第108話 おべんとうのひみつ
お昼のじかんに食べるおべんとう。ふたを開けると、どんなおかずが入っているのか、いつもワクワクしますよね。今日は、けんたくんとあいかちゃんのおべんとうをめぐる、ちょっとほのぼのしたお話です。
その日は遠足の日だった。
朝からそわそわしていたけんたくんは、バスにゆられて公園に着くまで、おべんとうのことばかり考えていた。
「今日はどんなおかずかな〜」
広場にシートを広げると、あいかちゃんもとなりに座った。
「けんたくん、なんかうれしそうだね」
「だって、おべんとうのふたを開けるのが楽しみなんだ」
先生の「いただきます!」の合図で、みんな一斉にふたを開けた。
けんたくんのおべんとうには、大きなからあげとタコさんウインナー、さらに卵焼きがぎっしり。
「わぁー! やっぱりおいしそう!」
すると、あいかちゃんのおべんとうには、かわいいハート型のにんじんや、うさぎのりんごが入っていた。
「かわいい〜! これ、どうやってつくるの?」
「お母さんが朝からがんばってくれたんだって」
ふたりはお互いのおべんとうをのぞきこみながら、自然におかずをひとつずつ交換した。
「けんたくんの卵焼き、あまくてふわふわ!」
「ほんと? あいかちゃんのウインナー、ケチャップがぴったりだね」
食べるたびに、なんだか笑顔になっていく。
まわりを見れば、ほかの友だちも「ひとくちちょうだい!」と楽しそうにおかずを分け合っていた。
おべんとうの時間が終わるころ、けんたくんがぽつりと言った。
「なんか、ふしぎだな。ふつうに食べるより、友だちと分けたほうがおいしい気がする」
あいかちゃんもにっこりして答えた。
「そうだね。きっと“いっしょに食べるおいしさ”っていうひみつがあるんだよ」
ふたりはおべんとうの空っぽになったお弁当箱を見て、また笑った。
おべんとうは食べ物だけじゃなくて、つくってくれた人の気持ちや、友だちと分け合う楽しさもいっしょに詰まっているのかもしれませんね。みなさんのおべんとうには、どんな「ひみつ」がつまっていますか?




