第41話「花火のひみつ基地」
夏の夜空を彩る花火。
打ち上げ花火もきれいですが、手にもって遊ぶ花火は身近でドキドキします。
今日は、さくらちゃんたちが“ひみつ基地”で楽しんだ花火のお話です。
ある夏の夜。
さくらちゃん、ゆうたくん、みなとくんは、家の近くの vacant lot(空き地)に集まっていました。
そこは三人だけの“ひみつ基地”。昼間は草むらだけですが、今夜は特別です。
「じゃーん! 花火セットを持ってきたよ!」
ゆうたくんが袋を広げると、中には色とりどりの手持ち花火がぎっしり。
火をつけると、シュッと光の線がのびて、夜空にきらめきが走ります。
「わぁ、きれい!」
さくらちゃんの花火は赤い火花を散らし、みなとくんのは青い光をはじけさせました。
三人は夢中になって、ススキ花火やネズミ花火、星の形に火花が飛び散るものまで楽しみます。
やがて、最後にとっておいた線香花火に火をつけました。
小さな火の玉がぷるぷる震え、落ちそうで落ちない――。
三人は息をひそめて見守ります。
「がんばれ、がんばれ!」
火の玉が消えないように、そっと声をかけました。
でも、ぽとん、と小さくはじけて消えてしまいました。
「なんだかさびしいけど……きれいだったね」
さくらちゃんがぽつりとつぶやきました。
「うん。夏の夜って、やっぱり特別だ」
ゆうたくんとみなとくんも大きくうなずきます。
夜風に花火のけむりがゆっくり流れていき、三人のひみつ基地は、思い出の光でいっぱいになりました。
手持ち花火は、近くで見るからこそ、消えるまでの一瞬一瞬が心に残ります。
大切な友だちと一緒なら、その時間はもっと特別になりますね。
みなさんも安全に気をつけながら、夏の花火を楽しんでください。




