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まいにちの小さな冒険 友達や家族と楽しむ毎日の発見  作者: たむ


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第119話 図書室のひるやすみ

放課後のランドセル広場で元気いっぱいに遊んだりくくんとさえちゃん。

今日はちょっと静かに過ごすお話です。

学校の図書室でのお昼休み、ふたりが見つけた「小さな楽しみ」を描きます。

「さえちゃん、今日のお昼休み、図書室行かない?」

りくくんがパンを食べながら声をかけた。


「いいね! 新しい本が入ったって、掲示板に書いてあったもんね」


ふたりは給食を食べ終わると、そろって図書室へ向かった。


図書室のドアを開けると、紙とインクの独特な匂いがふわっと広がる。

窓から差し込むやわらかな光が、本棚を明るく照らし、木の机に影を落としていた。

お昼休みの図書室は、外の校庭のにぎやかさとはまるで別世界のように静かだ。


「どんな本が入ったんだろう?」

ふたりは掲示板の新刊コーナーをのぞき込む。

そこには、冒険のお話や動物の図鑑、そして不思議なタイトルの絵本も並んでいた。


「りくくん、見て! 『ひみつの木の家』っていう本があるよ!」

「ほんとだ。なんかおもしろそう」


りくくんは冒険小説を手に取り、さえちゃんはその絵本を抱えた。

ふたりは窓ぎわの机に並んで座り、ページを開いた。


ページをめくるたびに、物語の世界にどんどん引き込まれていく。

りくくんは、大海原を旅する少年の話に胸を高鳴らせ、

さえちゃんは、木の家の中で動物たちと暮らす女の子の話に目を輝かせた。


「この女の子ね、動物たちといっしょにおやつを作ったり、歌を歌ったりするんだよ。楽しそう!」

「へぇ、いいなぁ。俺も動物と住んでみたいな」


ふたりは本を見せ合いながら、夢中で話し合った。


すると、図書室の奥から「しーっ」という声が聞こえた。

司書の先生が人差し指を口にあてている。

「ごめんなさーい……」

ふたりは顔を見合わせて、小さな声でくすくす笑った。


そのあとも、ページをめくる音だけが響く静かな時間が流れた。


やがてチャイムが鳴り、昼休みの終わりを告げる。

「えー、もう終わり?」

「まだ半分しか読んでないのに!」


本を閉じるのが名残惜しくて、ふたりはそろってしおりをはさんだ。

「続きはまた明日だね」

「うん、ぜったいにね!」


図書カードに名前を書き込んで本を借りると、りくくんとさえちゃんは本を胸に抱えて教室へ戻った。


午後の授業が始まるころ、ふたりの頭の中にはまだ物語の世界が広がっていた。

黒板に書かれる算数の数字が、どこか冒険の地図のように見えてくる。

ノートに走らせる鉛筆の音が、まるで本のページをめくる音に重なるような気がした。


「本を読むと、世界が広がるんだな」

ふたりは心の中で、同じことを思っていた。

お昼休みの図書室は、子どもたちにとって小さな冒険の入り口です。

りくくんとさえちゃんも、静かな時間の中で新しい世界を見つけました。

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