第16話「風鈴の音とひみつ基地」
夏の暑い日、ちりんと鳴る風鈴の音は、心をすっと涼しくしてくれます。
今回は、さくらちゃんたちが“ひみつ基地”で楽しんだ、風鈴の思い出のお話です。
ある夏の日の午後。セミの声がじーじーと鳴りひびく中、さくらちゃん、ゆうたくん、みなとくんは、庭の木の下に集まっていました。
「今日は、ひみつ基地をもっとすてきにしようよ!」
三人は木の下に、小さな布を張った“ひみつ基地”を作っていたのです。
さくらちゃんが家から持ってきたのは、小さな風鈴。
「これをつけたら、きっといい感じになるよ!」
枝に風鈴をぶらさげると、ちょうど風がふいて――。
ちりん、と澄んだ音がひびきました。
「わあ、きれいな音!」
「なんだか涼しくなった気がする!」
そのとき、ひみつ基地の上に、入道雲が大きく広がっていました。
「ねえ、ここにいると、本当に夏をぜんぶ楽しんでるみたいだね」
「風鈴が見はってくれてるみたい」
三人はジュースを飲みながら、風鈴の音をききました。
セミの声、風の音、風鈴のちりん……。全部がまざって、心地よい夏のハーモニー。
やがて、みなとくんがつぶやきました。
「このひみつ基地は、ぼくらだけの宝物だね」
三人はうなずき合い、風鈴の音に包まれながら、ゆったりとした時間を楽しみました。
風鈴の音は、ただの音ではなく、夏の思い出をいっしょに作ってくれる不思議な力があります。
ひみつ基地やお気に入りの場所に風鈴をつければ、そこが特別な空間になるのかもしれませんね。




