第43話「夕立とかえるの合唱」
夏の午後、空が急に暗くなったと思ったら、ザァーッと夕立がやってくることがあります。
雨があがったあとには、不思議ときれいな景色や音が広がるんです。
今日は、さくらちゃんたちが夕立のあとに聞いた“かえるの合唱”のお話です。
その日の午後。
さくらちゃん、ゆうたくん、みなとくんは、公園で遊んでいました。
ところが、急に空がごろごろと鳴り、黒い雲が広がってきます。
「やばい、雨だ!」
ポツ、ポツ……ザァーーッ!
三人はあわてて近くの東屋にかけこみました。
雨はまるでバケツをひっくり返したように降り、地面に大きな水たまりがどんどん広がっていきます。
「うわぁ、すごい雨!」
でも、屋根の下にいれば安心。三人は少しわくわくしながら外をながめました。
しばらくすると、雨はぴたりと止み、空に夕焼けがのぞきます。
「きれい……!」
夕立のあとの空は、オレンジ色に光り、空気もひんやりしていました。
そのとき――「ゲロゲロ、ゲコゲコ!」
あちこちからかえるの声が聞こえてきました。
「わぁ、大合唱だ!」
水たまりの近くでは、小さなアマガエルが鳴き、草むらからはウシガエルの低い声。
いろんな声が重なって、まるで音楽会のようです。
三人は雨上がりの空を見上げながら、かえるの合唱に耳をすませました。
「雨って、ちょっとたいへんだけど……こんな楽しみもあるんだね」
さくらちゃんの言葉に、みんなうなずきました。
夕立のあとには、涼しい風や夕焼け、そしてかえるの声など、特別な自然のプレゼントがあります。
ちょっとしたハプニングも、友だちといっしょなら楽しい思い出になりますね。
みなさんも夕立のあと、耳をすませて自然の音楽をきいてみてください。




