第74話「きんもくせいのかおり」
秋の道を歩いていると、ふっとやさしい香りがただよってくることがあります。
その正体は、小さなオレンジ色の花をつける「きんもくせい」。
今日は、さくらちゃんたちが秋の香りを見つけるお話です。
学校の帰り道。
さくらちゃんがふと足を止めました。
「……あれ? なんだかいいにおいがする」
ゆうたくんも鼻をくんくんさせます。
「ほんとだ! 甘いみたいな、フルーツみたいな香りだね」
三人で道を見まわすと、角にある大きな木がオレンジ色の小さな花でいっぱいでした。
「これがきんもくせいだよ」
みなとくんが教えてくれました。
「秋になると、毎年こうやって花を咲かせるんだ」
さくらちゃんは目を丸くします。
「こんな小さな花から、こんなにいいにおいがしてるんだ!」
木の下に立つと、風にのって花の香りがふんわり広がります。
「なんだか、あったかい気持ちになるね」
ゆうたくんがうれしそうに言いました。
みなとくんは落ちていた花をそっと拾い、手のひらにのせました。
「小さな星みたいだな」
三人はきんもくせいの花を見上げながら、秋がもっと好きになったのでした。
きんもくせいの香りは、秋を知らせる合図のひとつです。
道を歩いていてふっと香りに気づくと、ちょっとした宝物を見つけた気持ちになりますよね。
みなさんも、秋の風にのってくるきんもくせいの香りを探してみてください。




