第94話「かぜのコンサート」
秋の風は、ときにささやき、ときに歌のように聞こえます。
今日は、子どもたちが耳をすませて楽しんだ「風の音楽会」のお話です。
放課後の校庭。
さくらちゃんとゆうたくん、みなとくんは、鉄棒にぶらさがりながら休んでいました。
すると――ひゅううう……と、木のあいだから風が吹きぬけます。
「今の、歌みたい!」
さくらちゃんが目を輝かせました。
三人で耳をすますと、木の葉っぱがざわざわふるえて、まるで楽器の音。
ブランコの鎖がカラン、と鳴って、太鼓のリズムみたい。
「ほら、あっちのフェンスも!」
ゆうたくんが指さすと、風にゆれてフェンスがビーンとひびきます。
「ベースの音みたいだね」
みなとくんは両手を広げて、指揮者のまねっこをしました。
「さあ、かぜのコンサートのはじまりです!」
三人は風の音に合わせて歌ったり、手をたたいたり。
気づけば校庭いっぱいに、秋のオーケストラがひろがっていました。
夕焼けが校舎を赤くそめるころ、三人は「また明日もきけるかな」と笑いながら帰っていきました。
自然の中には、耳をすませばいろいろな音楽がひそんでいます。
風や木の葉、遊具や建物まで、すべてが楽器になるのです。
今度風が吹いたら、みなさんも「かぜのコンサート」に参加してみませんか?




