第67話「校庭の赤とんぼ」
秋になると、空をすいすい飛んでいる赤とんぼを見かけます。
校庭の上をゆったり飛ぶ姿は、どこかのんびりしていて、見ていると心が落ち着きます。
今日は、さくらちゃんたちが赤とんぼと出会ったお話です。
ある日の放課後。
さくらちゃんとゆうたくん、みなとくんは、校庭でおにごっこをしていました。
「待てー!」
「こっちだよー!」
笑い声をひびかせながら走り回っていると、ふと、空に赤い光がひらひら。
「あっ、見て! 赤とんぼだ!」
さくらちゃんが指をさしました。
三人は立ち止まって、空をながめます。
赤とんぼが何匹も、すいすいと空を飛んでいました。
「すごいなぁ。空に赤い絵の具をぬったみたい」
みなとくんがぽつり。
ゆうたくんは、そっと手をのばしてみました。
「止まってくれるかな?」
すると、一匹の赤とんぼが、まるで約束したみたいに、ゆうたくんの指先にとまりました。
「やった!」
三人は声をあわせて歓声をあげます。
赤とんぼはしばらくのあいだ、指先で羽を休めると、またひらりと空へ飛び立っていきました。
夕日が校庭を赤く染める中、三人は赤とんぼの群れを、いつまでも見送っていました。
赤とんぼは、秋を知らせてくれる小さなともだちです。
校庭や川辺で見つけたら、ぜひ静かに近づいてみましょう。
もしかしたら、ゆうたくんのように指に止まってくれるかもしれませんね。




