第110話 くつばこのメッセージ
学校のくつばこは、毎日みんなが使う場所。でも、よーく見てみるとちょっとした発見があるかもしれません。今日は、みおちゃんとけんじくんが見つけた「小さなメッセージ」のお話です。
放課後、みおちゃんはランドセルを背負って、くつばこで上ばきをぬいでいた。
すると、自分のくつの下に、ちいさくたたまれた紙が落ちているのに気がついた。
「ん? これなにかな?」
ひろってひらいてみると、そこにはえんぴつで大きく、
『きょうもいちにち、おつかれさま!』
と書かれていた。
「へぇ……だれが書いたんだろ?」
ちょうどとなりでくつをはきかえていたけんじくんも、のぞきこんだ。
「なにそれ?」
「ほら、くつの下に落ちてたんだよ。なんか、おもしろいよね」
ふたりは顔を見合わせて笑った。
次の日。
こんどはけんじくんのくつばこに、またちがうメッセージが入っていた。
『あしたもがんばろう!』
「わぁ、また入ってる!」
「もしかして、クラスのみんなに順番で入ってるのかな?」
ふたりはすこしわくわくしながら、だれが書いているのかを考えた。
「先生かなぁ?」
「でも字が子どもっぽいよ」
結局、正体はわからなかったけれど、なんだかうれしい気持ちになった。
それから何日かのあいだ、いろんな友だちのくつばこに、ちいさなメッセージが入っていた。
『きょうはいい天気だね!』
『わらうと元気になるよ!』
ある日、みおちゃんが自分のメッセージをしまうとき、こっそり後ろからけんじくんがささやいた。
「ぼくたちも、書いてみない?」
「いいね!」
ふたりは家に帰ると、小さな紙にかわいいイラストをそえて『ありがとう』と書いた。
そして次の日の朝、だれもいない教室で、そっとくつばこに入れた。
だれが読んでくれるかはわからない。
でも、それを想像するだけで、ふたりの胸はぽかぽかあたたかくなった。
だれが書いたかわからない小さなメッセージでも、読むと元気が出ますよね。みなさんも友だちに「ひとことカード」をわたしてみると、きっとすてきな気持ちになれますよ。




