第69話「みのむしのふくろ」
秋になると木の枝にぶらさがっている、不思議な袋のようなものを見たことはありますか?
それは「みのむし」のおうち。落ち葉や小枝で作られていて、じっと中で冬ごしをします。
今日は、さくらちゃんたちがその不思議なふくろを見つけたお話です。
ある放課後のこと。
さくらちゃんとゆうたくん、みなとくんは、校庭の木の下を歩いていました。
「見て! なんかぶら下がってるよ」
さくらちゃんが枝を指さしました。
三人が近づくと、小さな袋のようなものがひとつ、枝にしっかりついています。
「これ、なあに?」と、みなとくん。
ゆうたくんは理科の時間を思い出して言いました。
「たしか、これ“みのむし”だよ。中に虫が入ってて、落ち葉とかで袋を作るんだ!」
「へぇー、虫さんのおうちなんだ!」
さくらちゃんは目をまるくしました。
三人はしばらく、袋がゆらゆら揺れるのを見守ります。
中からは、ちょっとだけ動いたような気配も。
「寒い冬を、この中で過ごすんだね」
みなとくんが、そっとささやきました。
「じゃあ、ぼくらがじゃましないように、そっとしておこう」
ゆうたくんがうなずくと、三人は枝から少し離れました。
帰り道、さくらちゃんはにっこりして言いました。
「みのむしのふくろって、小さな冬ごもりのふしぎだね」
みのむしの袋は、自然が生み出したすてきな工作のようです。
落ち葉や小枝をつかって、自分だけのおうちを作るなんて、ちょっとおどろきですよね。
もし見つけたら、静かに見守ってあげましょう。




