第23話「ひこうき雲を追いかけて」
空を見上げると、すーっと白い線。
ひこうきが通ったあとに残る「ひこうき雲」は、子どもたちにとって空の冒険の合図のようです。
今日は、さくらちゃんたちがひこうき雲を見つけて追いかけたお話です。
ある日の午後。
さくらちゃんが庭でシャボン玉をしていると、空に長い白い線が見えました。
「わあ、ひこうき雲だ!」
ゆうたくんとみなとくんも集まって、みんなで空を見上げます。
「どこまでのびてるんだろう?」
「追いかけてみようよ!」
三人はかけ出しました。
雲はまっすぐにのび、青空をふたつにわけるようです。
「ほら、あの山の向こうまで続いてるよ!」
汗をかきながら走りつづけると、風が気持ちよくふいてきました。
道の途中で、犬をつれたおじさんが言いました。
「ひこうき雲は高い空にできるから、追いかけても追いつけないんだよ」
それでも三人は足を止めません。
「でも、どこまで行けるかやってみたいんだ!」
やがて丘の上にたどりつきました。
そこから見ると、ひこうき雲はもう少しずつ消えかけています。
「なくなっちゃう前に見られてよかったね」
みなとくんが言うと、さくらちゃんもうなずきました。
「なんだか空に冒険したみたい」
夕方、ひこうき雲は完全に消えてしまいました。
三人は丘にすわって、オレンジ色にそまる空をながめました。
「また見つけたら、追いかけようね!」
笑顔で約束し、家へと帰っていきました。
ひこうき雲は、ほんの短い時間しか見られません。
でも、その一瞬を追いかけることで、思い出は長く心に残ります。
みなさんも空を見上げたとき、ぜひ自分だけの冒険を感じてみてくださいね。




