第88話「風にのったぼうし」
風の強い日に、帽子が飛ばされて大さわぎになったことはありませんか?
今日は、さくらちゃんたちが体験した「ぼうしの大ぼうけん」のお話です。
その日は、秋の風がとても強い日でした。
さくらちゃんはお気に入りの赤いぼうしをかぶって、みんなで公園に向かいます。
「今日はおだんご作りしよう!」
砂場に集まったさくらちゃん、ゆうたくん、みなとくん。
ところが――。
ひゅううっと強い風が吹いて、さくらちゃんのぼうしが空に舞い上がりました。
「あっ! まってー!」
さくらちゃんは手をのばしますが、ぼうしは風にのってどんどん遠くへ。
三人はあわてて追いかけました。
すべり台の上をひらひら、ブランコの上をひゅるり。
ぼうしはまるで空を飛ぶちょうちょのようです。
「こっちだ!」
ゆうたくんが走り、みなとくんはネットの遊具をよじ登ります。
やっと芝生のはしで、木の枝にひっかかったぼうしを発見。
三人で手をつないで背伸びをすると――。
「とれたー!」
さくらちゃんはほっとして、ぼうしを胸にぎゅっと抱きしめました。
「もう二度と飛んでいかないでね」
そうつぶやいて、三人は笑いながら砂場に戻っていきました。
帽子が風に飛ばされるとドキドキしますが、追いかけるのもひとつの冒険になります。
自然の力を感じながら、仲間と協力して取り戻すと、なおさらうれしい思い出になりますね。




