺し屋の人の話」

「へぇ」

 なんとなく、いい感じの雰囲気になってきた所で先生がやってきた。先生は、高校生活について簡単に説明をしたあと、自己紹介をやろうと言い出した。クラス中は、少々のざわめきが起こった。どうやら、入学式中やら、さっきの間の時間のうちに少々打ち解けていたらしい。クラスの雰囲気が若干、クラスクラスらしくなっていた。

 あいうえお順に並んだ席で、前から順に自己紹介をやった。そして僕の順番がやってきた。僕は、か行だった。

「加藤新一です。よろしく御願いします」

 無難な挨拶をした。これは、間違いのない挨拶である。しかし、なんの特徴もない。そして、次に後ろの彼の番になった。

「ええ、私は……私だ」

 クラスは、ざわめいたが、彼は「そのうち分かる」と言って自己紹介を切り上げてしまった。彼自体も満足そうな顔をして席に着いたのだった。



 自己紹介タイム終了後、10分間の休憩時間となった。さっそく、連れションに繰り出す男子たちや中の良い女子たちが現れた。その輪にはとりあえず入れなかったが、僕は後ろの奇抜な人物に声をかけることにした。

「ねぇ、本当は君の名前はなんていうの?」

 僕は、彼に質問をした。

「さぁ」

「さぁって。教えない気ですか」

「だから、私は私だとさっき言ったではないか。まったく」

 彼は、そういってぼさぼさの頭をくしゃくしゃとかきメガネを外した。

「君は、高校生活に何を求める?」

 いきなり、彼は僕に向かって質問をしてきた。意味の分からない質問を彼はしてきた。

「いきなり、何?ああっと、なんだろうね。高校生活に求めるもの……。楽しさとかじゃない?」

 僕は、悩ましげに返事をした。

「滑稽、滑稽、滑稽。反吐が出る。高校生活なんて楽しいものではない。そんなことは、私でも分かる。高校生活が楽しい奴らなんぞ、一生後悔するが良い。その偽りの楽しさの中で」

 いきなり、彼はよくわからない言葉を使いだした。そして、大きく高笑いをきめた。

「私が、欲してやまないものは何だと思う?」

 彼は、いきなり、質問をしてきた。

「えっと……彼女とか?」

「違う!そんな金の切れ目が縁の切れ目を地でいくような連中と仲良くなれるわけがなかろう。私が欲しいものはな、そう力だ。権力だ」

「はぁ」

 いよいよ、何を言っているのかよくわからない。この私くんは、何を言っているのだろうか。



「私は、この高校で権力を手にする」


パーク、インザ、ガール。それは、私の作品です笑。よろしかったら、私の作品の中から読んでみてください。

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