第54話「秋風のたこあげ」
秋の空は高くて広く、風が気持ちよく吹いています。
そんな季節にぴったりの遊びといえば「たこあげ」。
今日は、さくらちゃんたちが秋風の中で楽しんだ“たこあげ”のお話です。
日曜日の午後。
さくらちゃん、ゆうたくん、みなとくんは、町の広場に集まりました。
「今日は手作りのたこを持ってきたよ!」
三人はそれぞれ色とりどりのたこを取り出しました。
さくらちゃんのはピンクにハート、ゆうたくんのは青にヒーローの絵、みなとくんのは黄色に星マーク。
ひろびろとした広場で、みんなで走り出します。
「いけーっ!」
風を受けて、たこがふわりと空に舞い上がりました。
最初はうまく飛ばず、地面に落ちてしまうことも。
「もう少し走るんだ!」
ゆうたくんのアドバイスで、三人は全力で走りました。
すると、三つのたこはぐんぐん高くのぼり、青空に並んでゆらめきます。
「わぁ! 鳥みたいに飛んでる!」
秋の風にのって、たこはどこまでも軽やかに踊りました。
空を見上げる三人の顔は、風に吹かれて赤くほてっていました。
「秋の空って、こんなに広かったんだね」
そうつぶやきながら、いつまでも糸をにぎりしめていました。
秋風にのせてあげるたこは、空と友だちになったような気分にしてくれます。
走る楽しさと、見上げる空の美しさを同時に味わえる特別な遊びです。
みなさんも秋晴れの日には、ぜひたこをあげてみてくださいね。




