第1話「覚醒の夜」
――死は終わりじゃない。
それは、“もう一度、生きる理由”を問う始まりだ。
かつて、地上で生きていた少年ドミィ。
家族を守れなかったその夜、彼は確かに死んだ。
だが、目を覚ますと、そこは“死者の国”。
黄泉の底で彷徨う魂が「ハロウィンナイツ」と呼ばれる部隊に組み込まれ、再び動き出す世界――。
彼の無念は、まだ終わっていない。
彼の命は、まだ燃え尽きていない。
そして、彼の中で“蒼い焔”が揺らめき始める。
それは、運命を変える最初の炎だった。
あらすじ
10月31日――ハロウィンの夜。街は仮装をした人々で賑わい、子どもたちはお菓子を求めて走る。だが、この夜、16歳の少年・ドミィの人生は一変する。家族の惨劇、死者の国への転生、そして未知の力の覚醒が彼を待っていた――。
夜の街は、祭りのようにざわめいていた。
仮装した若者たちが写真を撮り、子どもたちはお菓子をもらう。
それでも、どこか不気味な空気が闇夜を満たしている――。
ドミィはイヤホンから流れるビートに合わせ、ガリガリ君をかじりながら歩いた。
「アイスって、いつ食べても美味えな…でも、この時期は身体にくるな…」
16歳の少年は、群衆に紛れることなく孤独な足取りを進める。
後ろからぶつかってきた、パンプキンマスクを被った男。
「痛ってぇ…」と思いながら、ドミィはバッグからパンプキンマスクを取り出した。
『これでみんな脅かしてやる!ニシシ』
路地裏でマスクを被ると、ドミィは家路へ駆け出した。
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家の中はハロウィンの飾りで彩られていた。
「ドミィ、まだかな〜」
ドミィの家にてハロウィンパーティーの準備をしてあ幼馴染のナツは待ちきれずに跳ね回る。
そこでノックが聞こえる
「あ!帰ってきた!!」
「トリックオアトリート!!!」
ドミィは勢いよく扉を開けた。
ドアを開けた瞬間、目に飛び込んできたのは血に染まった家族の姿だった。
「….あ?」
目の前に立つパンプキンのマスクを被った男。その手には紋章が刻まれていた。
脳は理解できずとも、涙が自然と溢れ出す。
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暗闇の中、ドミィの意識は過去の記憶に引き戻される。
楽しかった日常、家族や友人と過ごした幸せな時間。
そして父の声が遠くから聞こえた――
「ごめんな、ドミィ…」
目が覚めると、そこは見知らぬ空間。
犬のフードを被った男――ヴィリーが笑いながら立っていた。
「ようこそ、ここは死者の国だ」
ドミィは訳もわからない。
「何言ってんだよ…ハハハ」
だが、ヴィリーは現実を告げる。
「アンタ、死んだんだ。無念のうちにな」
⸻
死者の国「無念獄」。
無念の死を迎えた者たちが集う場所。
ヴィリーは困惑するドミィを導き、魂の仕組みや死者の国のルールを説明する。
死んだ者は「ゾンビ」と呼ばれ、魂の状態によって分類されるのだ。
そして、ドミィは気付く。
「今日…ハロウィン…」
パンプキンの仮装――家族を殺したあの夜の出来事がフラッシュバック。胸を抉る。
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「俺…何もできなかった..助けたかった…生きてて欲しかった…
何も思えなくて…でも悔しくて、悔しくて悔しくて
自分が情けなくて仕方ねえよ」涙が溢れるドミィ
「みんなの..仇を取りたい..!なんで殺されたのか知りてえ、んで強くなりてえ…!!!」
その時、ドミィの体に異変が起こる。
覚悟を決めた瞬間、内なる力が呼び覚まされる――。
パンプキンの装飾が体を包み、蒼く燃え盛る炎が立ち上る。その姿は犯人の姿と同じだった。
「俺は生きてえように生きてやる!!なりてえもんになる!!あいつを殺せるなら同じ姿にだってなってやる!!!」
炎は「獄蒼炎」と呼ばれる力――
ドミィは、死者の国での戦いと、自らの復讐への道を歩み始めるのだった。
――あの夜、何かが俺の中で死んだ。
でも、代わりに何かが“生まれた”。
死者の国に呼ばれた少年は、まだ知らない。
この世界がどれほど残酷で、
どれほど優しく、
どれほど「再生」に満ちているのかを。
彼の名は――ドミィ。
第4冥班に配属された、新米の“死者”。
次回、「第2話:ハロウィンナイツ ― 絶望の中の希望」
魂を燃やす少年の、第二の人生が動き出す




